2003年12月31日

ラスト・サムライ

ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2004-05-16)
売り上げランキング: 15356

映画「ラスト・サムライ」。面白いとの話なので,休み中に見に行けたらと思っているのですが,この映画の役づくりのためにトム・クルーズも読んだという新渡戸稲造「武士道」がよく読まれている,と岩波書店が言っています。他社だったら,すぐに写真つき帯で宣伝しているでしょうけれど・・・。2003年もいよいよ終わりです。1年間お付き合い頂きましたみなさま,ありがとうございました。来年も良い年でありますように!
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2003年12月25日

インド怪人紀行

インド怪人紀行 (角川文庫)
ゲッツ板谷 鴨志田 穣
角川書店
売り上げランキング: 53993

皆さん,今年のクリスマスはいかがでしたか? 私は,相変わらず仕事で午前様。子供のプレゼント袋に,オモチャを詰めたくらい。そんな中,赤坂のファミレスに行ったんですよ。一人で。そこの女の子が,メニュー持って来ながら「このクリスマスディナーがお薦めです・・・でも男性一人のお客さんに勧めるのは酷ですね,スイマセン」だと・・・。ホントに済まんぞ。そこで,角川文庫の新刊「インド怪人紀行」(ゲッツ板谷,西原理恵子,鴨志田 穣)を読む。今回は「インドにハマる者は,インドの何にハマるのか?」を体感するための旅。既刊のベトナム,タイと比べても,断然ハードで下品。駄目駄目男4人連れというのも,滅茶苦茶というだけで,最後まで意図不明。しかし,この独特のキャラクターには憎めないところあり。面白い。元本はOZマガジンなどでおなじみ,スターツ出版刊。
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2003年12月23日

七番日記 (下)

七番日記 (下) (岩波文庫)
一茶 丸山 一彦
岩波書店
売り上げランキング: 444801

昨日は息子の誕生日パーティがあり,学校の友達がたくさん来て賑やかだったそう。私の子供のとき(昭和40年頃)は,お誕生会なるものがようやく始まった時期?で,何となく子供ながら畏まってケーキなど食べていたような気がします。年賀状も作らなければと思いつつ,全然進捗していないので,例年通り,元旦に届くのは望み薄の状況です。岩波文庫今月の新刊の最後,「一茶 七番日記(下)」を読んでいます。この一茶の日記には,ご承知の通り,ユニークな点があり,これについてはここに詳しく書かれています。
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2003年12月22日

日本近代文学評論選 明治・大正篇

日本近代文学評論選 (明治・大正篇) (岩波文庫)
千葉 俊二 坪内 祐三
岩波書店
売り上げランキング: 78639

岩波文庫の新刊「日本近代文学評論選 明治・大正篇」を読む。

明治から大正期の主要な文学評論や文学論争のもととなった諸作37篇を収録。逍遥,四迷,花袋,与謝野晶子,菊池 寛,江戸川乱歩など,学生時代,教科書で習ったような有名な評論をまとめて読むことができるというのは便利ではある。私自身は,本書の意義は認めつつ,雑駁な感じを受けて,読み流してしまったので,もっと文学論争に的を絞ったものが読みたいなと思った。

昭和篇は3月刊とのこと。
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2003年12月21日

新版第2集 きけ わだつみのこえ−日本戦没学生の手記


岩波文庫の新刊「新版第2集 きけ わだつみのこえ−日本戦没学生の手記」(わだつみ会編集)を読む。

太平洋戦争の後期,学徒動員された学生たちが,戦地で綴った手紙や日記を集めたもの。今回,学徒出陣60年を期して,旧版を増補し,新たに寄せられた遺稿も収録。本書の「あとがき」で触れられているように,第1集と第2集では,編集方針に違いがあり,第1集では「過激な日本精神主義的な,ある時には戦争謳歌にも近いような若干の短文までをも,全部採録するのが公正であると主張したのであるが,現下の社会情勢その他に,すこしでも悪い影響を与えるようなことがあってはならぬ」という編集方針のもとに収録を見送った手記も,この第2集では戦争の実相を伝えるということで収録されている。
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2003年12月18日

ニュー・アトランティス(ベーコン)

ニュー・アトランティス (岩波文庫)
ベーコン
岩波書店
売り上げランキング: 41136

ベーコン晩年の作,岩波文庫「ニュー・アトランティス」を読了。

60ページ程度の物語だが、「私」が漂着した高度な文明を持つ島,そこには優れた倫理観を持つ住民と,王が設立した科学研究機関「ソロモンの家」がある(ソロモン学院,ソロモン学寮など諸訳があるが,ソロモンの家というのは,ちょっとイメージが湧きにくい)。「ソロモンの家」では,高度な科学の研究が行われており,その目的とするところは,「事物の諸原因と密かな運動に関する知識であり,人間帝国の領域を拡大して,可能なあらゆることを成就すること」だという。

このような科学主導の理想的な社会を描き出そうとしたベーコンだが,技術に関する予見的なアイデアは,アイテムが並べられているだけで,未完のまま終わってしまった。
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2003年12月17日

カラー版極上の純米酒ガイド(上原 浩)

カラー版 極上の純米酒ガイド (光文社新書)

光文社
売り上げランキング: 34331

下戸でも酒の本は好き,ということで,光文社新書の新刊「カラー版極上の純米酒ガイド」(上原 浩)を楽しく読んだ。

長年酒造りの指導を行い80歳になった著者は,「良い酒は造り手の覇気から生まれる」といい,万人受けする酒よりも「どんな酒をつくりたいのか」が飲み手に伝わる酒を愛し,ここで個性的な日本酒66銘柄176本を選んでいる。著者が純米酒にこだわるわけは,前書「純米酒を極める」に詳しい。
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2003年12月16日

