2006年10月18日

アルファポリス文庫の創刊

VOICEアルファポリス文庫が書店に並んでいました。
アルファポリスはサイト運営が本業。そこで運営している「ドリームブッククラブ」により,インターネット上で読者の支持を集めた作品を出版し,『既存の賞の傾向や審査員の嗜好という枠からはみ出した新しい小説,これまで知られてこなかった仕事の裏側事情目からうろこの生活・情報ノウハウ,などなど』を書籍化しているとのこと。
文庫は10点が同時に刊行され,「Separationーきみが還る場所」, 「VOICE」(市川拓司),「THE CHAT」(椙本孝思),「セカンドクラスの添乗員」(稲井未来)などをパラパラと読んでみましたが,ベストセラー作家といわれも,勉強不足でわかりませんでした。ただし,本自体は,軽量だけど際物的な造りではなく,ちゃんとしていましたよ,M文庫程度には。
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2006年10月17日

他では読めない岩波文庫一括重版(2006年11月)

岩波書店は,11月22日,「他では読めない岩波文庫一括重版」として以下を刊行します。
■ 愛の断想・日々の断想 ジンメル/清水幾太郎 訳
■ 一年有半・続一年有半 中江兆民/井田進也 校注
■ 科学の価値 ポアンカレ/吉田洋一 訳
■ 学問論 シェリング/勝田守一 訳
■ アウグスティヌス 神の国 全5冊 服部英次郎,藤本雄三 訳
■ ギリシア哲学者列伝 全3冊 ディオゲネス・ラエルティオス/加来彰俊 訳
■ マルサス 経済学原理 全2冊 小林時三郎 訳
■ 講孟余話 吉田松陰/広瀬豊 校訂
■ ローザ・ルクセンブルク 獄中からの手紙 ローザ・ルクセンブルク/秋元寿恵夫 訳
■ 宗教的経験の諸相 全2冊 ジェイムズ/桝田啓三郎 訳
■ シンボル形式の哲学 全四冊 全4冊セット カッシーラー/生松敬三,木田元 訳
■ 善なるもの一なるもの プロチノス/田中美知太郎 訳
■ 太陽の都 カンパネッラ/近藤恒一 訳
■ ダランベールの夢 他4篇 ディドロ/新村猛 訳
■ 中国文明論集 宮崎市定/礪波護 編
■ 哲学の改造 ジョン・デューウィ/清水幾太郎,清水禮子 訳
■ 道徳と宗教の二源泉 ベルクソン/平山高次 訳
■ 日本風景論 志賀重昂/近藤信行 校訂
■ 人間知性論 全4冊 ジョン・ロック/大槻春彦 訳
■ 林達夫評論集 林達夫/中川久定 編
■ 不安の概念 キェルケゴール/斎藤信治 訳
■ プラグマティズム ジェイムズ/桝田啓三郎 訳
■ 和辻哲郎随筆集 坂部恵 編
すでに2度目の復刊となっているものも多い気がします。カンパネッラは前回1992年に復刊されていますが,15年も経てば再復刊の機運も高まり・・・ということでしょうか。
posted by 南野靖一郎 at 15:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 2006年

他では読めない岩波文庫一括重版(2006年11月)

