2007年12月28日

岩波文庫の未完結本(創刊80周年版)

岩波文庫80周年にあわせて,新しい解説総目録をもとに,10年ぶりに未完結本をまとめてみました(前回のまとめはこちら)。当然ながら,この10年間に完結した書目はありません・・・。
シリーズものの文庫は文学全集と違って,廃刊にならないかぎり,未完結なのが当たり前ですから,ここでいう「未完結文庫本」というのは,(上)(中)(下),または(1)(2)(3)・・・・などと刊行が予定されていた書目が,何らかの理由で(上)のみ,あるいは(1)(2)のみで途絶し,長い期間を経ても未だ完結していない場合です。
ほかに,岩波文庫の場合,戦前に一部を刊行したまま未完結となり,戦後あらためて一から出直して完結した書目もありますので,今回はそれもあわせて未完結書目としています。
■錦里文集 全2冊 木下順庵校訳 1953 下巻未刊
■明六雑誌 全3冊 山室信一校注 1999 中巻以降未刊
■宋名臣言行録 全3冊 和田清校訂 1948 下巻未刊
■雍州府史 全2冊 黒川道祐校訂 2002 下巻未刊
■日本滞在記 全3冊 ハリス 玉城肇訳 1944 中巻以降未刊(坂田精一訳で1954完結)
■道具と人類の発展 全2冊 ノワレ 1954 下巻未刊
■大地と人類の進化 全2冊 フェーヴル 飯塚浩二訳 1941 下巻未刊(飯塚・田辺訳で1972完結)
■芸術におけるわが生涯 全3冊 スタニスラフスキー 島田謹二訳 1942 中巻以降未刊(藤原惟人訳で1956完結)
■意志と表象としての世界 巻数未定 ショーペンハウエル 1941 正篇第1巻のみ。以降未刊
■人間的余りに人間的 ニーチェ 全2冊 1937 下巻未刊
■言語 全2冊 イェスペルセン 1981 第2巻未刊
■化学通信 全4冊 リービッヒ 1952 第3巻以降未刊
■うつほ物語 河野多麻校訂 1957 第2巻以降未刊
■源平盛衰記 全5冊 冨倉徳次郎校訂 1944 第2巻以降未刊
■吾妻鏡 全8冊 竜粛訳注 1944 第6巻以降未刊
■嬉遊笑覧 全5冊 喜多村〓庭 2005 第5巻未刊
■甲陽軍艦 全4冊 古川哲史校訂 1950 第2巻以降未刊
■アメリカのデモクラシー 全4冊 トクヴィル 2005 第2巻上下未刊
■経済学原理 全7冊 スチュアート 1980 第4巻以降未刊
■資本論 巻数未定 マルクス 河上肇訳 1929 第1巻5分冊まで刊 以下未刊(向坂訳1956,1070で完結)
■「J.S.ミル経済学原理」への評解 全3冊 チェルヌィシェフスキー 1951 中巻以降未刊
■レーニン哲学ノート 巻数未定 松村一人訳 1956 第3巻以降未刊(同訳者にて1975全2冊完結)
■毛詩抄 全4冊 清原宣賢講述 1942 第3巻以降未刊
■中国小説史 全2冊 魯迅 1981 戦前版の改訳だが下巻未刊
■カンタベリー物語 全3冊 チョーサー 1973 中巻以降未刊(同訳者にて1995全3冊完結)
■ユリシーズ 全5冊 ジョイス 1958 戦前版は完結。第2巻以降未刊
■U.S.A. 全6冊 ジョン・ドン・パソス 1978 第3巻以降未刊
■ゲーテ詩集 全4冊 茅野蕭々訳 1941 第2巻以降未刊(片山・竹山訳1957で完結)
■断章 全3冊 ノヴァーリス 1942 下巻未刊
■ドイツ民譚集 全5冊 シュワープ 1948 第2巻以降未刊
■カサノヴァ回想録 全20冊 岸田国士訳 1956 第8巻以降未刊
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岩波文庫の未完結本(創刊80周年版)