ハルキ文庫「立原道造詩集」と乱歩「悪魔の紋章

立原道造詩集 (ハルキ文庫)
立原 道造
角川春樹事務所
売り上げランキング: 59498

ハルキ文庫の新刊「立原道造詩集」が書店で山積みになっていた。

いまどき,この詩集を新たに読む人がそんなにいるのかと不思議に思う( "http://2style.net/misa/fuguruma/tatihara/tatihara.html">ここを参照)。私は学生時代に買った全集を大事に抱えているが・・・。

江戸川乱歩全集 第12巻 悪魔の紋章 (光文社文庫)
江戸川 乱歩
光文社
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乱歩の「悪魔の紋章」を読了。光文社文庫版は,戦前版を底本としているので,戦後伏字・削除となっていた箇所を読むことが出来る。乱歩曰く,確たる構想もなく1年にわたって連載されていたものなので,かなり行き当たりばったりの感はあるが,おどろおどろしい描写には事欠かず,乱歩らしさ満載で面白く読んだ。
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2003年12月14日

子連れで音楽会

家内の母校へ,演奏会を聴きに行ってきました。音楽大学らしく,中庭では楽器を抱えた学生がそこここに談笑しているという小綺麗な雰囲気で,私の殺伐とした母校とはえらい違い。小学1年の子供連れでの演奏会は初めてだったので,演奏中のマナーについて,事前によく言い聞かせておいたのですが,それは杞憂に終わりました。演奏中ずっと静かに寝ていましたから。

この間,江戸川乱歩全集の新刊「悪魔の紋章」を読みました。収録作品は,少年探偵団,妖怪博士,悪魔の紋章ということで,怪人二十面相がメイン。私も、少年探偵団世代からは,ずっと遅れてきた乱歩ファンなわけですが,若い人はこのレトロな語り口に新鮮な魅力を感じるのではないでしょうか。
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2003年12月12日

サイバラのインタビュー

忘年会やらなにやらで,忙しくなってしまい,岩波文庫の新刊「幕末政治家」や光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「悪魔の紋章」(分厚いですな)も積ん読状態が続いています。

Yahooで見た西原氏のインタビュー。「出産後は,とにかく描く時間がなくなってしまって。思うように描けないから,前より落ち込むようになりました。24時間子どもに拘束されていますからね。トイレに行っただけで「お母さんがいない」と泣き出すような状況で,子どもを抱えながら描かなきゃいけなかったり,(執筆に没頭している時に)泣かれるとものすごくイライラしたり。それで”恐いお母さん”になっちゃって,そのたびに反省して……。いつもひどい寝不足で,ごはんを食べると余計に眠くなるから,朝は飴だけで血糖値を上げる。今もそんな感じでやっています。でも,子どもがいないより,いるほうが全然いい。漫画描いてるだじゃ,きっと10年20年あっという間に過ぎちゃうでしょう。残ったのが漫画だけ,というんじゃ私自身がつまらないですから。だから,子どもがいる分描けなくても仕方がないなあ,と思う。落ち込んだ時には,よく自分に言い聞かせるんです。「欲しいものは全部手に入れてるじゃないか」。仕事もあるし,子どもも健康だし,こんないい人生ないじゃん,って。来世に生まれ変わっても,やっぱり女がいい。女は何かをやったら絶対男には負けないし。愛することと愛されることが,すごく上手。男ってそういうことが下手な生き物ですよね。どんくさくて折れやすくて,そのくせエバらなきゃいけないし(笑)。女のほうが人生絶対楽しいと思う。だから次も絶対女に生まれたい」
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2003年12月09日

西原理恵子「できるかなV3」

できるかなV3 (角川文庫)
西原 理恵子
角川書店
売り上げランキング: 71323

もういい加減にやめよう!と思いつつ買ってしまう西原理恵子の新刊「できるかなV3」。今回は,脱税とキャバレーのホステスに挑戦。高須クリニックの克弥院長も大暴走。というわけで,なかなか楽しめましたが,あの原色本を電車の中で読むのは,ちと恥ずかしかった(でも離婚しちゃったんだな・・・いま発売中の新潮45+に,柳美里との離婚対談あり。2人が出会った鳥頭紀行−ジャングル編など読み返すと,泣けるかも)。ついでに,「放浪レディ」(国井律子)を再読。
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2003年12月08日

ホームタウン東京 どこにもない故郷を探す(片岡義男)

ホームタウン東京―どこにもない故郷を探す (ちくま文庫)
片岡 義男
筑摩書房
売り上げランキング: 730893

ちくま文庫の新刊「ホームタウン東京 どこにもない故郷を探す」(片岡義男)を読む。

雑誌「Free& Easy」に連載中の「東京縦画面」をまとめたもの。ここに選ばれた写真は,電信柱と電線と原色の看板が渦巻く,ありふれた東京の風景が多いのだが,「なぜこれを撮ったのか」を著者は一つ一つ解説してゆく。2枚の写真を見開きで対比させ,一種の組写真として見せているのも面白い。この2枚の写真は,同時に撮られたものもあるし,まったく関係のない状況で撮られたものだったりする。その2枚に関する説明文が,写真より先に出てくる構成だから,読者はまず説明文を読んで,どんな写真だろうとイメージを膨らませてから実際の写真を見ることになる。なかなか巧いやり方だ。
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2003年12月07日

