1998年03月06日

アランの"幸福論"

世の中,気が利かない人間というのがいる。まわりの人間にとっては,なにかと癪のたねかもしれないが,
本人はいたって暢気なものである。


気が利かない人間には,べつにいい加減にやろう,狡賢くいこう,意地悪しよう,などという考えはなく,
おそらく一つのことに熱中したり,物事を深刻に考える習慣がないゆえに,気配りが不足する場合がある,ということだけだ。


それゆえ,気が利かない人間には,悲観的な考えや,不機嫌さや,怒りの発作がなかなかあらわれにくい。そもそも,
そういう周囲の環境からもたらされる気分に気づきにくい,鈍感な人間だから,気が利かないのだ。


そういう人間,すなわちにとって,アランの「幸福論」は,まさにバイブル(または免罪符)となりうる書である。
アランは楽観的であること,上機嫌であることが幸せになるために大切な心がけだとしているからだ。


本書を読んで,あまりのノーテンキさに,「現実はそんなに甘いもんじゃ......」という人は多いだろう。
たぶんよく気が利く人たちかもしれないが,我々「気が利かない族」からは,自ら苦労を背負い込んでご苦労様,としか言うことができない。


本書を「世界中でもっとも美しい本の一つである」と言ったアンドレ・モロワは,とても素直で素敵な人だ。


ところで,アランの「幸福論」が岩波文庫の新刊リストに載ったのをみて,
ああ改訳されたのか......と思った方が多かったのではないだろうか。これが9回目の邦訳になるというこの「幸福論」は,
すでに我々にとってそれだけ親しいものになっているということだが,岩波文庫では意外にも今回が初の登場なのだ。


もともと,アランは難しい言葉を使うことなく,力強い言い回しや,瑞々しい詩的なイメージで,
生き生きとした印象を与えることに長けているが,神谷幹夫氏による岩波文庫版は,すんなりと心に入ってくる優しい文章が心地よく,
既訳の諸本に対して,よりアランらしさを出すことに成功しているように思う。


*幸福論について,
さまざまな幸福論
幸せのホームページが参考になります。

posted by 南野靖一郎 at 16:33| 1998年

1998年03月05日

旧掲示板5

文庫本大好き−掲示板No.5




富田 靖 -
98/03/05 16:26:18

ホームページアドレス:
http://satellite.nikkei.co.jp/pub/pubclub/colum/page/colum4.html


電子メールアドレス:tomy@aesj.or.jp


コメント:

中島さん。pico文庫はセブンイレブンではもう売っていないようです。コンビニへ行っても,文庫棚を見ていなかったので,
かつて売っていたのかも定かではありませんが....。上のURLで井狩春男さんがコンビニ文庫の記事を書いていますが,
それによるとやはりすぐに消えてしまったようですね。






ナビスコ -
98/03/04 22:20:26


コメント:

>黒い樽さんチェーホフでしたか!どうりでツルゲーネフで探しても無いはずですね。ありがとうございました。






黒い樽 -
98/03/02 04:52:57

電子メールアドレス:z931051@info.uoeh-u.ac.jp


コメント:

ナビスコさんへの情報です。私の覚えている限りでは、ツルゲーネフではなくてチェーホフに『決闘・妻』(赤623-1、神西清訳)
というのがあります。
私が所持しているのは90年秋のリクエスト復刊ですが14刷ですのでカバー付きにこだわらなければ探せばあると思います。
(だって私も4ヶ月ぐらい前に新刊書店で購入しましたから) 取り急ぎご連絡さし上げました。






ナビスコ -
98/03/02 00:02:44

ホームページアドレス:http://www.netpassport.or.jp/~wrenagai/index.html

電子メールアドレス:renagia@ibm.net

お薦めの本: ちくま日本文学全集(三島由紀夫、谷崎潤一郎)


コメント:

はじめまして。hp、楽しく拝見させて頂きました。特に今、「戦争と平和」を読んでいるので、「文庫本を読む」の
「ハリネズミと狐とトルストイ」のページは大変参考になりました。ところで質問なのですが、「決闘」という短編を探しています。
この題名以外、作者も何処の国の文学かも忘れてしまいました。確かツルゲーネフだったような気がするのですが、どうも自信がありません。
どなたかご存じないでしょうか?






富田 靖 -
98/02/26 06:21:54

電子メールアドレス:tomy@aesj.or.jp


コメント:

ご指摘の通り,同名異作に小栗風葉が抜けていました。ついでに,「新生」もダンテと島崎藤村があり,追加しました。






黒い樽 -
98/02/26 04:39:01

電子メールアドレス:z931051@info.uoeh-u.ac.jp


コメント:

25日に岩波文庫解説目録1998-1を入手しました。
昨年の秋からかリクエスト復刊のリストが間に合わなくなっているのが不満ですがどうにかならんもんでしょうか。ま、
それはおいといてとりあえず上半期重版リストが載っていました。とりあえず私の期待は『ミレー』(ロマン・ロラン,5月)です。
何故かなかなか見かけなかったのでこれでようやく入手できそうです。






細田 -
98/02/26 01:15:58

ホームページアドレス:http://www2c.meshnet.or.jp/~hosoda/

電子メールアドレス:PAF00206@niftyserve.or.jp

お薦めの本: 鉄の薔薇(ブリジッド・オベール/早川文庫)


コメント:

「青春」って、小栗風葉のものもありましたね。3巻本だったので欠落しちゃったのかな? 正確には「青春(上)」とか何とかなるわけで…。
文庫にはなってないけど、ナボコフの新潮社から出てる奴にも同じタイトルがありました。






中島泉 -
98/02/25 15:52:24

ホームページアドレス:http://www.gifu-nct.ac.jp/sizen/nakasima/bunko.htm

電子メールアドレス:nakasima@gifu-nct.ac.jp


コメント:

以前新潮社からpico文庫という文庫が発売されたという話を聞いたが全く見たことがなかったので、本当に発行されたか疑問に思っていたが、
http://www.jali.or.jp/tti/jiten/all/all96.html
というページを見たところセブンイレブンのみで発売されていたことがわかった。当地にはセブンイレブンがないので分からなかったのである。
角川mini文庫と似たものと聞いているが、どのような文庫で何冊くらい売っていたのか、
現在でも売っているのか御存知のかたはどうか教えてください。






富田 靖 -
98/02/25 12:35:21

電子メールアドレス:tomy@aesj.or.jp


コメント:

細田さん,こんにちは。ホームページ拝見しました。お仕事日記やインターネット日記はたいへん参考になりました。
出版社サイドからのご意見には,とくに興味があります。今後ともよろしくお願いいたします。私はビンボーですが,
やはり立ち読みはしませんね。






細田 - 98/02/24
01:22:16

ホームページアドレス:http://www2c.meshnet.or.jp/~hosoda/

電子メールアドレス:PAF00206@niftyserve.or.jp

お薦めの本: 何でしょう?