岩波文庫80周年にあわせて,新しい解説総目録をもとに,10年ぶりに未完結本をまとめてみました(前回のまとめはこちら)。当然ながら,この10年間に完結した書目はありません・・・。
シリーズものの文庫は文学全集と違って,廃刊にならないかぎり,未完結なのが当たり前ですから,ここでいう「未完結文庫本」というのは,(上)(中)(下),または(1)(2)(3)・・・・などと刊行が予定されていた書目が,何らかの理由で(上)のみ,あるいは(1)(2)のみで途絶し,長い期間を経ても未だ完結していない場合です。
ほかに,岩波文庫の場合,戦前に一部を刊行したまま未完結となり,戦後あらためて一から出直して完結した書目もありますので,今回はそれもあわせて未完結書目としています。
■錦里文集 全2冊 木下順庵校訳 1953 下巻未刊
■明六雑誌 全3冊 山室信一校注 1999 中巻以降未刊
■宋名臣言行録 全3冊 和田清校訂 1948 下巻未刊
■雍州府史 全2冊 黒川道祐校訂 2002 下巻未刊
■日本滞在記 全3冊 ハリス 玉城肇訳 1944 中巻以降未刊(坂田精一訳で1954完結)
■道具と人類の発展 全2冊 ノワレ 1954 下巻未刊
■大地と人類の進化 全2冊 フェーヴル 飯塚浩二訳 1941 下巻未刊(飯塚・田辺訳で1972完結)
■芸術におけるわが生涯 全3冊 スタニスラフスキー 島田謹二訳 1942 中巻以降未刊(藤原惟人訳で1956完結)
■意志と表象としての世界 巻数未定 ショーペンハウエル 1941 正篇第1巻のみ。以降未刊
■人間的余りに人間的 ニーチェ 全2冊 1937 下巻未刊
■言語 全2冊 イェスペルセン 1981 第2巻未刊
■化学通信 全4冊 リービッヒ 1952 第3巻以降未刊
■うつほ物語 河野多麻校訂 1957 第2巻以降未刊
■源平盛衰記 全5冊 冨倉徳次郎校訂 1944 第2巻以降未刊
■吾妻鏡 全8冊 竜粛訳注 1944 第6巻以降未刊
■嬉遊笑覧 全5冊 喜多村〓庭 2005 第5巻未刊
■甲陽軍艦 全4冊 古川哲史校訂 1950 第2巻以降未刊
■アメリカのデモクラシー 全4冊 トクヴィル 2005 第2巻上下未刊
■経済学原理 全7冊 スチュアート 1980 第4巻以降未刊
■資本論 巻数未定 マルクス 河上肇訳 1929 第1巻5分冊まで刊 以下未刊(向坂訳1956,1070で完結)
■「J.S.ミル経済学原理」への評解 全3冊 チェルヌィシェフスキー 1951 中巻以降未刊
■レーニン哲学ノート 巻数未定 松村一人訳 1956 第3巻以降未刊(同訳者にて1975全2冊完結)
■毛詩抄 全4冊 清原宣賢講述 1942 第3巻以降未刊
■中国小説史 全2冊 魯迅 1981 戦前版の改訳だが下巻未刊
■カンタベリー物語 全3冊 チョーサー 1973 中巻以降未刊(同訳者にて1995全3冊完結)
■ユリシーズ 全5冊 ジョイス 1958 戦前版は完結。第2巻以降未刊
■U.S.A. 全6冊 ジョン・ドン・パソス 1978 第3巻以降未刊
■ゲーテ詩集 全4冊 茅野蕭々訳 1941 第2巻以降未刊(片山・竹山訳1957で完結)
■断章 全3冊 ノヴァーリス 1942 下巻未刊
■ドイツ民譚集 全5冊 シュワープ 1948 第2巻以降未刊
■カサノヴァ回想録 全20冊 岸田国士訳 1956 第8巻以降未刊
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2007年12月25日

