2005年09月24日

本屋さんへ行こう

本屋さんへ行こう」(日本書店商業組合連合会)に, 『BOOK CAFE』がオープン。ブックレビュー,フリートーク,テーマトーク(毎月更新),あなたの書評,読書イベント・書店便りなどのコーナーがあります。
今月は「もう一度読んでみたい心の一冊は?」というテーマでコメント募集中です。
posted by 南野靖一郎 at 10:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月21日

コンラッド短篇集

コンラッド短篇集
岩波文庫の新刊が書店に並んでいた。今月は面白そうなものが多く,どれからいこうかと暫し迷ったのだが,少々疲れ気味なので,取っつきやすそうな「コンラッド短篇集」(中島賢二訳)から読み始めることにした。

収録されているのは,「エイミー・フォスター」,「ガスパール・ルイス」,「無政府主義者」,「密告者」,「伯爵」,「武人の魂」の6篇。人種差別問題や植民地支配など,コンラッドを読み解く鍵はいくつかあるようだが,従来からの私の印象は,コンラッド=エンターテイメント作家である。実際,どの作品も気を逸らせず,面白い。
ちなみに,斎藤一氏によると,「闇の奥」(1940年中野好夫が翻訳)とジイドの「コンゴ紀行」(これも岩波文庫にあり)は,いずれも西欧人自身による西欧植民地主義批判文書として当時大変歓迎されたとのこと。

岩波文庫【赤248】コンラッドとしては,
1 闇の奥
2 密偵
3 青春
4 西欧人の眼に(上)
5 西欧人の眼に(下)
6 短篇集
ほかに,戦前刊行の「颱風」がある。
posted by 南野靖一郎 at 15:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月18日

2005東京ゲームショウ

幕張まで行ってきました。恒例の東京ゲームショウへ。ここのところ,皆勤賞ですな。
息子はキッズコーナーでロックマンやソニックに夢中なので,その合間にオトナコーナーを・・・と思ったのですが,やはり大変な人出で,プレステ3やXBOXを体験している時間が無く,やむを得ず,コンパニオンのお姉さんと記念写真を撮ったりしていました。
記念品の袋や帽子,ウチワなどを沢山リュックに詰め込んで帰ってきましたが,こういうのは教育上いかがなものなんでしょうね。息子は,電車男面白い・・・と言っている小学3年生なんですが。
posted by 南野靖一郎 at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月17日

お江戸吉原ものしり帖

お江戸吉原ものしり帖今週はずっと青森へ出張していました。新幹線で東京から3時間・・・近くなりました。学生時代は,夜行急行でごろ寝して,早暁の青函連絡船で函館へ渡ったのですが,それも昔話に。
残念ながら,彼の地の書店事情など調べている時間も無かったので,旅の途中でポツポツ読んでいた新潮文庫の新刊「お江戸吉原ものしり帖」(北村鮭彦)を紹介。青森とは全然関係ありませんね。
本書は江戸時代,とくに文化・文政・天保初期の全盛期の吉原について,その日常の姿を詳細に描いたもの。吉原に関する本はあまたあるが,「見てきたような・・・」というリアルさがウリ。学術的な雰囲気ではないが,決して下品にならず,丁寧に注をつけて,わかりやすく解説している。
解説にもあるように,落語ファンの基礎知識として最適。元本は昭和62年刊の六興出版「吉原ホログラフィー」。
posted by 南野靖一郎 at 02:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月10日

江戸川乱歩全集「ペテン師と空気男」

ペテン師と空気男光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「ペテン師と空気男」を読みました。昭和33年から36年頃の作品を集めたもの。第25回配本となる。
さすがにここまでくると乱歩先生,手慣れてはいるものの,格別のアイデアや毒々しさがあるわけではなく,少年探偵団を全面に出して子供向きにまとめてみました・・・という感じです。
少年もの以外では最後の作品となった表題作について,乱歩自身は「前例のない風変わりなもの」と言っている。冗談ばかりで人を驚かせていた男が新興宗教の教祖になってしまうのだが,その間,親友である「私」もすっかりハメられてしまうといった,確かに風変わりな作品ではある。
しかし,トリック云々ということを話題にするような作品では無く,木々高太郎が「乱歩の作品の中で一級の傑作」と褒めているのは釈然としない。物忘れの大家で空気のようにたよりない男といわれ「空気男」の呼ばれている「私」のキャラは好きなんだけれどね。
posted by 南野靖一郎 at 23:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月06日

アンデルセン「即興詩人」の復刊

森鴎外全集〈10〉即興詩人 (ちくま文庫)
森 鴎外
筑摩書房
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岩波文庫のアンデルセン「即興詩人」が今月復刊されますね。原典訳である大畑末吉訳の方です。