宮崎シーガイヤにて

宮崎へ出張のため,間が空いてしまいました。今回は,2001年に倒産してから,米国資本を投入して再建が進んでいるシーガイヤの視察。立派なリゾート施設と,かつての新婚旅行先No.1だった宮崎のレトロな史跡や風景(これはなかなか味がある)とのミスマッチが面白いといえば面白いが,東京から高額の飛行機代をかけて,果たして観光客が来るのだろうか?人ごとながら心配。

我が家の近く,江ノ島・湘南という人であふれる観光地でも昨年,一番のリゾートホテルが撤退してしまったし,こんな巨大なリゾート開発など想像するのも難しい。私には場違いな,サミット首脳会議のためにつくられた豪華な会議室で説明を受けながら,首を捻ることしきり。旅行中,えい文庫「アタシはバイクで旅に出る」の1と2を再読。
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2003年12月03日

大阪学(大谷晃一)

大阪学 (新潮文庫)
大阪学 (新潮文庫)
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大谷 晃一
新潮社
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いささか古い本だが,新潮文庫「大阪学」(大谷晃一)を読む。

電車に乗る間際,どうしても読む本が欲しかったので,あまり期待せずにあわてて購入。その後,シリーズ化される大阪学ものの最初の1冊です。いまでは,吉本やタイガースを通じて,大阪の情報が東京にもかなり入ってくるようになりましたが,本書は,なぜ現在のようなキャラクターの大阪&大阪人が生まれたのかを歴史的に解こうとしており,なかなか勉強になりました。不法駐車,お笑い,きつねうどん、スーパー,好っきゃねん,古代ベイエリア,中世の近代人,都市の誕生,大阪人写実,実証といった内容で,
大阪に縁のある作家も取り上げられています。
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2003年12月02日

アタシはバイクで旅に出る3(国井律子)


えい文庫の新刊「アタシはバイクで旅に出る 3」(国井律子)を読む。

ハーレーダビッドソンを駆る日本でいま一番有名なバイク乗り?クニイ嬢のツーリングエッセイ第3弾。酒と温泉と出会いを求めて,今回は,山形,房総,日光,沖縄,浜松,白馬,そしてハーレーの故郷シカゴ&ミルウォーキーに向かう。ハーレーに乗るようになってから,周りの世界が一変した,という著者によるこの雑誌連載シリーズは、バイクエッセイ,あるいは旅行記,いずれにしても食い足りない感じはあるけれど,そのノホホンとした持ち味で,読み手をもほのぼのさせる効能あり。
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2003年11月30日

2003年11月

11月28〜30日


なんと,11月も終わりです。我が家のプレ忘年会ということで,子供連れで夕飯を食べに行ったのだが,
案内された個室にカラオケが無い。「カラオケ付きの部屋を予約したんですが?」と言ったところ,「ウチの店にカラオケ部屋は無いんですけど?
??」。カミサンが間違えてほかの店に予約していたらしい。というより,案内する前に名前が違うのに気づけよ・・・というわけで,
急遽予約した近くの店に移動し,それから4時間歌いまくり。子供のポケモンの歌を何十回も聴かされて,悪い夢見そうな感じでした。
岩波文庫「虚栄の市 2」がようやく進捗し,次の本を探す余裕が出てきました。


 


11月26〜27日


ハッキリしない天気が続くなか,岡山に出張していました。機中で読もうと思い,光文社の新刊
「田中康夫が訊く食の極み」
(田中康夫)を持っていったのですが,よく寝てしまい,
結局行き帰りの電車で読むことに。本書は,フランス料理,イタリア料理,スペイン料理,日本酒,ワイン,焼酎など,
その道の達人23人から,それらを味わう上でのポイントやマナーについて指南を受けるというもの。以前出た
「田中康夫が訊く−どう食べるかどう楽しむか」
の続編ですな。今回は知事らしさを前面に出し,
長野県産の食材にとくにこだわった内容となっています。マナーなど,基本的なところも押さえており,意外に実用的。ついでに,
食べ物だけではなく,銀座の高級クラブでの作法,などというのもありました。これだけは,
お値段の点であまり実用的とは言えませんが。


 


11月25日


将棋の棋士の書いた本には,たとえ将棋自体に興味のない人でも楽しめるものが多い。それは,
棋士の特殊なライフスタイルが覗き見られるということのほかに,天才的な思考マシンのような棋士が対局中,
様々な思いが入り乱れて迷いに迷っているという意外性によるところが大きい。小学館文庫「好機の視点」
(羽生善治)も,そんな将棋好きでなくても楽しめる本の1冊。
著者が初めて名人位についた1992〜95年に行われた対局について,自ら印象的なものを取り上げて解説している。当時,
リアルタイムで雑誌に連載された「奮戦日記」であり,名人自身,「今,振り返ってみると恥ずかしい部分も多く,
封印してしまいたい気持ちです」と言う通り,戦いぶりも書きぶりも若々しいが,
自信と不安の間で戦い続ける日々を極めて素直に書いており,好感が持てる。棋譜も充実しているので,将棋に詳しい人なら,
もちろんより楽しめよう。


 


11月20〜24日


3連休いかがお過ごしだったでしょうか。我が家では,
インテリア関係のショップとオモチャ屋に行こうということで横浜へ。子供は,オモチャといえばテレビゲーム,
デュエルマスターズのカードゲーム,ベイブレード,レゴ,とこの辺がメインなのですが,とりあえずクリスマス前だし,
親も好きなレゴなら無難だろうという作戦か?,大きなお城のレゴセットを購入。さすがに一人では組み立てるのが難しく,
もっぱら私が奮闘して,ほぼ完成。ほかに,忘年会用の会場探しや案内状の作成など,早くも年末のような慌ただしい気分でおります。
この間,「虚栄の市 2」を読みました。



「グループほんだな」さん
より「「私達は対戦形式の400字書評サイト「ほんだな」を運営しています。
本好きが集まって本と書評を出し合っています。細々と続けて最近ようやく240冊を超えました。ぜひ一度あそびにいらしてください。」
とのご案内をいただきました。対戦・・・というので,同じ本を読み感想を持ち合って戦うのかと思いましたら,そうではなく,
「先手が一冊の本を手にして話しかけたら,後手は別の本を持ってきて返事をします。原則として一人対一人,一冊対一冊の対戦。
勝ち負けはありません。」とのこと。これを毎週続けるのはなかなか大変だろうと思いますが,興味のある方は参加されてはいかがですか?