「読ミガエル名作」フェア

エンド・マークから始まる―片岡義男恋愛短編セレクション・夏 (角川文庫)紀伊國屋書店では,創業80年を記念し,長く店頭から消えている文庫の中で,「もう一度読み返したい」「店頭で販売をしたい」1冊を全スタッフに募り,その結果を元に,各出版元に重版可能なタイトルを打診,7社40タイトルの復刊を実現した。これにより紀伊國屋書店各店店頭では,12月中旬より「読ミガエル名作〜紀伊國屋書店文庫復刊フェア」を順次,開催する。復刊書目は次の通り。
■角川文庫
・恋愛短篇セレクション エンド・マークから始まる(片岡義男)(2001/07/25)
・恋愛短篇セレクション 私の風がそこに吹く(片岡義男)(2001/11/25)
・恋愛短篇セレクション 私はいつも私(片岡義男)(2002/06/25)
・大義の末(城山三郎)(1984/12/01)
・オヨヨ島の冒険(小林信彦)(1996/11/25)
・地球暗黒記 1,2,3(荒俣 宏)(1988/07/25)
・ひとめあなたに…(新井素子)(1986/10/10)
・次に行く国,次にする恋(林 真理子)(1992/01/25)
・おばあさんから教わること(式田和子)(1998/12/25)
・いつかまた,プレイボール(山際淳司)(1985/11/01)
■講談社文庫
・聖職の碑(新田次郎)(1980/12/01)
・くじらの降る森(薄井ゆうじ)(1996/01/01)
・南の島の魔法の話(安房直子)(1980/06/01)
・伝説なき地(船戸与一)(1995/11/15)
・生物の世界(今西錦司)(1992/08/01)
・なにわのアホぢから(中島らも)(1995/05/15)
池袋モンパルナス―大正デモクラシーの画家たち (集英社文庫)■集英社文庫
・池袋モンパルナス(宇佐美承)(1995/01/25)
・恋愛太平記 1,2(金井美恵子)(1999/11/25)
■ちくま文庫
・サド侯爵の手紙(澁澤龍彦)(1988/01/26)
・東京ミキサー計画(赤瀬川原平)(1994/12/05)
■中公文庫
・智謀の人 毛利元就(古川 薫)(1997/06/18)
・映画千夜一夜 上,下(淀川長治)(2000/01/25)
■ハヤカワ文庫
・煮たり焼いたり炒めたり(宮脇孝雄)(1998/11/30)
・タイムクエイク(カート・ヴォネガット)(2003/02/15)
・ジェイルバード(カート・ヴォネガット)(1985/09/01)
・青ひげ(カート・ヴォネガット)(1997/09/30)
・チャンピオンたちの朝食(カート・ヴォネガット)(1989/12/15)
・ソングマスター(オーソン・スコット・カード)(1984/03/01)
・一人だけの軍隊(デーヴィッド・マレル)(1982/11/01)
・エデン(レム)(1987/11/15)
・宇宙創世記 ロボットの旅(レム)(1976/08/01)
・デリラと宇宙野郎たち(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/06/01)
・地球の緑の丘(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/07/31)
・動乱2100(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/09/30)
■文春文庫
・舞え舞え蝸牛 新・落窪物語(田辺聖子)(1979/10)
・毒舌日本史(今 東光)(1996/08/10)
posted by 南野靖一郎 at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年12月23日

「ブック・オブ・ザ・イヤー2007」6賞決まる

新文化紙などによると,オリコンほか6書店で構成する実行委員会は,6部門で受賞作を決めた。
【総合】 女性の品格
【単行本】 ホームレス中学生
【コミック】 ONE PIECE(46巻)
【タレント本】 ホームレス中学生
【写真集】 関ジャニ∞
【作家別】 佐伯泰英
これらは,1月から12月中旬まで,文教堂グループ,くまざわ書店グループ,三洋堂書店,精文館書店,明屋書店,フタバ図書の計674店での販売データに基いて決められたもの。
posted by 南野靖一郎 at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年12月10日

ネーデルラント旅日記(デューラー)