コメント:

はじめまして、「本」に関するサイトなどをあちこち検索したり、リンクをたどったりしてたら、このページに来ました。
これからもときどき覗きにおじゃましますので、よろしくお願いします。 『岩波文庫の赤帯を読む』に関します感想は、私のホームページの
http://www2c.meshnet.or.jp/~hosoda/memo/iwaaka970726.html
なんてところにも、ちょっと載せてあります。毎月の岩波文庫の新刊とか、年2回の復刊ものに関しては、赤帯系を中心に買ってました(ちと、
日本の古典ものは、中身をパラパラ見ても、読めそうにないものが多いので)が、最近は緑帯(日本文学)系にも目が行っております。
坪内祐三氏の名文のせいでしょうね。 それでは。






富田 靖 -
98/02/23 12:48:19

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

角川文庫も50周年ですか。私も前回のリバイバルコレクションのうち,いくつかを買いました(ゴールドっぽい表紙のやつですよね?)。
個人的には出版社はあるのに廃刊になったシリーズ(サンリオとか旺文)が限定復刻したら評判になると思うのですが。
高価な山本文庫なんか復刻する人いないかな(欲しい)!



posted by 南野靖一郎 at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1998年

1998年02月17日

旧掲示板4

文庫本大好き−掲示板No.4




黒い樽 -
98/02/17 05:44:54

電子メールアドレス:z931051@info.uoeh-u.ac.jp


コメント:

本の旅人(角川書店)2月号によると、角川文庫50周年で今秋に海外エンターテインメントの復刊フェアを行うそうです。
4月末までアンケートを行っているので、その筋の絶版物を探していらっしゃる方・読みたい方は送ってみてはどうでしょうか?
個人的には40周年のリバイバルコレクションの方がよかったのですが、まあ売れ線を狙う意味でもしょうがないのかな、とも思います。






富田 靖 -
98/02/14 23:36:33

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

おおたけさん,こんばんわ。ユニークなホームページを拝見しました。私は学生時代,物理を専攻していたのですが,今となってはカオス?
フラクタル?複雑系?という人間です。絶版が多いのは残念ですが,岩波文庫にも自然科学の楽しい本がありますね。寺田寅彦,
もちろん大好きです。






おおたけ - 98/02/14
14:15:42

ホームページアドレス:http://www.phys.waseda.ac.jp/aizawa/member/otake/index-j.html

電子メールアドレス:otake@aizawa.phys.waseda.ac.jp

お薦めの本: 寺田寅彦随筆集


コメント:

ああ、富田さんは岩波新書にも造詣が深いのですね。ひょっとして岩波書店の出版物全般を網羅しておられるのでしょうか。
それはすごいことです。 最近、文庫で読んだ寺田寅彦のあまりの素晴らしさに、全集の購入を決意してしまいました。
毎月の配本が楽しみであります…全然読んでいませんが(笑)。






富田 靖 -
98/02/12 06:01:30

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp

お薦めの本: 岩波新書記念復刊


コメント:

2月19日に岩波新書創刊60周年記念復刊として20点が刊行されます。そのなか,私のお薦めは,羽仁五郎「ミケルアンヂェロ」,阿部 昭
「短編小説礼讃」(これが絶版になっていたとは思いませんでしたが)です。とくに羽仁五郎は,"ミケルアンヂェロはいま生きている。
疑うものはダビデを見よ!"という冒頭からして,高校生である私に強烈な印象を与えた本でありました。
その人間解放をうたいあげる高い調子に引きずり込まれ,読みながらも興奮して部屋の中を歩き回らずにはいられないような本でありました。
中年男(私のこと)には慰めの本も必要でしょうが,精神に刺激を与え,活性化させてくれる尖った本は,
生活に疲れていない若い頃にこそ読むべきではないかと思ったりします。






富田 靖 -
98/02/05 14:30:04

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

一人囃子さん,こんにちは! 今週はNHKの衛星でMr.ビーンをやっていますが,これは前に深夜やったのと同じですね? 私もMr.
ビーンの顔,いやいやと思いつつ笑ってしまいます^^;;。しかし,ホームページを拝見して,そのパワーには吃驚しました!






一人囃子 -
98/02/05 12:25:33

ホームページアドレス:http://www.mars.dti.ne.jp/~nakahasi/

電子メールアドレス:nakahasi@kaz.club.or.jp

お薦めの本: 山田正紀はすごいです


コメント:

初めまして。「書庫の部屋」主宰の中橋@一人囃子です。



岩波文庫ですか……。ミステリしか読めない身体になってしまったぼくには

とんと無縁の文庫です……(泣)。

おお、しかしウィルキー・コリンズが、あったぁぁ!

この作家の短篇集が、岩波文庫に入っていることは、雑誌「TRIPPER」で、

ミステリ作家である法月綸太郎氏が紹介されていることで初めて知ったのです。

すっかり忘れていました……(苦笑)。






みき -
98/02/03 02:50:31

電子メールアドレス:mimiyoso@fa2.so-net.or.jp


コメント:

こんにちは。早速リンクしていただき、ありがとうございます。私のページからもリンクさせていただきました。今後とも宜しくお願いします。






富田 靖 -
98/02/02 14:27:06

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

みきさん,こんにちは。Mikio.N Galleryを拝見しました。私も澁澤龍彦が好きでよく読んでいます。が,
資金の関係からもっぱら文庫本ばかりですね^^;;。すてきな装丁の本が多いので,
ぜひ元版で集めたいという気持ちはあるんですけれど....。事後連絡で恐縮ですが,リンク集にも収めさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。






富田 靖 -
98/02/02 14:08:15

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

深谷さん,こんにちは。文学関係のニュースサイトというのは面白いですね。
でもこれを作るのはさぞかし大変だろうなぁ....と感嘆しております。こちらでもさっそく 『文學のためにできること。』
をリンクさせていただきましたので,よろしくお願いいたします。またぜひお立ち寄りください。






みき -
98/02/02 04:20:00

ホームページアドレス:
http://www01.u-page.so-net.or.jp/fa2/mimiyoso/nakamura/Mikio.N/flame-m.html


電子メールアドレス:mimiyoso@fa2.so-net.or.jp

お薦めの本: 澁澤龍彦の本


コメント:

はじめまして。Mikio.N GalleryというHPで澁澤龍彦の 本などを中心に紹介している者です。 まだ全部は見ておりませんが、
大変興味深く拝見しました。私は澁澤龍彦ファンなのでその本をメインに集めていますが、文庫も初版を欲しがるようでは、「病膏肓に入」
っちゃったなと自分で思ったりしています。 最近では金子國義の絵を表紙にした富士見ロマン文庫が 蒐集対象です。
300円以下で売っているのを地道に探しています。古本屋の文庫棚で、黒い表紙のものを見つけると、血が騒ぎます。
大抵は横溝正史のだったりしてがっくりくるんですけど……。 では、また覗きに来ます。






深谷由布 -
98/02/01 02:11:23

ホームページアドレス:http://ha1.seikyou.or.jp/home/atelier-U/

電子メールアドレス:atelier-U@ma1.seikyou.ne.jp

お薦めの本: 太宰治『新樹の言葉』(新潮文庫)


コメント:

はじめまして。 『文學のためにできること。』というWEBページを作っております、深谷と申します。
今日はじめてこちらのページへうかがったのですが、とても読み応えのあるページでしたので、ゆっくり楽しく拝見させて頂きました。
私の少ない蔵書には岩波文庫は少ないのですが、両親の蔵書はパリパリの油紙のついた文字の小さい岩波文庫ばかりです。 また、
現在京都に暮らしていますので古書店をめぐったり古書市があるときには¥100になっている文庫を買うことしばしばです。
それにしても収集されているとは驚きです(@_@)頑張って下さい! 先日岩波新書を収集されていた方の記事を新聞で見ましたが、
やはり文庫の方が数が多いですよね…。 最後になりましたが、是非私のページとリンクさせていただけないでしょうか?
良いお返事をまっております。それでは。






富田 靖 -
98/01/28 14:08:49

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

"文庫本大好き"のリンク集が壊れましたので^^;;,現在鋭意再構成中です。文庫本に関してお薦めページがありましたら,
ぜひお知らせ下さい。






富田 靖 -
98/01/27 14:50:18

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

中島 泉さん,古い文庫本の展示というのは面白いですね。私は残念ながら,岩波文庫以外の戦前の文庫本はほとんど持っていません。
最近は古書店でも見かけることが少なくなりましたので,目新しいのではないかと思います。私の母校(高校)では,
図書室に近代文学の初版本の展示コーナーがありました。だれか卒業生が寄贈したものだと思いますが,大切に扱われるそれらの本に比べて,
消耗品扱いの文庫本はどこかでちゃんと残さないと,みんな消えていってしまいますね。