ご承知の通り「即興詩人」には森鴎外訳(緑帯)と大畑訳(赤帯)があります。両者の比較については,以前書いたとおりですが,最近は神西 清訳も電子ブックとして販売されているようです。

いずれにしても,鴎外訳の華麗なイメージがあまりに強すぎて,ほかの訳に馴染めないのが正直なところですが,いにしえのイタリア旅行記としても面白いので,未読の方にはお薦めします。

また,名高い鴎外訳にチャレンジしてみたいという若い方には,ちくま文庫版(写真)があります。
posted by 南野靖一郎 at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年09月03日

星の王子さま−集英社文庫版

星の王子さま (集英社文庫)
アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ Antoine de Saint Exup´ery 池沢 夏樹
集英社
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池澤夏樹による「星の王子さま」の新訳が集英社文庫から出た。単行本と同時発売。400円という廉価版だ(本文図版はモノクロ)。

池澤氏といえば,ずっと前に「Dr.ヘリオットのおかしな体験」や「虫とけものと家族たち」の訳を読んだことがある。本書も優しい訳で,王子さまや「僕」が,ずいぶん若返った感じ。とくに「ぼく」は,過去を回想しているにしては幼い語り口なので,少々違和感あり。これは本作の詩的な要素に着目したという訳者の視点に関係しているかもしれない。横組みの本文も,一層易しい感じを与えている。

最近刊行されたほかの訳本については,星の王子さまファンクラブを参照。
posted by 南野靖一郎 at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月31日

本を読んでる君が好き

「本を読んでる君が好き」・・・第59回読書週間(10月27日〜11月9日)の標語は「本を読んでる君が好き」に決まった。
さるさる日記に,これまでの標語一覧が載っており,それによると1960年頃は「そろって読書 あかるい家庭」,「読書でつくろう 明るい社会」,「きょうの読書はあすへの希望」といった希望の時代,70年代は「本との出会い 豊かな時間」といった豊かさの時代,80年代は「読書はあなたの無限の宇宙」,「読書は新しい発見の旅」といった個人の時代,そして90年代は「風もページをめくる秋」,「秋だからちょっと夜ふかし あと1ページ」,「本を読んだね! いい顔してるよ」,「読みたい本を読めばいい,読みたいように読めばいい」といった迷走あるいは暗中模索の時代,といった感じ。
今年の標語も含めて,最近は社会全体へというより若者への読書のすすめが主眼となっているが,「本を読んでる君が好き」などど言われて喜ぶのは我々中年世代のセンスじゃないかしら。
posted by 南野靖一郎 at 05:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月29日

キケロー弁論集

キケロー弁論集岩波文庫新刊の最後,「キケロー弁論集」を読みました。
「弁論家について」に続いての刊行。「弁論家について」は興味を持って読んだものの,さすがに面白かったとは言えなかったのですが,本書はとっても「面白く」読むことができました。
収録されているのは,「カティリーナ弾劾」,「アルキアース弁護」,「ピーソー弾劾」,「マルケッルスについて」。キケローの弁論の巧みさ・立派さは,それぞれの事件の経緯に疎くても十分感じられますが,先に丁寧な解説を読んでおくと一層楽しめます。訳文も平易で読みやすいものです。
とにかくあらゆる策略を用いて悪事を暴き,目の前にいる相手をめちゃくちゃに貶しながら,自らの功績をこれでもかと言い立てるわけですから,キケローは相当に嫌なやつだと思われますが,国家転覆をもくろむカティリーナの陰謀を暴き反乱を未然に防いだことにより,キケローは「国父」と呼ばれる英雄となりました。
posted by 南野靖一郎 at 12:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月26日

嬉遊笑覧(四)

嬉遊笑覧 (4)岩波文庫の新刊「嬉遊笑覧(四)」(喜多村いん庭)を読みました。
江戸時代の風俗を百科事典風に整理し考証したもの。ぽつぽつと拾い読みしてもよいのですが,なにせ刊行が年に1冊のペースなので,5冊完結までずいぶん時間がかかっています。
本巻では,「忌諱」(厄落・物忌・福など),「方術」(呪の師・口寄・辻占など),「娼妓」(局・男寵など),「言語」(都の言葉・咄・瓜姫など),(酒宴・甘づら・茶など),「火燭」(廻り灯籠・香・煙草など)といった面白そうな項目を集めています。
しかし,ほかの吉原評判記の類のガイドブックや守貞漫稿のような絵入り本とは違って,文章ばかりで学究的・真面目な本なので,気楽に読む・・・という訳にはいかないのですね。
posted by 南野靖一郎 at 05:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月24日

文楽の研究(三宅周太郎)