岩波書店は,11月22日,「他では読めない岩波文庫一括重版」として以下を刊行します。
■ 愛の断想・日々の断想 ジンメル/清水幾太郎 訳
■ 一年有半・続一年有半 中江兆民/井田進也 校注
■ 科学の価値 ポアンカレ/吉田洋一 訳
■ 学問論 シェリング/勝田守一 訳
■ アウグスティヌス 神の国 全5冊 服部英次郎,藤本雄三 訳
■ ギリシア哲学者列伝 全3冊 ディオゲネス・ラエルティオス/加来彰俊 訳
■ マルサス 経済学原理 全2冊 小林時三郎 訳
■ 講孟余話 吉田松陰/広瀬豊 校訂
■ ローザ・ルクセンブルク 獄中からの手紙 ローザ・ルクセンブルク/秋元寿恵夫 訳
■ 宗教的経験の諸相 全2冊 ジェイムズ/桝田啓三郎 訳
■ シンボル形式の哲学 全四冊 全4冊セット カッシーラー/生松敬三,木田元 訳
■ 善なるもの一なるもの プロチノス/田中美知太郎 訳
■ 太陽の都 カンパネッラ/近藤恒一 訳
■ ダランベールの夢 他4篇 ディドロ/新村猛 訳
■ 中国文明論集 宮崎市定/礪波護 編
■ 哲学の改造 ジョン・デューウィ/清水幾太郎,清水禮子 訳
■ 道徳と宗教の二源泉 ベルクソン/平山高次 訳
■ 日本風景論 志賀重昂/近藤信行 校訂
■ 人間知性論 全4冊 ジョン・ロック/大槻春彦 訳
■ 林達夫評論集 林達夫/中川久定 編
■ 不安の概念 キェルケゴール/斎藤信治 訳
■ プラグマティズム ジェイムズ/桝田啓三郎 訳
■ 和辻哲郎随筆集 坂部恵 編
すでに2度目の復刊となっているものも多い気がします。カンパネッラは前回1992年に復刊されていますが,15年も経てば再復刊の機運も高まり・・・ということでしょうか。
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2006年10月16日

クマのプーさん原作デビューの日

クマのプーさん岩波書店からは,「クマのプーさん」関係の本がいろいろ出ていますが,先頃,ついに10月14日が「クマのプーさん原作デビューの日」に選定されたとのこと。「クマのプーさん」の誕生から80年が経ったわけです。
ちなみに,プーの誕生日は3つあると言われていて,「物語上の誕生日」(1921年8月21日),「原作の出版日」(1926年10月14日),「ディズニーくまのプーさんの誕生日」(1966年2月4日)となっています。
日本における「クマのプーさん」は,石井桃子訳が知られています。石井さんは1933年のクリスマス・イブに作家・犬養健氏の家で「プー横町にたった家」の原書と出会い,子供達に読みきかせました。その後,銀座の教文館で“Winnie-the-Pooh”を見つけ,訳しはじめ,1940年12月に岩波から刊行しましたが,その初版については,岩波書店の原本も紛失しているとのことです。また当時は,石井桃子訳の他に1941年刊行の「小熊のプー公」(松本恵子訳,新潮社)というものもありました。(英米児童文学年表による)
posted by 南野靖一郎 at 20:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月12日

クロノス日本版

Chronos (クロノス) 日本版 2006年 11月号 [雑誌]他人の腕時計を電車の中で注意して見ていると,ロレックス,オメガやセイコー,女性に多いカルチエやブルガリはときどき目にしますが,いわゆる高級時計パティックやバシュロン,ピゲ,ランゲなどは,全然見かけませんね。(そういう人は電車に乗らないかも・・・)
それでも書店に行くと時計雑誌はいろいろ出ていて,ふつうはロレックスやパネライなどを前面に出しているんですが,数百万もするような時計もたくさん出てきます。私自身は,一日中身につけている時計にはクルマ以上にお金を使ってもいいんじゃないかと思いつつ,残念ながらそんな時計にはとても手が出ません。
そこで,せめて眺めるだけでもと,「クロノス日本版」11月号を読みました。本誌は,ドイツの時計雑誌の日本語版で,翻訳記事と日本オリジナルの記事を掲載しています。ムーブメントやマテリアルなどにこだわり,カタログ的な他の時計雑誌より「専門的&高級感」が売り。
【時計工具セット】こういうのならバッチリなんでしょうが・・・
今月号は,世界のウォッチパーソンが選んだマイベストウォッチ特集のほか,山田五郎vs.フランソワ-ポール・ジュルヌ本音対談「21世紀の機械式時計はどこへ向かうのか」が面白かったのですが,本誌の厚みの半分を占める付録の「バネ棒はずし」の箱の取り扱いには困りました。せめて表紙に接着せず,同梱にするかラピタでやるような二重表紙にしてくれたら,箱を外した後でも読みやすかったのに,と残念。(しかもこのバネ棒はずし,私の時計だと太すぎて使えないんですけど)
posted by 南野靖一郎 at 08:57| Comment(3) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月10日

先行き不安?