中島泉 -
98/01/21 15:13:10

ホームページアドレス:http://www.gifu-nct.ac.jp/sizen/nakasima/bunko.htm

電子メールアドレス:nakasima@gifu-nct.ac.jp


コメント:

先日岐阜県博物館に文庫本の展示会を 申し込みました。岐阜県博物館には県内の 個人や団体の蒐集品を展示できるコーナー があります。
うまくいけば来年か再来年 には開催できるかと思います。






富田 靖 -
98/01/21 14:11:07

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

村上幸将さん,こんにちは。もう20年前のことですが,札幌の古書店で思い出すのは,弘南堂と南陽堂ですね。
当時は戦前の岩波文庫も結構見かけたのですが,いまはどうでしょうか? リンカーンは比較的よく見かけますので,
神保町の川村あたりにあるのでは。 今後ともよろしくお願いします。






村上幸将 -
98/01/20 13:09:39

電子メールアドレス:kosuke@tayashin.com

お薦めの本: 人権宣言集


コメント:

以前から岩波文庫は好きでしたが、最近は「マイブーム」と言えるほど、どっぷりはまっています。大学1年の時には「米欧回覧実記」
全5巻を読破、今は「トム・ジョウンズ」を読んでいます。岩波文庫のホームページ・・・実に興味深いですね。今後も楽しませていただきます。
ところで、学生時代は札幌にいらっしゃったとのことですが、良い古本屋さんはありましたか。あと来月に東京へ引っ越すのですが、
「リンカン演説集」と「ヴァジニア覚え書き」を売っているところを教えて下さい。(メールから転載させていただきました)






富田 靖 -
98/01/20 05:10:54

ホームページアドレス:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hasuda/DOKUSARU.html

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp

お薦めの本: 読書猿


コメント:

配信されてきたメールマガジン「読書猿」に岩波文庫赤帯を読むが取り上げられていました。私はこの本,読んだことがないのですが,
なんかぜひとも非常に^^;;読みたくなってきました。すでに読まれたみなさんの感想はいかがですか?

 ■■門谷建蔵『岩波文庫の赤帯を読む』(青弓社)■■ なんか「岩波文庫の赤帯を読む」
とかいう本が並んでいたので手に取ったら馬鹿であほで間抜けで目が無くて頭も無くて脚力だけあるやつが書いていたので今度殴ります。
またひとつ少年の夢を壊してしまうような輩が増えるってわけだ。ライターになりたいなんて死んでも言えない世の中だね。
こいつ買い取りじゃなくて印税方式だったとしたら世の中間違ってるね。でも誰も買わないか。
しかし買い取りだったとしたらとりあえずこいつ書いた分だけ金貰ってんだよな。むかちゅく。

 それにしても、こんだけ物わかってないやつがなんで岩波の赤帯全部なんて読むんだ? まだ岩波の権威なんてもんが生きてるのかしらね?
「岩波の赤帯を全部読んだら俺にも文学がわかるのだろうか」みたいな感じでさ、このタコ、もう三十年前に死んでるね。

 赤羽のブックス談に行くたびに朝日選書から出ている井上一馬とか言う馬鹿であほで消えた方が世のため人のため将来をめざす翻訳家の卵のため将来を目指すライターの卵のためなやつの本が平積みになってるのがしゃくで、
とにかく目障りで、だからその上にいつも脇においてある江藤淳の「漱石とその時代4」を積み重ねて目に付かないようにしていたのだが、
こいつの上には何を積んでやろうか。脇においてあるのが渡辺直巳の「作家になりたければ漱石に学べ」
とかなんとかいう本なのだが両方まとめて上に伊藤整の日本文壇史全部でも置いてやろうか。今全巻フェアやってるしさ。

 思ったのは岩波赤帯全部(たぶん全部じゃないと思う、昔の絶版のやつとかはこいつにはわかんねえだろう、
きっとハウプトマンくらいで根を上げるんだぜ)読んで出版社に持ち込めば本が出せるなら、
今の時点でもう誰だって本なんて出せるってことなんだよね。やりたければ。あーもうあほらし。

 それで皆様も地元の書店にお寄りの際は、井上一馬とこの「岩波文庫の赤帯を読む」
の上にもう少し青少年のためになりそうな本を積んで目隠しをしようという運動にご協力のほどお願いしたいのですがいかがでしょうか。
この際ならばフランス書院文庫全部などでも結構ですし、マン島布教協会の協力と言うことで「マン島物語」でも結構です。
菅野美穂写真集が置いてある書店ならばそれがよろしいでしょう。是非御一考のほどお願いいたします。

 しかし岩波文庫のやつ、ほんと宝の持ち腐れ。そんなにつまんない本があるのなら、全部私にくれ!(←これが一番言いたいことだね)
(ここまで)

★という内容なんですが,まあ,嫉妬深い猿というのは,いただけない^^。






冴木正隆 -
98/01/16 14:39:42

電子メールアドレス:maririn@white.plala.or.jp


コメント:

レスありがとうございます。特集ページにある1977年版『書店の棚から消えた本』は、すごく役に立つ資料だと思います。
さっそくプリントして、近くの書店で残っていそうな本をチェックしてみたくなりますね。それにしても、『アナバシス』とか
『チェッリーニ自伝』とか『ダーウィニズム論集』とか、刊行してからあまり経っていない文庫が何でなくなっちゃうんでしょうかね。
『ギリシア・ローマ叙情詩選』なんて、『絶版文庫発掘ノート』で絶賛されていたものの改訂版だったのに、やっぱり売れなかったんでしょうか。
新刊のときにしっかり買っておこうという思いを新たにしました。






富田 靖 -
98/01/15 07:52:24

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

冴木さん,こんにちは。私の職場にも,埼玉の人は結構いるのですが,古書店の話は残念ながら出ませんです^^;;。
サンリオ文庫は収集している人が多そうですね。サンリオ文庫のリストを載せているページも多いですし。古書価も高価な物があるようです。
荒俣さんじゃないですが,博物関係の古書は,ハマルと破産しますね^^。






富田 靖 -
98/01/15 07:46:04


コメント:

岩波文庫の売り上げベスト10というのは,たとえば今年一年でという感じなのでしょうね。昭和2年からのベスト10にすれば,
更新しなくて済むのに〜^^。岩波文庫って,「ベスト10に入っているから,俺も読んでみよう」
ってな感じにはなりそうもありませんね^^;;。たいがい指名買い???でしょ。当地では,また雪が降ってきました。
ゆっくり本でも読みたいところですが,子供の雪遊びの相手かなぁ....;_;。

posted by 南野靖一郎 at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1998年

1998年02月13日

ペルシア人の手紙

ペルシア人の手紙(岩波文庫)は,パリへやってきたペルシアの2紳士が,
故郷との往復書簡のなかで,当時のフランスの風俗社会を批判するという書簡体の風刺小説。


モンテスキューが若き日に匿名で出版し,1721年,発行とともに,当時のアジア本の流行にものって,
偽版も出るほどの大評判となった。


思想の上では,『法の精神』に先立って,専制政治を批判し立憲政治を求めるモンテスキューのポリシーがあらわれた書として重視される。
また,本書のあと,この方式を模倣する書が次々と発行され,
それらがルソーの新エロイーズに結実したとの見方もある。


一方,読み物としては,パリからの手紙に対して,故郷に残してきた使用人からは,
主なきハーレムのゴタゴタを訴える手紙が次々と届くが,かなりメチャクチャな話ばかりで,
当時のフランス人が抱くペルシアのイメージを知ることができて,こちらも面白い。


本書は昨年復刊されたので,まだ在庫があるかも。おそらく1950年に出て以来増刷もされず,残った紙型のまま復刊したのであろうが,
現在のオフセット印刷では見られない活字の転倒や抜けがあった。その意味でも珍しい岩波文庫といえるか。ただし訳文はそうとう酷い。