 


11月19日


神保町のスターバックスに行こうと,ぶらぶら歩いていたら,老舗の奥野書店が店じまいしていてビックリ。
大正時代から,70年以上続いていたとのこと。岩波文庫の新刊「一茶 七番日記(上)」(丸山一彦校注)を購入。といっても,
まだ「虚栄の市 2」が読み終わらないので,しばらくは塩漬け。帰宅途中,買い忘れていた「コロコロコミック12月号」を購入。


 


11月17〜18日


岩波文庫の新刊,「虚栄の市 2」(サッカリー)と「山の旅 大正・昭和篇」(近藤信行編)を購入。
所用で新宿から東海大学へ行く電車の中で読もうと思ったのだが,「虚栄の市」を50頁ほど読んだところで気力が続かずに挫折。
「山の旅」に持ち替え,槇 有恒による1921年アイガー東山稜初登頂の歴史的な記録などを読む。学生時代,
北海道の山歩きをした程度で,ちょっとしたハイキングでも息切れするこの頃ですが,
我が国登山界のパイオニア達の活躍ぶりにはあらためて感銘を受けました。


 


11月14〜16日


週末は,幕張メッセへ。息子がベイブレード日本一決定戦(の特別予選)に参加するためですが,
強力なHMSの前に8月の大会では結構勝ち抜けたEGベイも惨敗。急遽HMSに乗り換えて出場するも時間切れ。午後の勝ち抜きフリーバトル
(大人も参加可能・・・黒づくめの衣装で妖しい雰囲気のオジサンがとても弱っちいのでうけていた)ではそこそこ善戦しましたが,
まあ今回は練習・・・ということで。本人も上級生に混じって,結構楽しく遊べたので,納得していたよう。
同時に開催していたデュエルマスターズの試合の方にも興味津々だったので,いずれそちらに参戦,なんていうことになると怖ろしい。


 


11月13日


江戸川乱歩の続きとえい文庫の新刊「ハッセルブラッドの時間」(藤田一咲)を読んでいます。
「写真とハッセルブラッドをこよなく愛する著者が,ハッセルブラッドの楽しさ,すばらしさを自身の経験を通して軽妙に,
ときには哲学的に語る。ハッセルブラッド愛好家だけでなく,すべての写真好き,カメラ好き,そしてエッセイ好きに贈る,
見て読んで楽しいエッセイ全32編書き下ろし+全未発表作品132点」。ハッセルブラッドとは,中判のスウェーデン製高級カメラ。
プロのファッション写真家などに多く使われています。ライカや国産カメラの文庫本はたくさんありますが,
ハッセルに関する本は珍しく,楽しめました。デジカメの高性能化により,普通の写真はデジカメで充分,と感じつつあるのですが,
中判,大判カメラでじっくりと被写体に向かい合う・・・というのには相変わらず魅力を感じます。


 


11月11〜12日


「戦国史新聞―乱世の激動を伝える天下無双の大号外!」というのを読んだ。戦国時代にもし新聞があったら,
ということで,各地での戦いを新聞形式で報道するというもの。本能寺の変や徳川幕府の成立などは,号外になっている。内容(文章)
はちょっと軽すぎるかなと思えるが,歴史新聞は4冊目とのことなので,好きな人がいるのね。ほかに,
光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「幻影城」を購入。探偵小説の定義と類別,倒叙探偵小説,英米探偵小説界の展望,
探偵作家としてのエドガー・ポー,探偵小説純文学論を評す,怪談入門など,乱歩による「探偵小説評論集」。分厚くて読みでがある。
当分(2,3日?)は電車読書のネタができた。


 


11月10日


岩波アクティブ新書の新刊「人生に必要な30の腕時計」(ガンダーラ井上)を読む。カメラや時計など,
アナログを愛するフリーライターの著者が,人生の様々な場面にふさわしい時計を紹介。転勤してきた上司の引っ越しを手伝うとき,
友人の結婚式で司会を頼まれてしまったとき,婚約者の父親と初めて顔を合わせるとき,などなど,
私などすべて一つの時計で済ませているので考える余地なしですが,こういうことに気を遣っている人もたくさんいるんだろうな,
ということに感心する本。アナログばかりでなく,懐かしい音叉腕時計,LED表示のデジタル時計などの話題もあります。


 


11月5〜9日


週末,近くのKO附属中・高の学園祭に行ってきました。山の中をよくこれだけ切り開いたな(大学も含めて)
と思う抜群の環境ではありますが,私自身は古くさい学生街が性に合っているので,
なにやら世間から隔離されているようなキャンパスは,もう少し刺激がないと落ち着かないんじゃないかなぁと心配。生徒達は,
一生懸命考えた企画を,少々もてあまし気味でこなしており,好感が持てました。日曜日夕方には選挙へ。雨模様の中,
投票所は結構賑わっており,当地では関心が高かったように思えました。もっとも,単身所帯などほとんどいない街ですから当然かも。
この間,買った本?はといえば,虎ノ門のビジネス書店で見つけたポケモンの4コマコミック集
「ポケモン4コマ大百科 ギャグスターズ全2冊」(やましたたかひろ)。もちろんポケモン狂の息子用ですが,一緒に読んでいて,
結構笑えるものもあり楽しめました。