【ダヌマンスペシャル】短いが結構荒っぽい味。昼休み用だな
土曜日は台風一過,小学校の運動会があり,日焼けで顔がヒリヒリ。小学校に入ったばかりの頃は,早朝から校庭に場所取りして,必死でビデオを回したりしていたが,高学年になってしまうと,とりあえず走るところだけ見ればいいや・・・といった感じで,のんびりムード。でも,いまの1,2年生は結構大きいですな。
そんな中で,北朝鮮の核実験。私のささやかな投資先であるNTTドコモが,久しぶりに持ち直してきてホッとしていたところだったのに,派手にやってくれました。きょうは全面安になるのか,あまり影響がないのかわかりませんが,急落してるミクシィに手を出さないで良かった,などと自分で慰めるしかかいですな。(というか出せなかったのですが)
しかし,ミクシィの流出劇は酷いですね。いまの世の中,悪意がなくても情報流出するのがあたりまえ,と考えなければいけないのでしょう。ラブラブな写真をパソコンにため込んでいる人は要注意,というか,そもそもそんな写真をやたらに撮らせるな,ということでしょうね。私のパソコンなんて,流出したらウサギの写真ばっかりでビックリするだろうな。
posted by 南野靖一郎 at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月05日

アフリカ農場物語(下)(シュライナー)

アフリカ農場物語〈下〉岩波文庫の新刊「アフリカ農場物語(下)」(シュライナー)を読む。
上巻は正直なところ,私にとって楽しく読めるようなものではなかったが,下巻はかなり持ち直してきた。4年間の空白を経て突然帰ってきたリンダルが,当時の社会における女性問題について喋りまくるのだ。そのため,本書はタイトルからすれば美しい自然の中で楽しく暮らす人々の物語・・・といった内容を想像するが,実際には著者の主張が前面に出た,なかなかシビアな話となってくる。
リンダルの主張は真っ正直で明快だが,周囲からは浮いてしまう。会話としては堅苦しい訳のせいかもしれないが,生意気な感じも受ける。しかし,読み終わってみると,彼女自身は憎めない,かわいい人に思えてくるのだ。それに,ここで主張されている生活上の問題は,いまでも我々を悩ましている身近なものに他ならない。
シュライナーは女性解放や平和運動などで早くから日本でも知られており,古くは1917年に神近市子訳で出た「婦人と寄生」などがある。
posted by 南野靖一郎 at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月04日

ぼくの☆アイドル

【ダヌマンムーズフィルター】軽いが匂いがよく滑らかな味。デイリーシガーに。
書店で見つけてビックリした本・・・帯に堂々と「ショコタン推薦のニート青春小説」,新堂冬樹の「ぼくの☆アイドル」。
光文社によると,『27歳の妄想青年・あきおくんの純な気持ちは,果たして彼のアイドルに届くのか!? 『電車男』のようなシンデレラ・ストーリーではないけれど,意外とまじめで一生懸命なあきおくんに微苦笑することうけあいの,ファンタジック・ニート青春小説になりました。人気グラビア・アイドルにして「新・ブログの女王」,しょこたんこと中川翔子さんに推薦文にも要注目!です』とのこと。
ファンタジック・ニート青春小説って・・・ファンタジックなニートなのかニート青春小説がファンタジックなのか理解できないが,どっちにしてもすごいジャンルがあるんですな。
posted by 南野靖一郎 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

ハーフサイズカメラ遊楽(飯田鉄+良心堂)

ハーフサイズカメラ遊楽エイ文庫の新刊「ハーフサイズカメラ遊楽」(飯田鉄+良心堂)を読む。
ハーフサイズカメラは私の子供の頃,1960年代にオリンパス,リコー,キャノンなど各社から多くの機種が出ており,当時高価だったフィルムを2倍使えるということで,人気があった。我が家でも古いリコーオートハーフを使っていた時期があり,いまでもどこかにあるはず。
本書では,各社のハーフサイズカメラやアクセサリを紹介すると共に,ハーフサイズの達人たちの作品を掲載。かわいらしいハーフカメラで撮った写真は,緩めで暖かみがあり,解像度命!といった普通のカメラやデジタルカメラでは出せない味がある。べつに貧乏性じゃなくても楽しめるカメラなのだ。
いまでもハーフサイズカメラのファンは多いようで,ハーフサイズカメラの蔵クラカメ堂HALF-MOONなどWeb上でも充実したサイトが見つかる。
posted by 南野靖一郎 at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月03日