モンテスキューと『法の精神』


革命によって現実化することとなった彼の政治思想は,数十年もの準備のすえに書かれた主著『法の精神』に代表される。
独創より実践が特徴である啓蒙思想家の中にあって,彼の構想は独創性をも伴っている。つまり,
経験主義者の代表的な哲学者であるロックですら,〈法〉というものをきわめて抽象普遍的にしかとらえられておらず,また,
その論証はきわめて思弁的で《合理論》的であったのに対し,彼は法学を《経験論》的に位置づけなおし,
世界各国の各時代にさまざまな法が存在するという事実をふまえた上で,現実のそれぞれの社会の状況,生活習慣等から具体個別的に説明し,
これによって,それらのすべてをつらぬく〈法〉の精神というものを理解する必要があるとしたのである。


つまり,〈法〉というものを,事物の必然的関係とし,自然科学における〈法(法則)〉と同じ地平から眺めようとしたのである。これは
〈社会科学〉の方法論的端緒であると言えよう。また,内容においても,〈立法〉〈司法〉〈行政〉の〈3権分立〉論などは,
その後のさまざまな国々の政治組織に広く採用され,おおきな影響力を持った。

天才電脳哲学家純丘大先生の偉大なるHOMEPAGE!
による....このページは勉強になります^^)

posted by 南野靖一郎 at 16:32| 1998年

1998年02月08日

岩波文庫戦時コレクション-慰問袋の中身


世に推薦図書はいろいろあるが,たいていはブックフェアなどのために出版社が毎年,自社のラインナップから代わりばえのしない作品を選んだり,あるいは読書感想文のために児童文学者(ってなんであんなに胡散臭いんだろう)が,聞いたこともない著者の本を選んだりして,あまり真面目に読んでいこう!という気にはならないものだ。それでも,その選ばれた作品の変遷を追いかけていけば,おのおのの時代の世相,流行を知る上での一つの手がかりにはなるだろう。(たとえば「新潮文庫の百冊」の歴史など)

そんな数多くの選書の中で,これから先,おそらく2度とないであろうセレクションが岩波文庫にはある。それが昭和15年と17年,陸軍の要請・選択によって,戦地の兵士慰問のために納入された下記30点で,そのための印刷用紙も軍から特別配給された。非常時に兵士に慰問袋などで配られた本とあれば,さぞかし国粋主義的な作品ばかり選ばれたのであろうと思うが,意外にも日本やドイツはもとより,アメリカやフランスの作品も含まれたヴァラエティーに富んだ選択で,ドーデーやスピリの「ハイジ」など,のどかな気分さえ感じられる。軍部でこれらが選ばれた事情は定かでないが,なんとなくある個人の趣味によって選ばれたような気がしないだろうか。




































































































































昭和15年 各5000部

志賀直哉小僧の神様
志賀直哉万暦赤絵
夏目漱石虞美人草
徳冨健次郎黒い眼と茶色の匙
徳田秋声あらくれ
泉鏡花註文帳・白鷺
永井荷風おかめ笹
中勘助銀の匙
ハドスン緑の館
トウェーン王子と乞食
ウェブスターあしながおじさん
トオマ悪童物語
バルザック知られざる傑作
メリメコロンバ
ドーデー陽気なタルタラン
サンド愛の妖精
フローベール三つの物語
プーシキン大尉の娘
アラルコン三角帽子
スピリアルプスの山の娘


昭和17年 各10000部

森鴎外高瀬舟
幸田露伴五重塔
尾崎紅葉二人女房
国木田独歩武蔵野
島崎藤村千曲川のスケッチ
泉鏡花歌行燈
ハイゼ忘れられた言葉
ヘッセ漂泊の魂
ラファイエット夫人クレーヴの奥方
スタンダールカストロの尼
posted by 南野靖一郎 at 20:12| 1998年

岩波文庫戦時コレクション-慰問袋の中身


世に推薦図書はいろいろあるが,たいていはブックフェアなどのために出版社が毎年,自社のラインナップから代わりばえのしない作品を選んだり,あるいは読書感想文のために児童文学者(ってなんであんなに胡散臭いんだろう)が,聞いたこともない著者の本を選んだりして,あまり真面目に読んでいこう!という気にはならないものだ。それでも,その選ばれた作品の変遷を追いかけていけば,おのおのの時代の世相,流行を知る上での一つの手がかりにはなるだろう。(たとえば「新潮文庫の百冊」の歴史など)

そんな数多くの選書の中で,これから先,おそらく2度とないであろうセレクションが岩波文庫にはある。それが昭和15年と17年,陸軍の要請・選択によって,戦地の兵士慰問のために納入された下記30点で,そのための印刷用紙も軍から特別配給された。非常時に兵士に慰問袋などで配られた本とあれば,さぞかし国粋主義的な作品ばかり選ばれたのであろうと思うが,意外にも日本やドイツはもとより,アメリカやフランスの作品も含まれたヴァラエティーに富んだ選択で,ドーデーやスピリの「ハイジ」など,のどかな気分さえ感じられる。軍部でこれらが選ばれた事情は定かでないが,なんとなくある個人の趣味によって選ばれたような気がしないだろうか。




































































































































昭和15年 各5000部

志賀直哉小僧の神様
志賀直哉万暦赤絵
夏目漱石虞美人草
徳冨健次郎黒い眼と茶色の匙
徳田秋声あらくれ
泉鏡花註文帳・白鷺
永井荷風おかめ笹
中勘助銀の匙
ハドスン緑の館
トウェーン王子と乞食
ウェブスターあしながおじさん
トオマ悪童物語
バルザック知られざる傑作
メリメコロンバ
ドーデー陽気なタルタラン
サンド愛の妖精
フローベール三つの物語
プーシキン大尉の娘
アラルコン三角帽子
スピリアルプスの山の娘


昭和17年 各10000部

森鴎外高瀬舟
幸田露伴五重塔
尾崎紅葉二人女房
国木田独歩武蔵野
島崎藤村千曲川のスケッチ
泉鏡花歌行燈
ハイゼ忘れられた言葉
ヘッセ漂泊の魂
ラファイエット夫人クレーヴの奥方
スタンダールカストロの尼
posted by 南野靖一郎 at 20:12| 1998年

1998年02月06日

摘録-劉生日記を読む

摘録劉生日記
鵠沼(神奈川県藤沢市)は,今でこそサーファーや海水浴客で賑わう湘南の中心地となっていますが,大正時代までは,松林のなかに別荘が点在するのどかな避暑地で,いまでも昔の文人画人らの事跡がそこここに残されています。
麗子像で知られる画家・岸田劉生も,大正12年の関東大震災まで,この地に住み,創作活動を続けてきました。摘録-劉生日記(岩波文庫)は,その時代の日記を集めたもので,大正9年(鵠沼日記/29歳)から震災までの鵠沼での生活と,震災後大正14年までの京都での生活が克明に記録されています。この時期はまた,短い劉生の生涯の中でも,もっとも充実したときでありました。
劉生の日記は,公開を目的としないプライベートなもので,画業の進捗具合や,体の具合,来客との対応などなど,もっぱら日常茶飯の雑事を書き記しています。それゆえ淡々とした生活の記録か....と思うのは大間違いで,劉生の日常は,躁状態が続きっぱなしともいえる賑やかなものです。
劉生の日記には,際だった特徴があって,まずやたらに客が多い。これは文士,画人,弟子などさまざまですが,とにかく朝から晩までひっきりなしに人がやってきます。そのおかげで,岩波文庫の巻末には,登場人物の人名録がずらりと並んでいるおり,これはなかなか壮観です。
で,客が来ると,とりあえずコレクションの書画骨董を見せた後,相撲をとり,ふんどし一丁で記念写真を撮ったりしています。この時代,世間一般に相撲をとるのが流行っていたのかは,定かでありません。
書画骨董のコレクションはさすがに大したもので,とくに京都に移住してからの日記は,ほとんど買い付けと,そのための金策の記録と化しています。この時期,茶屋通いを含めた劉生の放蕩ぶりはよく知られていて,娘・麗子の「回想記」にもあるように,それが命を縮めた原因とも考えられています。
プライベートな日記ゆえ,他の画家たちには遠慮のない批評をしており,春陽会をめぐる木村荘八との確執など,当時の画壇を知るための重要な記述も多く,史料的に価値のある日記となっています。
日記はユーモラスな筆致で書かれていて,この分厚い文庫本も,にやにやしながら読み終えてしまいますが,その裏には,生き急ぎ,とり憑かれたような劉生の姿が見え隠れし,読後感は必ずしもすっきりしたものではありません。それはその後の劉生の悲運な末路を,我々が知っているからだけでしょうか。
本書の底本劉生日記(全5巻)は岩波から刊行されているが,現在品切れ。岩波文庫にはほかに,岸田劉生随筆集があります。
明治24年,ジャーナリスト岸田吟香の息子として生まれた岸田劉生(1891-1929)は,一連の麗子像を中心とする作品で,近代日本を代表する画家の1人となったが,文才にもめぐまれ,画論,随筆を数多くのこしている。明治・大正の銀座をしのぶ「新古細句銀座通」をはじめ,「デカダンスの考察」等19篇を収録.挿絵多数。
posted by 南野靖一郎 at 16:31| 1998年