 


11月4日


出版月報によると,本年7月の文庫本発行点数は619点,発行部数は1041万冊,平均単価は595円で,
前年比1.8%減とのこと。集英社文庫(久しぶりだな)の新刊「文体とパスの精度」(村上龍,中田英寿)を読む。昨年,
単行本で出たものに,新しいメールでのやり取りを少し追加した改訂文庫版。村上龍と中田選手のメール交換を含む対談集だが,
中田選手が極めて率直にサッカーへの思いを語っているので,読んでいて気持ちがよい。
自分の中の柔らかいコアな部分を守るために必要だったので自然に「強さ」が身に付いた,と中田選手自ら語っているが,
並はずれた向上心の強さ,負けず嫌い,責任感,何より子供の頃から自分が何をすべきか,常に考えながらサッカーをしてきたこと,
その積み重ねが,いまの中田選手を作り上げたことがよく分かる。サッカー選手が何を考えてプレーをしているか。
単純な興味から読みはじめても,中田選手の魅力に惹きつけられてしまう本。


 


11月2〜3日


週末は,近所の大学の学園祭に行ったり,海で砂遊び?したり,ボケッとしていました。この間,
書店で前から気になっていた「マイコンヒストリーあるパワーユーザーが体験した,パソコン戦争の軌跡と未来」(高安正明,
ソフトマジック社)を読みました。気になっていた,というのは,大学時代MZ−80を愛用していた私に(私たちの世代に)
ピッタリの本だからで,また,購入を躊躇していたのは,著者が私よりだいぶ年下なので,
時代のズレがあるのではないかと思ったからです(この時期の数年の違いは大きいでしょうから)。読んでみると,
マイコン登場以前の経緯もうまく整理されており,それは杞憂だったわけですが,何よりも,当時の8ビット機や,
NECのシリーズのユーザーにとっては,懐かしい話ばかりで,そうだったんだよねー,と一人納得。大いに楽しませてもらいました。


 


11月1日


「Yahoo!オススメ」で,コレクションサイトの特集をやるので,本サイトも紹介したいとのこと。それは嬉しいのですが,
私自身はコレクターとは言えそうもないので,文庫本の愛好者が集まる場所,といった感じになれれば良いなと思っています。ともあれ,
今後ともよろしくお願いいたします。

posted by 南野靖一郎 at 18:25| 2003年

2003年10月31日

2003年10月

10月30〜31日


岩波文庫10月新刊の「山の旅 大正・昭和篇」。どこの本屋に行っても見つからず,結構売れているんだなぁ,と思っていたら,
11月に発売延期とのこと。10月は(って毎月そうなのだが)4冊しか新刊がないんですよ。それもそのうち2冊は改版。もちろん既読。
読むものがないじゃありませんか。それでも岩波書店に苦情殺到,社長はあわててお詫び・・・という話もきかないので,
"よくあること"などと思っている岩波文庫ファンは,気の長い人種なのでしょうね。


 


10月29日


新潮文庫の新刊「第二阿房列車」(内田百間)を買う。1000円近い文庫本も多いこの頃,
400円というのは得した気分。もっとも,書棚にあるはずの旺文社文庫を探すのが面倒だからという理由なので,たとえ損はしても,
もちろん得したわけではない。百間先生は,相変わらず気の向くままにぶらりと汽車の旅。着いた先でも,
名所旧跡などもちろん巡らず,何となくぶらぶらと旅館にこもって酒盛り。とは言っても,有名人の先生のこと,
あちこちで記者に追いかけられ,つまらないインタビューを受け,国鉄のお偉いさんからの接待を受けなければならぬ。
めんどくさいと思いつつも,結構付き合いのよいところを見せ,鉄道マニア臭さを払拭している。昭和28年,戦後の復興が進み,
再び輝きを取り戻しつつあった鉄道の記録として,楽しく,また興味深く読むことができる。


 


10月28日


「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)読了。「悪魔物語」は,かなり風変わりな小説で,
これが当時のソ連当局の官僚主義に対する風刺だということはよく分かるが,正直なところ,本作品が文壇に与えた大きな影響や,
最近になってようやく再評価が進んでいることなど,私の勉強不足であろうが,文学史的な興味以上を感じることはできなかった。「運命の卵」
は,世界的な生物学者が発見した生命増殖の効果を持つ赤色光線に目を付けた男が,鶏と間違って蛇やダチョウの卵を照射してしまい,
巨大化した動物により街がパニックになるという,SF特撮映画によく出てきそうな筋立て。ソ連らしく,寒波によりそれらの動物が死滅し,
助かったという結末なのだが,やはり当局を皮肉った場面があちこちにあり,面白く読むことができた。


 


10月27日


岩波文庫の新刊「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)を読み始める。読み始めては見たものの,途中で,
これは?と思い読み返すことが多く,なかなか難解だ。感想は後日ということにして,作者紹介。ブルガーコフは,キエフに生まれ,
大学卒業後医師となるが,1920年代に文筆活動を始め,「悪魔物語」,「犬の心臓」
などを書いたが当時のソヴィエト政権から激しく批判され,発表できたものは限られていた。戯曲も多く手がけ,
ロシア革命に反抗し滅び去っていく者達の運命を描いた自伝的長編「白衛軍」を戯曲化した「トゥルビン家の日々」は,
モスクワ芸術座で上演されて大きな成功をおさめたが,その後上演禁止となった。晩年は正当に評価されることなく,
孤独と失意のうちに死んだが,ソ連体制下の文学者の象徴的存在であった。戦後,粛清された作家達が名誉回復される中で,
ブルガーコフの再評価の動きは遅かったが,死後20年以上経ってから出版された長編「巨匠とマルガリータ」
は国内のみならず全世界で出版され絶賛された。