戦争と平和(6)

戦争と平和〈6〉岩波文庫「戦争と平和(6)」( トルストイ)を読む。
これで完結となるが,面白いのは,巻末に付いている「戦争と平和Q&A」と「アルバム トルストイの生涯」。Q&Aでは,トルストイの生まれや育ち,軍隊生活,歴史観などがわかりやすくまとめられており参考になった。
今回の藤沼 貴訳は,格別新味があるといった感じは受けなかったが,読みやすい訳文で,息抜きのコラムなども工夫されていたため,楽しく読み通すことができた。30年前の学生時代,オードリー・ヘップバーンをイメージしながら長編恋愛小説として読んだときと比べて,自分自身の本書に対する気分も変わってしまったが,あらためてトルストイのスケールの大きさに感服した次第。
この次,岩波文庫で新たな「戦争と平和」を通読するとき,自分はどうなっているんだろうと考えてみたが,そんな機会はもう来ないかもしれないな。
posted by 南野靖一郎 at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年10月01日

出張から戻りました

曖昧の七つの型〈下〉先週一週間は,久しぶりに札幌へ出張。週末には25年ぶりに昔の下宿先を訪ねるなど,なかなか充実した旅でした。パソコンも持たず,本を読む時間も無かったのですが,ちょっとぶらぶらした感じで,私の学生時代と比べ,駅前は電器屋だらけとなり,古書店はどこへ行ったのか・・・という印象。別に札幌に限った話ではないのでしょうがね。
10月の岩波文庫新刊は, 「インカ皇統記(3)」(インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ),「ヴォイツェク ダントンの死 レンツ」(ビューヒナー),「美しい夏」(パヴェーゼ,白水社版あり),モーパン嬢(上)」(ゴーチエ,かつて新潮文庫版あり)というラインナップ。ここのところ難しい本が多く,お疲れ気味だっただけに,パヴェーゼやゴーチエが楽しみです。
posted by 南野靖一郎 at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月21日

ゲーデル不完全性定理

ゲーデル 不完全性定理岩波文庫「曖昧の七つの型(下)」( ウィリアム・エンプソン)と新刊の「ゲーデル不完全性定理」を読みました。日頃弱りきっている頭には無理があったようで,あわてて解説を読むものの・・・やっぱり難しい。
「不完全性定理」は300頁のうち本文は50頁。あとは丁寧な解説となっており,やさしく言えば,第1不完全性定理は「いかなる矛盾のない論理体系であっても,その中に証明不可能な命題が必ず存在する」,第2不完全性定理は「いかなる矛盾のない論理体系でも,それ自身に矛盾がないことをその体系の公理系の中だけでは証明できない」ということのようです。みなさん,判りますか? こんなの,我が息子に説明して判ったなんて言われたらやだなぁ・・・と思いますね。
いかなる論理体系でも,証明不可能な命題が必ず存在し,また自分に矛盾がないことを自分自身では証明できないのだから,論理体系が自己完結することはあり得ない,ということですな。ホントか? まあ,インターネットで調べると,これをいろいろな例でわかりやすく説明しようとしているサイトがたくさんあるので,そちらをご覧頂くとして,私は逃げることとします。
posted by 南野靖一郎 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月20日

岩波文庫創刊80周年記念イベント

岩波書店では,岩波文庫創刊80周年を記念して,以下のような企画を計画中です。創刊書目セットの復刻では,判型や紙質も再現するようなので,面白そうです。詳しくは,文庫編集部のページをご覧下さい。
・2006年12月 『復刻 岩波文庫創刊書目(23冊セット)』発売
・2007年1月 新刊8点刊行
・雑誌『図書』にて「岩波文庫と私」(仮題)連載開始(1年間)
・2007年2月 新刊8点刊行
・2007年4月 雑誌『図書』臨増号「アンケート 岩波文庫の3冊」発売
・2007年5月 80年版『岩波文庫解説総目録1927-2006』発売
・アンケートをもとにした80年記念岩波文庫フェア「私の好きな岩波文庫」
また,既刊書の活字の大型化?も順次進められており,『まず,来年の春と秋の2回,各20点程度,以降も続けてゆき,いずれは全点を読みやすいものにしたい,と思っています。』とのこと。
posted by 南野靖一郎 at 12:05| Comment(5) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月14日