1998年01月28日

サンリオSF文庫


一時期,あれだけ書店の棚を賑わせていたサンリオSF文庫が廃刊となって,早くも10年が過ぎました。1978年,それまでの文庫とは一線を画した綺麗な表紙と洒落たデザインで登場したSF文庫は,ハヤカワや創元とはひと味違う,目新しい作品を数多く収録し,注目を集めました。本邦初訳も多かったせいか,一時は悪訳・迷訳の宝庫などと言われましたが,イギリスやフランスなど,それまで馴染みの薄かった作品,作家を広く知らしめた功績は大きいでしょう。
私自身は,紙質の関係か,手に持ったときに妙に軽い文庫というのはどうも馴染めないのですが,SF文庫だけは,物珍しさに惹かれて(「妖精物語からSFへ」や「ベスト・オブ・サキ」の表紙など,なかなか気に入っていました),いくつかを読みました。
1987年,197冊を出し終え廃刊となったSF文庫は,あっという間に書店から消えていきましたが,今になって,そのユニークなラインナップが注目され,古書店で岩波文庫よりも高値が付くようになりました。廃刊を知ったとき,棚の前で「もっと買っておこうか....」と思案した人は私だけではないと思いますが,今となっては無念の涙。まあ,SF音痴の人間が欲を出しても,しょうがないのですが^^;;。
ちなみに村上春樹氏は,SF文庫をほとんど持っているそうです。

サンリオSF文庫の全刊行目録「サンリオSF文庫パーフェクト・
インデックス」
にあります
posted by 南野靖一郎 at 12:31| 1998年

サンリオSF文庫


一時期,あれだけ書店の棚を賑わせていたサンリオSF文庫が廃刊となって,早くも10年が過ぎました。1978年,それまでの文庫とは一線を画した綺麗な表紙と洒落たデザインで登場したSF文庫は,ハヤカワや創元とはひと味違う,目新しい作品を数多く収録し,注目を集めました。本邦初訳も多かったせいか,一時は悪訳・迷訳の宝庫などと言われましたが,イギリスやフランスなど,それまで馴染みの薄かった作品,作家を広く知らしめた功績は大きいでしょう。
私自身は,紙質の関係か,手に持ったときに妙に軽い文庫というのはどうも馴染めないのですが,SF文庫だけは,物珍しさに惹かれて(「妖精物語からSFへ」や「ベスト・オブ・サキ」の表紙など,なかなか気に入っていました),いくつかを読みました。
1987年,197冊を出し終え廃刊となったSF文庫は,あっという間に書店から消えていきましたが,今になって,そのユニークなラインナップが注目され,古書店で岩波文庫よりも高値が付くようになりました。廃刊を知ったとき,棚の前で「もっと買っておこうか....」と思案した人は私だけではないと思いますが,今となっては無念の涙。まあ,SF音痴の人間が欲を出しても,しょうがないのですが^^;;。
ちなみに村上春樹氏は,SF文庫をほとんど持っているそうです。

サンリオSF文庫の全刊行目録「サンリオSF文庫パーフェクト・
インデックス」
にあります
posted by 南野靖一郎 at 12:31| 1998年

1998年01月16日

ミステリー事始め−コリンズ短篇集

夢の女・恐怖のベッド―他六篇
ウィルキー・コリンズはディケンズと同時代のイギリスの作家で,25の小説,50以上の短篇,少なくとも15の戯曲を書いたが,親しい友人で親戚関係にもあったディケンズが,華々しい活躍をしたのに対し,コリンズは生前,「月長石」や「白衣の女」などわずかな作品が知られたのみで,晩年になるまで,あまり注目されることがなかった。
しかし,T.S.エリオットが「月長石」を「最も早く書かれた,最も長い,最も優れた探偵小説」と語った通り,ポウとならぶ探偵小説,推理小説の創始者として,近年再評価がすすみ,作品とともに,その少々風変わりな生涯も明らかになってきた。岩波文庫でも「月長石」はまだだが,最近「白衣の女」に続き,短篇集「夢の女・恐怖のベッド」が収録された。ミステリーとはいっても,コリンズの作品は,単に変わったトリックや,おどろおどろしい描写で恐怖感を煽るものではなく,舞台設定の巧さと,スムーズな筆運びで読み手を飽きさせない。
この短篇集には。クラッシックではあるが,謎解きを主眼としたもの(盗まれた手紙,恐怖のベッド),荒野の一軒家での少女の冒険譚(黒い小屋),ユーモア溢れる書簡体で書かれた最初の推理小説(探偵志願),財産争いから凶人に仕立てられた男の苦しみ(狂気の結婚)など,バラエティーに富んだ作品が収められていて楽しめる。
岩波文庫には他に「夢の女」と題する作品がある。永井荷風の数多い作品の中でもお薦めの一品だが,女はすべからくミステリアスなもの....ということで,強引に結びつけておこう....。
☆白衣の女(コリンズ)岩波文庫☆
暑熱去らぬ夏の夜道,「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えた。発表と同時に一大ブームを巻き起こし社会現象にまでなったこの作品により,豊饒な英国ミステリの伝統が第一歩を踏み出した。ウィルキー・コリンズ(1824−89)の名を不朽のものにした傑作。
★夢の女(永井荷風)岩波文庫★
身は茫然と,何か分らぬ冷たい夢の中を彷徨っているような心持であった―貧しい家族のため,女中奉公から商人の妾,娼妓,待合の女将へと,つぎつぎに変貌をとげる元藩士の娘お浪。境遇に翻弄されながら,新時代の波間を必死に浮きただよう日蔭の花のあわれさを,にごりのない抒情性をたたえた文体で照らし出す。
posted by 南野靖一郎 at 16:30| 1998年