 


10月23〜26日


週末,平家物語(をじっくり読むという計画)があまり進まず,ようやく2巻目が終わったところ。巻五の終わりで,福原遷都,南都焼討,
頼朝の挙兵があり,いよいよ平氏の権勢も危うしといった場面。そんな中,新しいメガネを作りにいったのですが,検査をしながら,「最近,
眼が疲れ気味で,ピントが合いにくいんですよね」と言うと,店長曰く,それは疲れ目と言うより老眼の始まりで,
次に作るときは2焦点にしないと駄目ですよ,とのこと。あぁ,そんな歳になったのか,とちょっとガックリ。
常にパソコンと向き合っての仕事だから,眼を休めたいと思っても難しいし・・・。


 


10月22日


ポケットブック判のハリーポッター。書店で見かけて買おうかと思いましたが,思いとどまりました。やはり,2回読むほどのことは・・・
という気持ちになったのかも知れません。これがバカ売れするとしたら,ハリーポッターもたいしたもの。苦戦しそうな感じがします。


 


10月21日


木下順二氏の影響で,「平家物語」(岩波文庫の新版)を取り出してきて,またぞろ読み始めました。本書は,
注が私にとっては過不足無く付けられているので,電車読書には役立ちます。古典に詳しい人なら,ちょっと煩わしいと思うかも知れません。
当地(神奈川県)も,朝夕はめっきり涼しくなり,紅葉と共に読書の秋真っ盛り,と言いたいところですが,ここのところ雨続きで,
私の読書スペースたる通勤の満員電車は,モワーっと蒸し暑く,なかなか快適な読書とはいきません,家に帰れば,
児童書やコロコロコミックを一緒に読ませられるし・・・。そろそろ岩波文庫の新刊に取りかかりたいと思っています。


 


10月20日


恒例の新橋駅前大古書市が開催中。さっそく文庫本関係の出物は,と探してみたが,古いものでは,とくに珍しくない岩波文庫若干と,
箱入り時代(だけど箱無し)の旺文社文庫があるくらいで,あとは新しい物ばかりだった。趣味系の雑誌は,いろいろ出ているので,
サライとか太陽のバックナンバーを探している人はどうぞ。ドカッと置いてあるだけなので,探すのは大変そうだが。


 


10月19日


岩波現代文庫の新刊「古典を読む 平家物語」(木下順二)を読む。平家物語を,俊寛,文覚,清盛,義仲,義経,
知盛という人物ごとにその生涯を追いつつ,史実や関連する文献を交えて,分かりやすく読み解いてくれるもの。古典音痴,
というかそもそも歴史音痴の私でも,興味を持って読むことができた。平家物語に関するサイトは沢山ありますが,
簡潔にまとめられているのはここ


 


10月16〜18日


週末は,何度か書店に足を運んだものの,これといった新刊に巡り会うことができませんでした。そんな中,幼稚園の運動会
(息子が卒園生として競技参加)や,鵠沼海岸へサーフィンやビーチバレーの大会を見に行ったり,近場でバタバタしていました。
日本書籍出版協会では,出版社共同企画「期間限定 謝恩価格本フェア」をスタート。「謝恩価格本」の販売は,出版社の判断により,書名・
期間を決めて定価拘束を外すもので(正式には「時限再販」),今回は出版社がインターネットを利用して,直接販売する方法。販売価格は
「表示定価金額」の50%引きまたは30%引きの2種類。期間終了後は出品図書の多くが定価販売に戻る。詳しくは,バーゲンブック.jpを参照願います。ちなみに,バーゲン品には,
定価表示部分に定価商品とバーゲン価格商品を判別するためにシールを貼って出荷するとのこと。何となくコソコソした感じがいやだが,
興味のある本がありましたら,どうぞ。


 


10月15日


久しぶりに万年筆のインクを買いに,銀座伊東屋へ行った。パーカーのブルーブラックとブラックのボトルインク。
最近値上がりして1瓶600円。それでもモンブランやイタリアのインクに比べれば割安だ。最近の万年筆のインクは,
水に流れるものがほとんどなので(もっぱら乾燥による詰まり防止のため),公文書には使えなくなってしまったが,
それでも脂ぎったボールペンとは比較にならないと思い,使い続けている。海外では,万年筆のブームが長く続いているのに,
日本ではときどき話題にはなるものの,あっけなく消えてしまうのはなぜだろう。ブランドにこだわる若者など,
もっと注目してくれてもよいと思うが・・・そもそも字を書かないのか?