光文社古典新訳文庫

ちいさな王子光文社が7日に創刊した「光文社古典新訳文庫」が書店に並んでいた。
このシリーズは,優れた海外文学作品をすべて新訳で紹介するもので,『活字離れを食い止めるためにも本当に面白い作品を読者に届けようと,翻訳者と話し合いを重ね,未邦訳のものも含めて作品を選択。タイトルにもこだわった』とのこと。
今月刊行の第1弾は,ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟1」(亀山郁夫訳),トゥルゲーネフ「初恋」(沼野恭子訳),サン=テグジュペリ「ちいさな王子」(野崎歓訳)など8点。安っぽくない造本とすべて新訳ということを考えれば,良心的な価格。
さっそく,「ちいさな王子」を読んでみた。これはもちろん,「星の王子さま」の野崎歓による新訳で,タイトルや翻訳の際のこだわりについては,著者自身が本書の中で解説している。もっとも,最近の新訳ラッシュの中,従来の「星の王子さま」を踏襲せず,原題の「小さな王子」に沿ったタイトルをつけているものとして,山崎庸一郎, 河原泰則,藤田尊潮各氏の訳がすでにあるが。
野崎さんは映画評論でも知られており,若い訳者(といっても私と同い歳だ)らしく,現代的で持って回ったところのないスッキリとした訳となっている。楽しく読むことができた。
posted by 南野靖一郎 at 05:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月12日

絶版文庫のフェア

紀伊國屋書店新宿南店(渋谷区千駄ヶ谷タカシマヤタイムズスクエアビル)では,28日まで絶版文庫のフェアを開催中。
ふるほん文庫やさんが提供する1万2000冊の絶版文庫の販売とともに,絶版商品の客注も受け付けるとのこと。同社との提携によるフェアは11回目。(新文化紙による) 同じく開催中の岡山店の他,今後全国各地で開催予定。
ふるほん文庫やさんについては,「本屋のほんね」さんのレポートが面白いです。
posted by 南野靖一郎 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月11日

新橋大古書市

【ネオスパシフィック】香りはよい。安っぽい感じは否めず舌に葉が付く。
新橋駅前で恒例の「大古書市」が14日まで開催中です。
昼休みに覗いてきましたが,文庫本関係は新しいものが多く,岩波文庫も多くはカバー付きでした。新書,文庫共に点数は多いので,通勤用の読み物を探している人にはぴったり。
もともとこの古書市は,専門書よりも,料理や写真,鉄道などの実用書,趣味書,各種雑誌,写真集,チラシ,辞書などがメインで,暑い中,OLさんたちも混じって,なかなかにぎわっていました。
お近くの方は,ぜひどうぞ。
posted by 南野靖一郎 at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月07日

津田左右吉歴史論集

津田左右吉歴史論集未来のプリンス誕生ということで,なかなか賑やかですが,皇太子殿下と同年齢で親しみを感じてきた私としては,雅子様の動向と共に,めでたさも中くらいなり・・・。
まあ,私ごときが心配してもしょうがないことなので,先月出た岩波文庫の「津田左右吉歴史論集」を読みながら,1ヶ月半ぶりにオーバーホールから戻ってきた時計を磨いています。高価ではないけれど,もう16年使い込んできた時計なので,愛着はあるんですね。
「歴史論集」所収の「建国の事情と万世一系の思想」は,終戦直後(昭和21年)の「世界」に掲載された論文ですが,当時の天皇制に係る社会的な状況を考えると,とても興味深いもの。「国民とともにあるがゆえに,皇室は国民と共に永久である。国民がみづから国家を主宰する現代においては,皇室は国民の皇室であり,天皇は「われらの天皇」である」 これは意外に思えますね。本書は学術論文の堅苦しさが無く,解説も丁寧なので,思想書,歴史書と構えずに読むことができます。
posted by 南野靖一郎 at 07:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 2006年