1998年01月12日

ハリネズミと狐とトルストイ

ハリネズミと狐―『戦争と平和』の歴史哲学
一般に分冊数が多いほうがよいのか,少ないほうがよいのか,は趣味にもよるのだろうが,私は,分冊数の多いほうが読んでいく上の,区切り,励みがついてよいと思っている。学生のころ,「戦争と平和」を岩波文庫で読もうと思ったときには,ちょうど品切れの時期で,新刊書店や古書店を探してようやく集めたものの,肝心の第1分冊がどうしても見つからなかった。結局,神田の山陽堂に注文して,すべて揃ったが,そのときには2〜8分冊まで読み終わってしまい,プロローグを最後に読むという変な具合になってしまった。出だしがそうだったものだから,その後,ちゃんと読み返したにもかかわらず,いまだに「戦争と平和」をまともに読んでいないという不全感が抜けない。不全感はそれだけではなく,「戦争と平和」は,たとえばオードリー・ヘップバーンの映画で見たようなロマンティックで感傷的な物語の部分と,トルストイが自らの歴史観を滔々と述べた部分に分けられ,後者を,何度読んでも,なおざりにしているのではないか,という後ろめたい感じにも係わっているらしい....。
その気持ちを多少でも払拭してくれる本が岩波文庫にあった。バーキンの「ハリネズミと狐」がそれで,タイトルは「狐はたくさんのことを知っているが,ハリネズミはでかいことを一つだけ知っている」という古い詩句に基づく。バーキンは古今の芸術家・思想家をこの二つのタイプに大別する。ハリネズミ派としては,ダンテ,プラトン,パスカル,ヘーゲル,ドストエフスキー,ニーチェ,イプセン,プルースト。狐派としては,シェークスピア,アリストテレス,モリエール,ゲーテ,プーシキン,バルザック,ジョイスをあげる。
さてトルストイは,というと一筋縄ではいかない。彼は一元論者なのか多元論者なのか,彼のビジョンは単一なのか複数なのか....明確で直截な答えは出ず,むしろその問題のたて方が全く適切でないのかと思えてくる。トルストイは他の作家にも増して自分自身の見解や態度について多くを語っているのに,なぜそうなのか。これについて,バーキンの仮説は,「トルストイは本来であったが,自分はハリネズミであると信じていた。彼の才能,業績は,彼の信じていたこと,したがって自分自身の業績についての彼の解釈とはまったく別物で,そのため彼の理想は,当の本人と彼の天才的な説得力にいいくるめられた人々をして,彼ならびに他の人々のしていること,あるいはしているはずのことについて,体系的に誤解させることになった」というものである。
バーキンは「戦争と平和」を例として,トルストイの歴史観を解明しようとし,トルストイの中心的なテーゼを「自然の生活と同様に人間の生活を規定する自然法則があるが,人々はこの仮借なき過程に直面することができず,それを一連の自由の選択であるかのように描き出そうとして,起こったことにたいする責任を,彼らが英雄的美徳ないし英雄的悪徳を付与した人々,彼らが「偉人」と呼ぶ人々の上に固定しようとするということにある」と考える。ほかに,トルストイの思想の源流をメーストルにあるとし,この人間嫌いでペシミスティックな思想家からの影響を詳細に検討するなど,本書は「戦争と平和」に興味のある人にとって,とても面白く,刺激的な本である。
☆本書関連の文庫本☆
戦争と平和(トルストイ)
トルストイの「戦争と平和」は,19世紀初頭,ナポレオンの侵入というロシヤが経験した未曾有の危機の時代を,雄大なスケールで描破した世界文学の最高峰。「歴史をつくるのは少数の英雄や為政者などではない」―巨匠の筆は500人をこす登場人物ひとりひとりを心にくいまで個性豊かに描きだし,ここに歴史とロマンの一大交響楽が展開する。(解説目録)
岩波文庫にはほかに,トルストイに関する興味深い評論が一つある。
ゲーテとトルストイ(トーマス・マン)
ゲーテ,トルストイを「自然」に,シラー,ドストエフスキーを「精神」に対比し,「自然」と「精神」の関係を論じたエッセイ。その関係を,それぞれが求めあう相互的な関係としてみようというトーマス・マンの論点は,彼の思想の重要なキーワードである「中間」「中間の立場」を理論的に述べたものとして重要視される。(解説目録)
posted by 南野靖一郎 at 16:21| 1998年

旧掲示板3

文庫本大好き−掲示板No.3




すずき -
98/01/12 20:11:39

電子メールアドレス:hachikochan@hi-ho.ne.jp


コメント:

富田さん こんにちは。都内にお勤めだったんですね。よかった。私は八丁堀の職場から20分歩いていっているんですよー!書き忘れましたが、
教文館の岩波売場は岩波文庫や岩波新書だけの売り上げベスト10があったのです。なんてマニアック。よくみるとやはり新刊が多かったです。
分散するに違いないですものね。ところで福家書店は博品館の近くの所でしょうか。あそこもいいですね。(さっき、
ここのページに来るのにオレンジ色のアンケートがでてきました???)






富田 靖 -
98/01/12 05:23:36

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

すずきさん,こんにちは。私は銀座8丁目方面に勤務中ですので,教文館までなかなか行き着きません^^;;。
たいがい福家書店あたりでウロウロと。でも,その岩波文庫コーナーは一度覗きに行ってみます。どこの書店でも,
岩波文庫の置いてある一角だけは,静かなのが嬉しいですね....^^;;。






富田 靖 -
98/01/12 05:17:35

ホームページアドレス:http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1268/index.html

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp

お薦めの本: 緑の館


コメント:

年明け早々,雪のため大騒ぎだった関東地方ですが,通勤に東海道線を利用している私は,運良く?4時間ほどで家にたどり着きました^^;;。
☆ハドソンの「緑の館」が,ちくま文庫の新刊で出ました。岩波文庫版がずっと品切中なので,嬉しいことです。密林の美少女リマの物語,
ヘップバーン主演で映画化されましたが,これを見ている人はそれなりのお歳かと....。






すずき -
98/01/07 01:33:49

電子メールアドレス:hachikochan@hi-ho.ne.jp

お薦めの本: 寺田寅彦随筆集


コメント:

あけましておめでとうございます はじめまして!岩波文庫のページなんて素敵です。 ところで、銀座・教文館に行ったら、
岩波コーナーがリニューアルしていました。その他大勢の中にあったのが、岩波と絵本とキリスト教本だけという贅沢なフロアーに移ったのです。
こみそうにないし快適です。全刊行物があるらしく、絶版まであり、目録や私の一冊みたいな本をごっそりもらって帰ってきました。ああ幸せ。
そして夕刊を見て、前社長安江氏の死を知りました...。






冴木正隆 -
98/01/06 17:34:38

ホームページアドレス:http://www.saitama-j.or.jp/~aritou/

電子メールアドレス:maririn@white.plala.or.jp


コメント:

明けましておめでとうございます。最近ご無沙汰していました冴木です。結局「ニッポン文庫大全」を購入して、
リストをチェックしてはまだまだいい本があることを再確認しています。私の周辺では、この年末年始はサンリオ文庫が大量発生していて、
嬉しい限りです。ところで、私が学生のころからお世話になっている古書店が、最近インターネットに進出してくれました。
埼玉県蕨市の有藤書店というお店です。上のアドレスは、その古書店のものです。外国文学にとても造詣の深いお店で、
昆虫や鳥関係の書籍も充実しています。一度覗かれたら、今まで探していた本に出会えるかもしれません。でも、
こういう特定の書店のPRはいけないんでしょうか。まずければ運営している方の判断で削除してください。お任せします。ではまた。






富田 靖 -
98/01/05 16:02:08

ホームページアドレス:http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1268/index.html

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

本庄さん,こんにちは。一週間ほどの京都旅行から帰ってきました。年末の静かな京都と,正月のにぎやかな京都との対照は,
なかなか興味深いものでした。それでも京都のにぎやかさは,東京や横浜のそれとは違い,あくまで内輪のものとの感じを受けました。
これは観光客の少ない季節に訪れたせいかもしれません。 つかの間のエトランゼ気分ではありました。






富田 靖 -
98/01/05 15:15:32


コメント:

山あらしさん,こんにちは。他社の文庫がエンターテインメント路線一本槍となったいま,岩波文庫は面白本,珍本,
奇本の宝庫となってしまいました^^;;。これからも面白い本がありましたら,どしどしご紹介願います。






富田 靖 -
98/01/05 15:11:14

ホームページアドレス:http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1268/index.html

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。






本庄 -
97/12/31 16:46:02

ホームページアドレス:http://www.hk.sun-ip.or.jp/honjyoy/index.html

電子メールアドレス:fineview@mxa.nkansai.or.jp

お薦めの本: ともかく静かに


コメント:

黄金コンビ・作家 伊集院 静氏とアートデレクター長友 啓典氏との文章と挿し絵のコラージュが素晴らしい。 伊集院氏が書く、
繊細な文章と長友氏の一筆書きで書かれた挿し絵が、見事に作品として仕上がっています。 伊集院氏の文章もいい。”京都”を表現した文章は、
特にいい。 京都は不思議な街である。棲んでいる時は、さしてこの街の良さに気付かない。なのに離れていると
京都のことがふとしたときに思い出される。何でもない時にふいに背後から、京都の手のようなものが 抱きしめるのだ。
京都は犬まではんなり歩く。? 地図の上で見ると、京都は寺社だらけである。なのに、私は不思議と寺が多いと感じたことがない。
「この世で一番美しい器は、人間が水を掬って飲む時に両手でこさえる器だよ。十人いれば十の器が あるんだな。
三歳の少女だっていとも簡単に両手を合わせて美しい器をこしらえてしまうんだ。」 (著書より引用) 画と文章が創り上げた、やわらかで、
あたたかみのある世界を、本の中で、繰り広げています。






山あらし -
97/12/28 20:22:43

電子メールアドレス:arashi@pp.iij4u.or.jp


コメント:

はじめまして。 小学生の頃、早く大人になって岩波文庫を読むことが夢でした。 本屋で煙ったように見える何段かの棚、
 それがハトロン紙にくるまれたあこがれの岩波文庫のコーナーでした。 最初に読んだのは小学校6年の時、ファラデーの「ろうそくの科学」
でした。 内容はさておき、岩波文庫を読んでいるということに感激しました。  あれから幾星霜、文庫本になる本は、
単行本の中から選び抜かれた本であるという価値観ももはや古くさいものとなりましたが、岩波文庫はやっぱり私にとって特別な存在です。
なんて ちょっとあらたまって書いてみましたが、おもしろい本ならなんでも好きです。 本に関してなんのこだわりもありません。
是非お仲間に加えてくださいませ。 よろしく。 






富田 靖 -
97/12/27 05:47:51

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp


コメント:

本年はいろいろお世話になりました。また来年もよろしくお願いいたします。我が家はこれから京都へ初詣に行きます。
みなさまもよいお正月をお迎え下さい。






お寺さん -
97/12/26 12:32:29

お薦めの本: 牛尾さんの「心の宅急便」


コメント:

心に悩みを抱えている方、この本はそんな方の悩みに答えてくれるものと思われます。また、これからの生きていく指針となってくれるでしょう。
なぜ自分はこの世界で生きているのかなど疑問に思った方は、一度は読んでみるといいでしょう。全部で6巻。
売っている店が少ないのが最大の欠点です。大きい病院の売店なら売っているでしょう。






kotatu -
97/12/25 07:41:07

ホームページアドレス:http://www4.justnet.ne.jp/~kotatu/

電子メールアドレス:kotatu@blk.mmtr.or.jp

お薦めの本: 中国が海を支配したとき


コメント:

富田様、そうです(^^)井上靖です。大好きな本です。 私見ですが、「蒼き狼」であろうとして戦いを止めない
テムジンに強さと裏腹の孤独を感じて泣けてしまいます。 三国志は子供向けのあらすじだけのような本しか読んでいませんので、
あらすじだけ知っています(笑)。 でも説明不可能な理由で周瑜が好き。 「中国が海を支配したとき」はダ・ガマよりも早い時代に
インド洋を渡ってアフリカ大陸まで侵略行為なしの通商使節をした鄭和(本当はヤツガシラのテイという字)の伝記です。作者(ルイーズ・
リバシーズ)の海を愛する気持ちと大航海をした人たちへの尊敬が伝わってきてすばらしいです。 私のHP見てくださったんですね。
嬉しいです、それにちょっと恥ずかしい・・・・・。






富田 靖 -
97/12/25 05:30:31

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp

お薦めの本: 蒼き狼


コメント:

kotatuさん,こんにちは。「蒼き狼」って,井上 靖のかな? チンギス・ハンの....。中国歴史小説では,
やはり三国志が好きです^^。ホームページを模様替えされたのですね。綺麗な色使いで読みやすいです。






富田 靖 -
97/12/25 05:00:37

電子メールアドレス:library@geocities.co.jp

お薦めの本: 半村 良の怪談


コメント:

AZIさん,こんにちは。倉橋由美子の怪奇掌篇は,残念ながらまだ読んだことがありません。半村 良にも「箪笥」など怪奇小説がありますね。
私の生まれた頃....半村 良は筒井康隆たちと一緒にアニメの脚本なども書いていたようです。






鈴木奈津代 -
97/12/24 15:45:49

電子メールアドレス:stu26@vmas.kitasato-u.ac.jp

お薦めの本: 家なき娘


コメント:

 「家なき娘」をずーっと探していた、鈴木です。奥村さんにe-mailを送って、「家なき娘」を譲っていただくことになりました。
インターネットを初めて、1年ほどになりますが、初めて、インターネットをやっていて良かったな、と心の底から感動しました。中島さん、
奥村さん、ホームページを主催する「だいすけさん(?)」どうもありがとうございました。






奥村 敏明 -
97/12/22 19:20:02

電子メールアドレス:toshi@lib.meiji.ac.jp


コメント:

鈴木様  「家なき娘」は二組所持しておりますので進呈します.ただし,状態は中くらいでそれほど奇麗と云うわけにはまいりませんが・・・・
・.  また,上福岡の「若葉文庫」ですが,今年の初夏の頃行った時,だいぶ以前とは違った状態でしたので心配です.
どなたか近況をお知らせ下さい.






kotatu -
97/12/22 00:21:11

電子メールアドレス:kotatu@blk.mmtr.or.jp

お薦めの本: 10月は黄昏の国


コメント:

すみません、メールアドレス間違えました。






kotatu -
97/12/22 00:14:39

ホームページアドレス:http://www4.justnet.ne.jp/~kotatu/

電子メールアドレス:kotatu@blk.mmtr.ne.jp

お薦めの本: 蒼き狼


コメント:

今年の9月30日に手紙を出したKOTATUと申します。 お久しぶりです。こちらは本の情報が沢山あって 本当に素敵です。
岩波文庫に中島敦の南洋ものがあるんですね。読んでみたいです。






中島泉 -
97/12/20 22:33:40

ホームページアドレス:http://www.gifu-nct.ac.jp/sizen/nakasima/bunko.htm

電子メールアドレス:nakasima@gifu-nct.ac.jp


コメント:

鈴木さんへ 家なき娘は十二三年前の春秋の復刊で購入したものがある筈ですが、 なかなか探し出せません。 それなりに面白い本ですが
旧字旧かなづかいなので若い人には読みにくいかもしれません。 古書店でもあまり 見かけませんが、ありそうなところは
文庫やさんか神田の山陽堂(岩波書店アネックスの2階)辺りでしょう。
手元の資料で検索してみましたら次のようなものがありましたがどれも子供むけのもののようです。 家なき少女 偕成社新編少女世界名作選
1990 ペリーヌ物語 角川版世界名作アニメ全集 1988 ペリーヌ物語 朝日ソノラマ 世界名作ものがたり 1978 ペリーヌ物語
日本書房 幼年世界名作文庫1978 家なき少女 日本書房 小学文庫 1977 バローズについては専門のホームページがあります。
URL は http://www.nsknet.or.jp/~hideman/index.htm です。






REX - 97/12/19
05:13:45

電子メールアドレス:rex@vip.club.or.jp

お薦めの本: 夏への扉


コメント:

中島さん、情報ありがとうございます。 上福岡はわりとよく通りがかるので、是非行ってみようと思います。 自宅の大掃除をしていたら、
サンリオ文庫なんてのが出てきました。 母親のもののようです。






