2007年12月10日

ネーデルラント旅日記(デューラー)

ネーデルラント旅日記 (岩波文庫 青 571-1)かつては年末になると,婦人雑誌の新年号の分厚い付録が話題となり,我が家でも母親がその付録の家計簿に一年間まめに買い物や支払などをメモしていました。しかしながら,最近は婦人雑誌が衰退し,ウチのカミサンなど,もっぱら携帯電話を家計簿代わりに使っております。私など,もっとズボラで,カードの利用記録以外,何にも残っていません・・・。
それでも世の中には,お金の出入りをしっかり記録しておかないと気が済まない人もいるわけで,たとえば画家のデューラーは,1520年夏に途切れた年金の支給を新皇帝カロルス5世に請願すべく,妻と侍女とを伴い,ニュルンベルクからネーデルラント(現在のベルギー地方)へ長旅に出た際,宿代や交通費等を日々細大漏らさず記録しており,後生の研究者への貴重な資料となっています。それが岩波文庫の「ネーデルラント旅日記」。
もちろん,収支だけでなく,諸都市における見聞も記されており,カラーの口絵をはじめ,いくつかのスケッチと詳細な解説を含む本書は,異色の旅日記(「出納簿文学」?)として,一読の価値があります。
posted by 南野靖一郎 at 08:24| Comment(5) | TrackBack(0) | 2007年
この記事へのコメント
tomita様
いつも、ブログを楽しみにさせてもらっています。岩波文庫は私も好きで、数はありませんが、毎月書店で手にとって眺めるだけでも楽しいものです。
tomita様の書評も毎回読ませていただくのが楽しみです。
さて、tomita様の膨大な岩波履歴から、再読に値するような価値のある文庫を何冊か上げるとすれば、どのようなリストになるのでしょう?
tomita様のブログを読んでいるといつしかそんな、好奇心が芽生えてきました。実際、岩波文庫の蔵書は膨大で、次にどれを手にしたらよいか非常に迷うものです。是非、参考にしてみたいと、誠に勝手ながら思うのです。
長くなりまして、すみません。
失礼します。
Posted by ed at 2007年12月10日 21:47
ありがとうございます。私自身、岩波文庫に限らず、何度も読み返す本は多くありませんが、鴎外訳の即興詩人など、明治期の日本の小説は何度も読んでいることが多いですね。
Posted by tomita at 2007年12月15日 09:27
教えてくださってありがとうございます。
森鴎外ですと、「かのように」辺りが西洋の借り物文化の到達点のような気がしてみるべきものの一つですよね。鴎外、漱石、露伴は日本語を知る上でも重要な位置づけだと私も思います。
私個人では、プラトン(各著作集)やデカルトの『方法序説』なんか何度読んでも面白いですね。あと、ニーチェも。
小説ですと、ゾラの『居酒屋』は再読してしまいました。ヘリゲル『日本の弓術』はスターウォーズのヨーダみたいな世界観が面白いですし、戯曲の『桜の園』、『人形の家』、『オイディプス王』、『サロメ』なんかも学生時代の思い出の書です。
でも、最近はマニアックな作品を出してきますので、面白そうだなと思っても、躊躇してしまいます。なにか、岩波好きの方のメルクマールが欲しいこのごろであります。
失礼いたしました。
Posted by ed at 2007年12月17日 22:22
”立ち読みカフェ・藝術堂書房”閉鎖のお知らせ
 何時も”立ち読みカフェ・藝術堂書房”を可愛がって下さってありがとうございます。
実は、急ではございますが、この度”立ち読みカフェ・藝術堂書房”を閉鎖する事になりました。
主な原因は、投稿者の数が増えてくれない事により、見るべき価値の少ないサイトとなってしまった為です。
 今後は各トラックバックピープルとして独立して存在する事になりますが、当方多忙の為、管理は出来なくなりました。
つきましては、万が一スパムなどを発見した際には、「ログイン画面」の「トラックバック・ピープル」のページから BlogPeople 事務局へご連絡下さるようにお願い致します。
なお、私への連絡も年内に終了させて頂きますよう、お願い致します。
 本当に長い間読んで頂いて、誠にありがとうございました。
     一個人
Posted by 一個人 at 2007年12月18日 16:37
デューラーの絵が好きで、デューラーに関す本も時々本屋で探しています。
もう10年以上前になりますが、渋谷の本屋でデューラーの旅の金銭に関する本をハードブックで見ました。買おうかどうするか迷っているうちに次に来店したときには売れていました。
今回たまたまこのホームページを見せていただき、岩波文庫で出版されていることを知り、懐かしく思いました。ぜひ購入したいと思います。
デューラーという人は、小さいころから成熟した人なんだと思っていましたが、まめな人でもあったのですね。
なくなられた安部欣也先生の本にもデューラーの記録の仕方が書いてあったように思います、
これからもデューラーの絵を楽しんで生きたいと思います。
よいお年をお迎えください。      2007/12/31
Posted by 伊東 潤 at 2007年12月31日 12:46
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