2006年09月04日

新販売システム

新文化紙によると,日書連の提案を受けるかたちで,講談社は黒柳徹子著『窓ぎわのトットちゃん』と,いとうひろし著『だいじょうぶ だいじょうぶ』の既刊2点のオリジナル新装版を返品ゼロの完全買切・満数配本の特別条件で発売する。組合書店から9月25日までに注文を受け,総部数を決定してから製本する。目標発行部数は最低各2万部,講談社から各取次会社,各取次会社から各書店への出し正味は通常通りで,参加組合書店へのマージンが40%になるよう報奨金を支払う,とのこと。
この日書連の提案というのは,書店店頭の活性化を図るための「新販売システム」のことで,「書店マージンの拡大」「適正配本」を目的に,「受注生産」「満数配本」「完全売り切り(返品ゼロ)」を目指すもの。事前に書店から注文を取り,総部数を決定してから製本。書店への配本については希望通りの満数配本で,完全に売り切って返品はゼロという,従来の手法にはなかった画期的な試み。また,この企画は書店自らの手で選んだ良書を普及させる読書推進運動でもあるという。
posted by 南野靖一郎 at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年

2006年08月28日

小説の認識(伊藤 整)

小説の方法夏休みもようやく終わり。遊園地やプール,花火大会など,さすがにウンザリしてきましたが,ようやく普段のペースに戻れて嬉しいですな。
伊藤 整の「小説の認識」は,1949〜53年にわたって諸雑誌に発表されたもので,前著「小説の方法」の発展として考えられ,かつ書かれたもの。著者の序文には,『本書には「我が秩序の認識」と「組織と人間」が加えられており,これは前著で積極的に試みなかった分野に足を踏み入れたことになるが,その理由は,このような分野のことを考えずには現代の文学が考えられなくなったからである』とある。
「小説の認識」は,当初河出新書として刊行されたが,当時の伊藤 整は,「文学入門」など新書による文学書のベストセラーを輩出し,新書ブームの立役者でもあった。
岡崎武志氏によると,硬い職業の人に軟らかい随筆を書かせる時代の気分というものが,昭和30年前後にはあり,ちょうどいまのような新書ブームがこのとき巻き起こった。時代はデフレで,とにかく値段の安い本を大量に自転車操業で出し続けなければいけない。新書という廉価軽装の器はそれにうってつけだった。新書出版史において,この時代の持つ意味は大きかった。
また,その頃,伊藤 整の「女性に関する十二章」(中央公論社,昭和29年)が年間売上げ1位の大ベストセラーとなった。当時,伊藤 整の名は「チャタレイ夫人の恋人」猥褻裁判で有名だったから,このような真面目な文学者と猥褻文学とのギャップがその後の新書ブームの性格を決定づけたとしている。
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2006年08月22日

詩本草(柏木如亭)

「詩本草」(柏木如亭)を読みました。
若くして幕府の棟梁となった如亭は,吉原で遊びまくった末,各地へ遊行の旅に出ることとなりますが,旧友の葛西因是が「色食は性と成り天真爛漫」と評したとおり,そこでも風流な遊び人として名を馳せ,女性関係も盛んだったよう。
グルメな本書にも,吉原時代の思い出や女性と食べ物を絡めた詩がいろいろ出てきます。たとえば,魚の塩漬けの段で,越前の鱈は美貌の妻,越後の鮭は色っぽい妾,加賀の姫鰯は俊敏な下女,駿河の興津鯛は名高い遊女,若狭の小鯛は金持ちのお嬢さん,といった具合。
また,あるときは風雨激しく富士山の山小屋に死ぬ思いで3日間閉じ込められ,その間白粥しか食べられなかったので,いまでも白粥を見ると吐き気がするなどという件もあります。
漢文なので取っつきにくいのですが,語句の注は丁寧,一章ごとに要点と背景がまとめられているので,味わって読むには適当かと思います。
posted by 南野靖一郎 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年