富田 靖 -
97/12/18 18:19:10

電子メールアドレス:y-tomita@geocities.co.jp


コメント:

中島さん,こんにちは! お久しぶりです。最近はあまり,古書店に顔を出していないのです。先日,神田の文庫川村に行きましたが,
戦前のマイナーな文庫は払拭している感じで,収穫はありませんでした....。






鈴木奈津代 -
97/12/18 18:18:22

電子メールアドレス:stu26@vmas.kitasato-u.ac.jp


コメント:

富田さん、お返事ありがとうございました。この本は私が中学生の時から足かけ10年間探している本です。どこかの出版社の「少年少女全集」
で見つけて、もちろん購入しましたが、対象年齢が低く、少し物足りないものでした。最近インターネットを初めて、本格的に探したんですが、
岩波書店のページで検索することはできず、古書店のページでも探しましたが、見つけたときには在庫切れでした。アニメ「ペリーヌ物語」
は子供心にも深く感動した本で、できる限り原書に近い形で読みたいと思っています。どうか、お心当たりのある方、
どんな小さな情報でもかまいませんからご一報ください。よろしくお願いします。






富田 靖 -
97/12/18 18:17:09

電子メールアドレス:y-tomita@geocities.co.jp

お薦めの本: 家なき娘


コメント:

鈴木さん,こんにちは。「家なき娘」は同じくマロの「サンファミーユ」(家なき児)とともに岩波文庫でも出ていましたが,
戦前の刊行なので古書店でも見つけにくいかもしれません。ほかで見かけた方はいますか?






中島泉 -
97/12/18 18:16:02

ホームページアドレス:http://www.gifu-nct.ac.jp/sizen/nakasima/bunko.htm

電子メールアドレス:nakasima@gifu-nct.ac.jp

お薦めの本: リリオム モルナール作


コメント:

しばらく見ないうちにホームページが 引っ越していました。早速リンクを新しいのに変えました。文庫やさんの伝言板が
なくなってしまったのでこのようなものが あるとありがたいです。 私のホームページには事情で伝言板が
作れないのでそのぶんがんばってください REX さんへ 埼玉なら上福岡の若葉文庫には割とおいてあるかも知れません。
休みのときが多いので電話をしてからの方が良いでしょう。値段はそれなりのかくごがいるでしょう。 バローズの本はふるほん文庫やさんでも
非常に品薄だとおもわれますが値段は1200 円までです。探求書としてメールを送れば そのうちに入手できるかもしれません。
古本屋の所在地などは全国古本屋地図 日本古書通信社発行を御覧になるとよい と思います。今の時期だと神田の古本街
を捜せば最新版が売っていると思います。 おすすめの本ということでモルナールのリリオムを お薦めします。
岩波文庫と中公文庫にありますが、残念ながら どちらも絶版のようです。 ちくま文庫の鴎外全集に鴎外の抄訳のようなものがあります。
ありふれた戯曲のようでありながら 心が暖まるような不思議な魅力があります。 一時期世界を風靡し日本でも大正頃に盛んに
翻訳されましたが今ではすたれてしまって 残念です。 戯曲としては世界の最高傑作だと思って おります。一度読んでみてください。 追伸
先程書きかけで送ってしまいました。すみません






鈴木奈津代 -
97/12/18 18:14:07

電子メールアドレス:stu26@vmas.kitasato-u.ac.jp


コメント:

本を探しています! 「家なき娘(上・下)」エクトル・マロ 岩波書店アニメ「ペリーヌ物語」の原作の本です。
文庫なのか新書なのかわかりませんが安く譲ってくれる方を探しています。






富田 靖 -
97/12/18 18:12:38

電子メールアドレス:y-tomita@geocities.co.jp


コメント:

森宏太郎さん,こんにちは。ラ・ロシュフコーの箴言集は面白いですね。岩波文庫でも箴言集というのはあまりなくて,別冊の「ことばの**」
シリーズにまとめられているくらいでしょうか。岩波文庫に特化しているのは,他の本まで手がまわらないからなのです。
今後ともよろしくお願いします。



posted by 南野靖一郎 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1998年

1998年01月06日

カフカを好きな方へ


"好きな作家は?"と訊ねられてカフカと答える人は多いだろう。岩波文庫にもカフカが3点収録されており,主だった作品を読むことができる。


変身(断食芸人),審判短篇集(掟の門,判決,田舎医者,雑種,流刑地にて,父の気がかり,狩人グラフス,火夫,夢,バケツの騎士,夜に,中年のひとり者ブルームフェルト,こま,橋,町の紋章,禿鷹,人魚の沈黙,プロメテウス,喩えについて,万里の長城)


そんなカフカ好きの人には,よく知られている作品かもしれないが,ベンヤミンの「ボードレール」(岩波文庫)に収められたカフカ論,フランツ・カフカカフカについての手紙の2篇は数あるカフカ論の中でも,とくに興味深いものだ。



ベンヤミンは,ポチョムキンの鬱病のエピソードからはじめ,腐敗した官僚制と父子関係の相似を示唆し,カフカの世界を人間が最初から舞台に立っている世界劇場だとする。


カフカの著作を根本から見誤るしかたは二つあって,ひとつは自然的解釈,もうひとつは超自然的解釈(または精神分析的解釈と神学的解釈)であるとして,「天上の権力,恩寵の領域」を描いたとするラングやハースの解釈を安易だと決めつける。


またカフカの技法について,「Kに向かって,小説のなかのほかの登場人物たちが,何ごとかを−じつに重要なことであれ,きわめて思いがけないことであれ−語ろうとするときには,ことのついでのように,また,いわばKもとくに承知のはずのことを語るのだというふうに,それを口にのぼせる。あたかも,何も新しいことを語るわけではなく,Kが忘れていたことに気づくよう,さりげなく仕向けている,というかのように」とし,彼をまれにみる比喩の天才とみる。


カフカ理解の手がかりを得たいという人,一般的な宗教的解釈に釈然としないものを感じている人にとって,明快かつ刺激的なガイドになると思い,お薦めしたい。

posted by 南野靖一郎 at 16:19| 1998年

1998年01月01日

1998年1月


カフカ寓話集
迷路のような巣穴を掘りつづけ,なお不安に苛まれる大モグラ.学会へやってきて,自分の来し方を報告する猿….死の直前の作「歌姫ヨゼフィーネ」まで,カフカ(1883−1924)は憑かれたように奇妙な動物たちの話を書きつづけた.多かれ少なかれ,作者にとっての分身の役割を担っていたにちがいない,哀しく愛しいかれら.

ホイットマン詩集 草の葉 全3冊 上
伝統的な詩の形式を無視した自由詩で,あるがままの人間の生命を賛美したホイットマン(1819−92)の詩は,アメリカをしてアメリカたらしめている根源的作品といわれる.その集大成である『草の葉』(1855−92)は,アメリカ文学を代表する傑作となった.上巻には,「ぼく自身の歌」「アダムの子供たち」「カラマス」などを収録.〈改訳新版〉

アラン幸福論
ルーアンの新聞に「日曜語録」として連載されたのを皮切りに,総計5000に上るアランのプロポ(哲学断章).「哲学を文学に,文学を哲学に」変えようとするこの独特の文章は,「フランス散文の傑作」と評価されている.幸福に関する93のプロポを収めた本書は,日本でも早くから親しまれてきたもの.折にふれゆっくりと味わいたい.

摘録劉生日記
大正9年元旦,「今日より余は30歳となる.新しき心地幾らかする」と日記に書いた岸田劉生は,大正14年7月9日まで,1日も休まず克明に日記をつけた.劉生の日記の中で最も興味ぶかいこの時期の日記から摘録した本書は,志賀直哉との交遊,麗子像を描いた時のことなど,劉生の素顔が浮き彫りになる記事が多い.人名索引を付す.
posted by 南野靖一郎 at 16:53| 1998年