ネーデルラント旅日記 (岩波文庫 青 571-1)かつては年末になると,婦人雑誌の新年号の分厚い付録が話題となり,我が家でも母親がその付録の家計簿に一年間まめに買い物や支払などをメモしていました。しかしながら,最近は婦人雑誌が衰退し,ウチのカミサンなど,もっぱら携帯電話を家計簿代わりに使っております。私など,もっとズボラで,カードの利用記録以外,何にも残っていません・・・。
それでも世の中には,お金の出入りをしっかり記録しておかないと気が済まない人もいるわけで,たとえば画家のデューラーは,1520年夏に途切れた年金の支給を新皇帝カロルス5世に請願すべく,妻と侍女とを伴い,ニュルンベルクからネーデルラント(現在のベルギー地方)へ長旅に出た際,宿代や交通費等を日々細大漏らさず記録しており,後生の研究者への貴重な資料となっています。それが岩波文庫の「ネーデルラント旅日記」。
もちろん,収支だけでなく,諸都市における見聞も記されており,カラーの口絵をはじめ,いくつかのスケッチと詳細な解説を含む本書は,異色の旅日記(「出納簿文学」?)として,一読の価値があります。
posted by 南野靖一郎 at 08:24| Comment(5) | TrackBack(0) | 2007年

2007年12月05日

岡本綺堂随筆集

岡本綺堂随筆集 (岩波文庫 緑 26-3)今年はインフルエンザが流行しそうだとのこと。
インフルエンザといえば,岩波文庫の新刊「岡本綺堂随筆集」に明治時代のインフルエンザの話があって,それによると,インフルエンザが初めて流行ったのは明治23〜24年にかけて。当時はインフルエンザとは呼ばず,普通はお染風と言っていた。江戸時代にインフルエンザに似た感冒が大流行し,それに誰かがお染という名を付けたのが由来で,お染が久松に惚れたように,すぐに感染するという謎なのだ。
病がお染であるから,これに取り憑かれる患者は久松でなければならないということで,お染の乱入を防ぐために,明治23,4年の東京では,家の軒に「久松留守」との紙札を貼り付けることが流行した。なかには「お染御免」などという札もあったらしい。
本書は,このような明治末期から昭和初期における東京の日常生活のつれづれや,各地の旅の印象を,「半七捕物帳」で知られる岡本綺堂が,淡々としながらも,どこか粋で男の色気が感じられる文章で綴ったもの。さすがに巧いものだなぁと感心しつつ,楽しめる本。
posted by 南野靖一郎 at 08:15| Comment(3) | TrackBack(0) | 2007年

2007年12月04日

80年版  岩波文庫解説総目録

さてさて10年ぶりに出ました「80年版  岩波文庫解説総目録 ―1927〜2006 ―」(岩波文庫編集部編,四六判上製函入,1280頁,定価4,200円)。80周年記念ということなんでしょうが,80年版というのは,後々わかりにくくならないですかね。
岩波文庫の既刊5400冊を20のジャンル別に収録し,解説・書誌データを付けた総目録。巻末には書名索引,著訳者別書名索引もあります。最近岩波文庫に興味を持った方はもちろん,私のように,古いところで創刊40周年記念目録や創刊50周年記念復刊あたりからのファンでありながら,岩波文庫歴30余年の割には全然身に付いていない(あるいはすでに記憶力が・・・)という方にも,なかなか役に立ちます。ちなみに10年前の解説総目録もまだ現役で販売されていますね。
※初期の解説目録については,こちらをご参照下さい。
posted by 南野靖一郎 at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年12月03日

山海堂12月3日付で業務停止 解散へ

雑誌「オートテクニック」「F1 MODELING」などホビー,土木,工学関係の書籍で知られる山海堂(東京・本郷)は12月3日昼ごろ,全社員を集め解雇と解散する旨を伝えた。同日業務を全面的に停止し,債務整理を弁護士に一任した。信用調査機関の調べによると,平成18年2月期の時点で売上高は10億円,金融機関の借入金は10億円。負債は約17億円程度と推計される。
今後については,「現段階では未定。一両日中に方向性を決定」とのこと。社屋はロックアウトされ,社員は解雇されている現状から自己破産の手続きがとられることが濃厚とみられる。(新文化ほか)
ホームページはすでにつながらなくなっていますね。
posted by 南野靖一郎 at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年11月20日