 


10月14日


新潮文庫「東電OL症候群」(佐野眞一)を読む。「東電OL殺人事件」(新潮文庫)の続編だが,
この両書は発行以来,東電本社至近という当地の場所柄か,周辺の書店で常に平積み状態であった。前書は,
犯人とされたネパール人被告が第一審で無罪判決を言い渡されたところで終わっていた。その後,ご承知の通り,
控訴審判決で無期懲役が言い渡され,現在は最高裁で争われている。佐野氏は当初より本件は冤罪であるとして取材を続けてきた。
本書には,女性の読者から寄せられたルポもあり,多くの女性が「我が内なる渡辺泰子」に共感して,現場を訪れているという。
気が重くなる本だが,共感できるのは女性ばかりではない。,


 


10月12〜13日


3連休は,急に大雨が降ったり,生暖かい風が吹いたり,変な天気でしたね。平凡社「東洋文庫」のオンデマンド出版が始まりました。興味はあるのですが,
私には高くて手が出そうにもありません。今月の岩波文庫重版は,山の本特集ということで,おなじみ「アルプス登攀記 全2冊」(ウィンパー)
,「日本アルプスの登山と探検」(ウェストン),「新編 山と渓谷」(田部重治),「山の絵本」(尾崎喜八),「新選 山のパンセ」
(串田孫一)が一気に出ます。それは嬉しいとしても,ウィンパーの古典的名著や,この間(97年)
出たばかりのウェストンが品切れになっていたというのも残念な話。


 


 


10月11日


珍しく土曜日に九段で会議。その合間に,岩波文庫の新刊・・・といってもだいぶ経ってしまった「山の旅」
を読む。明治から大正にかけて「山の旅」に関する紀行,エッセーをまとめたもの。執筆者は,正岡子規,幸田露伴,夏目漱石,
柳田国男,芥川龍之介,志賀直哉,宇野浩二,など錚々たる面々で,『山岳』など雑誌に寄稿したものが多い。訪れた山も,
尾瀬や穂高,伊豆・箱根はもとより,明治期の欧州アルプスやスイスなどバラエティーに富んでおり,
往年の登山スタイルを窺うことができて楽しい。「日は漸く高く上って全山真白のユングフラウは眼もくるめくばかり,
そのリッジの雲一つなき晴れた空,藍を通り越して殆ど黒ずんで見える空との界は得も言われぬ鮮さである・・・
豪宕の景森厳の気これを味わんとするものはこの時此処に来って立つの外断じて策はないのである。
恍として自己の存在を没却し了した」,クラッシックな文体に男らしさが映える。


 


10月10日


乱歩「黒蜥蜴」の最後,「石榴」を読む。憎しみ合う2人の男が行方不明になり,残されたのは顔を硫酸で潰された男の死体。
犯人は逃走した。あとは,おきまりの「顔のない死体もの」かと思うと,若干のひねりはある。発表当時の本作は,文芸評論家からは悪評,
作家仲間からは黙殺,若い世代には比較的好評だったとのこと。乱歩というのは,自作の評判をものすごく気にする人なのだ。


 


10月9日


光文社文庫乱歩全集「黒蜥蜴」より「人間豹」を読む。なぜだか分からないが人間なのに豹のような体を持つ男とその父親が,
若い女性を拐かし,自分の意のままにならないと食い殺してしまう。この事件に首を突っ込んだ明智探偵の妻も誘拐され,
熊の着ぐるみを着せられ,サーカスの檻の中で虎と対決する羽目に。耽美小説(SM小説)と言うべきか,美女が裸にされて獣に襲われ,
ボロボロになっていくのを見て面白がるという,ちょっと情けない話だ。乱歩自身も,
『例によって一貫した筋が熟していないまま書き始めたので,全体としてチグハグな感じだし,毎月執筆しているうち,
ある月はちょっと面白い筋が浮かんだかと思うと,ある月はひどくつまらないという,例の私のくせが露出している。しかし,
当時の娯楽雑誌はこういう子供らしい読み物をも要求していたので,私の長篇はたいへん需要が多かったのである』などと言っている。


 


10月8日


エイ出版社の新刊「コンパクトカメラ通信2号」を買ってきた。だいぶ前に出た1号も持っているのだが,
正直このデジカメ主流の時代に,銀塩の高級コンパクトカメラを扱った本の第2弾が出るとは思わなかった。
登場するカメラ自体は前号と大差ない(新しい銀塩コンパクトがあまり出てこないのだから当然だが)ものの,
カールツァイスの撮り比べや,植田正治氏の巻頭撮り下ろしほか,バラエティに富んだ作例が載っていて,眺めているだけでも楽しい。
こういうときは,デジカメじゃなく,以前使っていたT2とかTVSなど,
もう一度手に入れて使ってみようかなぁという気にさせられる(その資金も無いのが残念)。


 


10月7日


光文社文庫乱歩全集の新刊「黒蜥蜴」より,黒い虹と黒蜥蜴を読む。黒蜥蜴といえば,
三島由紀夫や美輪明宏などの舞台を連想するが,そもそも,長椅子に閉じ込められて運ばれる令嬢,
人間を剥製にして宝石と共に飾る恐怖美術館,ダーク・エンジェルこと黒蜥蜴と名探偵明智小五郎との対決,
その中で生まれる妖しい愛情など,ドラマチックな仕立てに事欠かない作品。斬新なトリックなど無いが,
おどろおどろしい雰囲気だけで十分楽しませてくれる。黒い虹は,合作探偵小説の第1作を乱歩が受け持ったもの(このあと,水谷準,
大下宇陀児,森下雨村,海野十三,甲賀三郎と続いた)。なので,物語の発端しか書かれていないが,
乱歩はそれなりに面白そうな仕立てを用意してはいる。全文は春陽文庫で読めるようだが,私は未読。


 


