2008年12月16日

倉田百三「愛と認識との出発」

愛と認識との出発 (岩波文庫)
倉田百三は岩波書店と縁の深い作家だが、ようやく岩波文庫に代表作「出家とその弟子」、「愛と認識との出発」が収録された。
戦前の学生にとってバイブル的存在だった両書。私も高校生のころに読んだが、昔の学生はこんな本を読み論じていたんだなぁ、といった印象が残っている。内容も恋愛に関するいくつかの印象的な文章を覚えているだけで、今回は新鮮な気持ちで再読した。
ここで取り上げられている善悪、友情、恋愛などに関する問題は、時代が変わっても学生の大きな関心事であることは間違いなく、それを正面からわかりやすく論じた本書は、現在の学生にとっても一読の価値のあるものだと思う。しかし、30年前でさえ、本書は「新入生に勧める書」であり、4月には書店に平積みされていたものの、実際に読んだという学生は少なかった。
本書の刊行を歓迎するのが、懐古的な気分の中老年男だけだとしたら誠に残念....
posted by 南野靖一郎 at 07:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年
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