その後のツレがうつになりまして

その後のツレがうつになりまして。幻冬舎の新刊「その後のツレがうつになりまして」(細川貂々)を読みました。
仕事人間だった夫がうつになって会社を退職,その後の闘病生活の様子をイラストレータの妻が描いて話題になった本の続編。著者によると,刊行後,同じ悩みを抱えているたくさんの人たちと出会うことができ,世界が広がったとのこと。
本書は,次第に治癒してきて,主夫として暮らす夫との生活を,ほのぼのタッチで描いているので,あまり悲惨な感じはしません。でも,実際に自殺を考え,再発に怯える夫を,ここまで支えてきた苦労は並大抵のものでは無かったはず。いやいや,みんな他人事とは思えないから,これだけ反響があったのでしょう。
ちなみにペットはグリーンイグアナ。詳しくは,ほそかわてんてんのホームページ「とかげのしっぽ」をご覧下さい。
posted by 南野靖一郎 at 12:59| Comment(5) | TrackBack(0) | 2007年

2007年11月12日

タンマ君 祝1900回

タンマ君 (7)今週号の週刊文春は,東海林さだおが38年間続けてきた連載漫画「タンマ君」の1900回特集。
タンマ君の謎を解く!!と題して,名前の由来,仕事,好みの女性や食べ物など,これまでの連載中に現れたさまざまなエピソードからタンマ君の実像に迫っています。
ちなみに,東海林さん曰く,タンマ君と作者とは,「優柔不断でイジイジしているところ。それから女にモテナイところ」が似ているとのこと。いやいやポッチャリ好きの東海林さんて,決してモテナイなんてことはないらしいですけどね。
posted by 南野靖一郎 at 17:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 2007年

2007年11月10日

18年ぶりの世界文学全集

国内では18年ぶりの世界文学全集が河出書房より刊行される。初版2万部で,すでに予約目標の3千セットを突破したとのこと。
世界文学全集は,1989年に河出書房と集英社から出たものが最後。今回の河出書房新社版は,作家の池澤夏樹個人選で全24巻(各2520〜3360円)。初巻はケルアックの「オン・ザ・ロード」(青山南訳)。以降バルガス・リョサ「楽園への道」(田村さと子・初訳),クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(西永良成新訳)が続く。
この時期にスタンダードな作品集を刊行することについて,池澤氏は,『今は口当たりのいい,おなかにもたれない小説を好む読者の層が膨らんでいる。だが,歯ごたえのあるものを頑張って理解した時の達成感は大きな喜びになる。そうした格闘の体験は恋愛より大切なものだ。全集体験は,読書とはその場で値打ちがわかる取引だけではないということを知るいい機会になる』,『何でもありの世界だからこそ文化的基準が求められる。10年前には古典が消えたとグチを言っていたものだが,欠落が一定レベルを超え出版人が気付いたのだろう。一時,出版点数の多さが書店の棚を圧迫し本が入手しにくくなったが,ネットで欲しい本がすぐ買えるようになり,マーケットが本来の形に戻った。書評やブログの読書日記など本を探す目安も増えた』と語っている。
ちなみに朝日新聞によると,光文社が昨年9月に創刊した「古典新訳文庫」はこれまで29冊を刊行し,創刊月に出した8点のうち6点が増刷,「カラマーゾフの兄弟」は全3巻合わせて7万8千部が出た。岩波文庫も,従来は適役の訳者が見つかった機会に訳を更新してきたが,ここ数年は,幅広く新訳をリストアップする方針に変えたという。
posted by 南野靖一郎 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年11月08日

エクスメディア倒産

フルカラーのPC入門書「超図解」シリーズで知られるエクスメディアが,10月31日東京地方裁判所に自己破産申請を行った。負債は11億円。三笠書房を引受先とする再建計画もあったが,不調に終わったという。
IT系書籍や雑誌は調子が悪くないと思っていたのだが,市場は冷え込んでいるという。そもそも本でPCのお勉強をしようという人が減っているわけですな。疑問点はググれば大抵分かるしね。「超図解」シリーズはわかりやすい説明で好感もっていたけれど,フルカラーで1000円程度の価格設定だったから,なかなか苦しかったのかも。
posted by 南野靖一郎 at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年11月05日