10月6日


小学館文庫「教科書から消えた名作」(村上 護)を読む。本書は,小中学校の教科書に取り上げられた「名作」
が,年代をおって変わっていく様子を調べたもの。執筆の動機は,『「ゆとり教育」がはじまって,「国語」
の授業時間が史上最低となった。そしその影響をもろにうけたのが教科書に掲載の「名作」であった。漱石の「坊ちゃん」も鴎外の
「高瀬舟」もほとんどの教科書から消えてしまったのだ。文部省の「ゆとり」とは,内容を少なくして,
効率よく学ばせたいというものだろうが,本当は逆である。残すべきは精神の根幹ともいうべき国民的名作である。
名作が教科書から消えて,文化的損失は計り知れない。』 実際,巻末の年表によると,名作の採用から見た戦後の国語教科書には,
大きく3つの時期があるようで,一つは戦後すぐの古典的名作をたくさん取り上げていた時期。次にやや数は減るものの,
我々に馴染みの深い作品が増える昭和40年代(伊豆の踊子などもこの時期だ),そして,昭和50年代以降の大幅な減少期。「
(教科としての)国語は文芸など含まない」という意図がありありと見えるが,親としてはせいぜい「ゆとり」
を本に親しむ時間にしてあげるしかないか。


 


10月3〜5日


土曜日は小学校の運動会。幸い天気には恵まれて,無事終了。息子は前日まで風邪で不調でしたが,
本番はどうにか元気で頑張っていました。我々の小学生の頃に比べると,町をあげてのお祭りという感じが無くなってしまったので,
盛り上がりには欠けるように思いますが,生徒・先生・保護者ともども気楽な気分でやるのが,今流なんでしょう。もっとも,
私の小学校は生徒数が2000人を超えていたので,その半分しかいない現在の状況では,やや寂しいというところでもあります。


 


10月2日


出張疲れ?で,なかなか捗らないながらも,「虚栄の市(1)」を読了。だが,次を待つのが辛いな。


 


10月1日


改訳された岩波文庫新刊「虚栄の市(1)」を読み始める。旧版の6分冊から今回は4分冊になるのだが,
毎度言っているとおり,通勤読書には分冊が細かい方が嬉しいのだ。それでは売りにくいとしても。いずれにしても,
久々に腰を据えて読むことにしよう。訳はなかなかこなれていて,違和感が感じられないのが嬉しい。

posted by 南野靖一郎 at 18:22| 2003年

2003年10月30日

山の旅 大正・昭和篇

山の旅 大正・昭和篇 (岩波文庫)

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岩波文庫10月新刊の「山の旅 大正・昭和篇」。どこの本屋に行っても見つからず,結構売れているんだなぁ,と思っていたら,11月に発売延期とのこと。10月は(って毎月そうなのだが)4冊しか新刊がないんですよ。それもそのうち2冊は改版。もちろん既読。読むものがないじゃありませんか。それでも岩波書店に苦情殺到,社長はあわててお詫び・・・という話もきかないので,“よくあること”などと思っている岩波文庫ファンは,気の長い人種なのでしょうね。
posted by 南野靖一郎 at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2003年

2003年10月28日

第二阿房列車

第二阿房列車 (新潮文庫)
内田 百けん
新潮社
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新潮文庫の新刊「第二阿房列車」(内田百間)を買う。1000円近い文庫本も多いこの頃,400円というのは得した気分。もっとも,書棚にあるはずの旺文社文庫を探すのが面倒だからという理由なので,たとえ損はしても,もちろん得したわけではない。百間先生は,相変わらず気の向くままにぶらりと汽車の旅。着いた先でも,名所旧跡などもちろん巡らず,何となくぶらぶらと旅館にこもって酒盛り。

とは言っても,有名人の先生のこと,あちこちで記者に追いかけられ,つまらないインタビューを受け,国鉄のお偉いさんからの接待を受けなければならぬ。めんどくさいと思いつつも,結構付き合いのよいところを見せ,鉄道マニア臭さを払拭している。昭和28年,戦後の復興が進み,再び輝きを取り戻しつつあった鉄道の記録として,楽しく,また興味深く読むことができる。
posted by 南野靖一郎 at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2003年

2003年10月27日

悪魔物語・運命の卵

悪魔物語・運命の卵 (岩波文庫)
ブルガーコフ
岩波書店
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岩波文庫の新刊「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)を読み始める。読み始めては見たものの,途中で,これは?と思い読み返すことが多く,なかなか難解だ。感想は後日ということにして,作者紹介。ブルガーコフは,キエフに生まれ,大学卒業後医師となるが,1920年代に文筆活動を始め,「悪魔物語」,「犬の心臓」などを書いたが当時のソヴィエト政権から激しく批判され,発表できたものは限られていた。戯曲も多く手がけ,ロシア革命に反抗し滅び去っていく者達の運命を描いた自伝的長編「白衛軍」を戯曲化した「トゥルビン家の日々」は,モスクワ芸術座で上演されて大きな成功をおさめたが,その後上演禁止となった。晩年は正当に評価されることなく,孤独と失意のうちに死んだが,ソ連体制下の文学者の象徴的存在であった。戦後,粛清された作家達が名誉回復される中で,ブルガーコフの再評価の動きは遅かったが,死後20年以上経ってから出版された長編「巨匠とマルガリータ」は国内のみならず全世界で出版され絶賛された。
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「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)読了。「悪魔物語」は,かなり風変わりな小説で,これが当時のソ連当局の官僚主義に対する風刺だということはよく分かるが,正直なところ,本作品が文壇に与えた大きな影響や,最近になってようやく再評価が進んでいることなど,私の勉強不足であろうが,文学史的な興味以上を感じることはできなかった。「運命の卵」は,世界的な生物学者が発見した生命増殖の効果を持つ赤色光線に目を付けた男が,鶏と間違って蛇やダチョウの卵を照射してしまい,巨大化した動物により街がパニックになるという,SF特撮映画によく出てきそうな筋立て。ソ連らしく,寒波によりそれらの動物が死滅し,助かったという結末なのだが,やはり当局を皮肉った場面があちこちにあり,面白く読むことができた。
posted by 南野靖一郎 at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2003年