2007年11月10日

18年ぶりの世界文学全集

国内では18年ぶりの世界文学全集が河出書房より刊行される。初版2万部で,すでに予約目標の3千セットを突破したとのこと。
世界文学全集は,1989年に河出書房と集英社から出たものが最後。今回の河出書房新社版は,作家の池澤夏樹個人選で全24巻(各2520〜3360円)。初巻はケルアックの「オン・ザ・ロード」(青山南訳)。以降バルガス・リョサ「楽園への道」(田村さと子・初訳),クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(西永良成新訳)が続く。
この時期にスタンダードな作品集を刊行することについて,池澤氏は,『今は口当たりのいい,おなかにもたれない小説を好む読者の層が膨らんでいる。だが,歯ごたえのあるものを頑張って理解した時の達成感は大きな喜びになる。そうした格闘の体験は恋愛より大切なものだ。全集体験は,読書とはその場で値打ちがわかる取引だけではないということを知るいい機会になる』,『何でもありの世界だからこそ文化的基準が求められる。10年前には古典が消えたとグチを言っていたものだが,欠落が一定レベルを超え出版人が気付いたのだろう。一時,出版点数の多さが書店の棚を圧迫し本が入手しにくくなったが,ネットで欲しい本がすぐ買えるようになり,マーケットが本来の形に戻った。書評やブログの読書日記など本を探す目安も増えた』と語っている。
ちなみに朝日新聞によると,光文社が昨年9月に創刊した「古典新訳文庫」はこれまで29冊を刊行し,創刊月に出した8点のうち6点が増刷,「カラマーゾフの兄弟」は全3巻合わせて7万8千部が出た。岩波文庫も,従来は適役の訳者が見つかった機会に訳を更新してきたが,ここ数年は,幅広く新訳をリストアップする方針に変えたという。
posted by 南野靖一郎 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年
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