新橋古本まつり

shimbashi200711.jpg恒例の「新橋古本まつり」が,JR新橋駅前SL広場にて5〜10日まで開催中です。
雑誌,ムック,文庫・新書など白っぽいものがメインですが,お近くにお越しの際には,お立ち寄り下さい。
posted by 南野靖一郎 at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年

2007年10月29日

岩波文庫の重版

岩波文庫では,創刊80年を記念して,本年4月にロングセラー13点19冊を,活字を大きくし,字詰め行間を改め,より読みやすくして,一括重版しました.これに続き,10月4日に以下の7点10冊が同様に重版されました。今後も基本書目を随時見直し,刊行していきたいとのことです。
・日本民謡集(町田嘉章,浅野建二編)
・カルメン(メリメ/杉 捷夫訳)
・赤と黒(全2冊)(スタンダール/桑原武夫,生島遼一訳)
・エミール(全3冊)(ルソー/今野一雄訳)
・遠野物語・山の人生(柳田国男)
・言語(上)(イェスペルセン/三宅 鴻訳)
・音楽と音楽家(シューマン/吉田秀和訳)
ちなみに,「言語(上)」は1985年以来の重版で,下巻は近々刊行の予定。
posted by 南野靖一郎 at 17:47| Comment(1) | TrackBack(0) | 2007年

2007年10月17日

疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活(寺島靖国)

疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活少々遅くなりましたが,寺島靖国の新刊「疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活」(河出書房)を読みました。
久しぶりに読んだ寺島さんのオーディオ本ですが,えーと,基本的にはいままでの本と一緒です,書いてあることは。寺島さん自身,さるオーディオ評論家から『あなたの本が面白いという人がいたら,それは我々がずっと前から悪戦苦闘してきたことを,さも新しい発見のように書いているから・・・』などと言われたらしいですが,寺島さんのはJAZZ喫茶という商売も含めて,自分自身の経験をリアルに書いているから面白い。体験記,あるいは実験レポートであって評論じゃないんです。だから,オーディオファンじゃなくても,こんな痛快な,お馬鹿なオヤジがいるんだぁというところで楽しめます。
本書では,オーディオ専用の電源を確保すべく,東電に頼んで庭に個人専用の電柱を建て,マイ・トランスから電気を引くという快挙にでたものの,結果は・・・ショボーン。しかしそれにもめげず,次々と機材を入れ替え,再度孤高の音作りに励んでいきます。ご当人は,売ったり買ったりの繰り返しですよ,というものの,これだけの時間とお金をつぎ込めるというのは,羨ましいかぎり。
posted by 南野靖一郎 at 13:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 2007年

2007年10月16日

ペン!!ペン!ペン!ファウンテンペン!

ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!―私が選んだ一本の万年筆「ペン!!ペン!ペン!ファウンテンペン!ー私が選んだ一本の万年筆」を読む。
南雲堂フェニックス刊,277ページ。本書にはたくさんの万年筆が登場する。しかし,カタログ本ではなく,万年筆ファン一人一人が,愛着のある自分の万年筆を紹介し,その思い入れを語っている。掲載された写真(これが精細で綺麗)も,実際にそれぞれの筆者が使っているもので,かなり年季が入っていたり,イニシャルが刻まれていたりする。どんな人にも,万年筆にも,歴史があるのだ。
私自身も,万年筆やインクにはいろいろ手を出してきたものの,結局普段デスクの上にあるのは,ロイヤルブルーを入れたモンブラン146。腰の強さや握り心地など,いろいろな理由はあるけれど,やはり安定したフローと書き味がポイント。もう1本選ぶとすれば,久保製作所で調整したパーカーのデュオフォールド。いずれも親子代々受け継ぐだけの耐久性があることは間違いないが,我が息子がオヤジになる時代に万年筆はどんな扱いを受けているのだろうか。
本書にはほかに,モンブラン149ユーザの座談会などもあり,中身は盛りだくさん。いかにも地道に手をかけて作られた本で,3150円という価格だが,本の造りも立派。文房具ファンにはお薦め。
posted by 南野靖一郎 at 13:56| Comment(3) | TrackBack(0) | 2007年

2007年10月14日

ゴマ文庫創刊

ゴマブックスから11月7日に「ゴマ文庫」が創刊される。
自社書籍や書下ろしを中心に,初回12点。12月,来年1月には各10点を刊行予定。以後毎月7〜10点を刊行し,年間100点を目指す。
初回刊行分は,「アホでマヌケなアメリカ白人」(マイケル・ムーア),「眺めのいい人」(伊集院静),「90日で幸せな小金持ちになるワークブック」(本田 健),「一生の幸せにつながる一日の過ごし方」(船井幸雄),「幸せな奇跡を起こす本」(佳川奈未),「彼があなたとセックスしない理由」(中村うさぎ),「図解 起業力のつくり方」(内田雅章),「クロスロード―あの日の約束」(泉 忠司・晴香葉子),「彼女たちの日々と底上げブラ1」(キャシー・ホプキンス),「セレブな犬のしつけ方」(タマー・ゲラー),「体験コミック ご出産1」(まついなつき),「人生を変えたイイ言葉」(萩本欽一)。
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ゴマ文庫創刊

ゴマブックスから11月7日に「ゴマ文庫」が創刊される。
自社書籍や書下ろしを中心に,初回12点。12月,来年1月には各10点を刊行予定。以後毎月7〜10点を刊行し,年間100点を目指す。
初回刊行分は,「アホでマヌケなアメリカ白人」(マイケル・ムーア),「眺めのいい人」(伊集院静),「90日で幸せな小金持ちになるワークブック」(本田 健),「一生の幸せにつながる一日の過ごし方」(船井幸雄),「幸せな奇跡を起こす本」(佳川奈未),「彼があなたとセックスしない理由」(中村うさぎ),「図解 起業力のつくり方」(内田雅章),「クロスロード―あの日の約束」(泉 忠司・晴香葉子),「彼女たちの日々と底上げブラ1」(キャシー・ホプキンス),「セレブな犬のしつけ方」(タマー・ゲラー),「体験コミック ご出産1」(まついなつき),「人生を変えたイイ言葉」(萩本欽一)。
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ウェッジ文庫創刊

書痴半代記 (ウェッジ文庫)
新幹線内などで見かけるビジネス誌「Wedge」。その出版元ウェッジ(JR東海の子会社)より,ウェッジ文庫が10月22日に創刊される。
初回は,「日本人の忘れものI」(中西進),「清朝十四王女−川島芳子の生涯」(林えり子),「変化の時代と人間の力−福原義春講演集」,「余はいかにして鉄道愛好者となりしか」(小池滋)。キヨスクの販売力に期待するとのこと。
ちなみに,ウェッジではこれまで,「東京駅はこうして誕生した」,「東海道の旅」,「折れたレール」(英国鉄道民営化ドキュメント),「満鉄と東インド会社,その産声」,「車窓発見101番勝負」などJRらしい単行本を出しており,ほとんどが入手困難となっているので,文庫での出版を望みたいところ。
posted by 南野靖一郎 at 17:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 2007年

ウェッジ文庫創刊

書痴半代記 (ウェッジ文庫)
新幹線内などで見かけるビジネス誌「Wedge」。その出版元ウェッジ(JR東海の子会社)より,ウェッジ文庫が10月22日に創刊される。
初回は,「日本人の忘れものI」(中西進),「清朝十四王女−川島芳子の生涯」(林えり子),「変化の時代と人間の力−福原義春講演集」,「余はいかにして鉄道愛好者となりしか」(小池滋)。キヨスクの販売力に期待するとのこと。
ちなみに,ウェッジではこれまで,「東京駅はこうして誕生した」,「東海道の旅」,「折れたレール」(英国鉄道民営化ドキュメント),「満鉄と東インド会社,その産声」,「車窓発見101番勝負」などJRらしい単行本を出しており,ほとんどが入手困難となっているので,文庫での出版を望みたいところ。
posted by 南野靖一郎 at 17:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 2007年