文楽の研究引き続き,岩波文庫の新刊「文楽の研究」(三宅周太郎)を読みました。
本書は演劇評論家である著者が,大正から昭和初期にかけての文楽の世界について,名人の生い立ちや修行の話,芝居小屋での奇談・珍談など豊富なエピソードを交えながら,わかりやすく解説しています。文楽人形や人形浄瑠璃と歌舞伎との関係など語り口が巧みで,普段文楽に縁のない私でも,最後まで興味を持って読むことができました。
ちなみに本書は昭和5年の刊行以来,6度目の版にあたり,戦前の春陽堂,創元選書(改修),戦後の創元選書(新編),創元文庫(定本),角川文庫に続くもの。岩波文庫版は角川文庫を底本としており,角川文庫は創元文庫の紙型を買い取ったものだそうですから,3種の文庫版は内容としては同じものといえます。
文楽に関しては,人形浄瑠璃文楽が参考となります。
posted by 南野靖一郎 at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月23日

食道楽(下)(村井弦斎)

食道楽 (下)岩波文庫の新刊「食道楽(下)」(村井弦斎)を読みました。
料理に関する蘊蓄を次から次へと捲し立てられるので,読んでいて面白いと思いつつ,かなり疲れがきます。弦斎の主張は,なにがなんでも正しい食生活,とくに家庭料理の推進なので,得体の知れない外食なんてもってのほか(もちろん明治時代の外食だから現在とは状況が違うのですけれど)。
ここでの弦斎は,「食通」というより食文化と公衆衛生の啓蒙活動家といった感じですが,七輪を利用したオーブンなど実践的なアイデアも盛り込みつつ,とにかく大変な鼻息です。
posted by 南野靖一郎 at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月21日

岩波文庫8月の復刊

子供の夏休みの宿題の読書感想文(というより紹介文)。最近ずっと読んでいたドリトル先生と,もう一冊は何にしようか?と悩んでいる。ポケモンフェスタなんて行っている暇があるのなら,宿題やれと言いたいが,まあ遊べるのも今のウチということで。
岩波文庫8月の復刊は,
・「孤客 (ミザントロオプ)」 モリエール/辰野 隆 訳(1950年9月5日発行)
・「真空地帯 全2冊」 野間 宏(1956年1月9日発行)
・「精神指導の規則」 デカルト/野田又夫 訳(1950年8月20日発行)
・「蓼喰う虫」 谷崎潤一郎/小出楢重 画(1985年9月17日発行)
の4点。
「蓼喰う虫」は新潮文庫版が現役で出ているが,「真空地帯」は新潮文庫,講談社文庫ともに絶版。さすがにこれを読もうという人はかなりの年輩ではないかと思うし,そういう人が今更あらためて買うのかしら?
posted by 南野靖一郎 at 21:30| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月17日

クラフト・エヴィング商會「アナ・トレントの鞄」

アナ・トレントの鞄
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クラフト・エヴィング商會の新刊「アナ・トレントの鞄」を読む。

映画『ミツバチのささやき』に触発されたクラフト・エヴィング商會は,新たな仕入れの旅に。記憶の中にある「アナ・トレントの鞄」を探しているうちに,またまた怪しげで懐かしい品々が次々と登場。

いつもながらのシンプルで美しい装丁がよい。書店のカバーを掛けてしまっては意味がないが,汚すのももったいないから・・・時々そっとめくって眺めてみようか・・・という本。まあ,今回は少々シンプルすぎて読みでがない,というのは贅沢な不満か。
posted by 南野靖一郎 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月16日

ちくま文庫復刊セールアンケート

今年の12月,ちくま文庫創刊20周年を記念して,品切れ本の復刊アンケートを実施中。既刊1900点のうち,品切れ本758点のリストあり。赤瀬川原平,井狩春男,南 伸坊,小林信彦,種村季弘などみんな品切れだったとは。
当然ながら,現役本より品切れ本の方に面白そうなものが多数あります。アンケート実施期間は8月末までなので,関心のある方はどうぞ。ちなみに,ちくま学芸文庫は対象外です。
posted by 南野靖一郎 at 08:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月14日

江戸川乱歩「地獄の道化師」

光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「地獄の道化師」を読む。
昭和14年,だんだんと出版に関する締め付けが厳しくなり,乱歩も「芋虫」が全編削除になるなど,将来に対する不安が高まってきた時期の作品を集めている。明智小五郎としても戦前最後の活躍だ。暗い気分に覆われてはいるものの,意表をついた犯人の創造という乱歩の意図がよく伝わり,力のこもった作品ばかりで,引き込まれるように読んだ。
このシリーズ,9月末日締め切りで,完全復刻少年探偵団B.D.バッジをプレゼントとのこと。
posted by 南野靖一郎 at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月11日

星の王子さま・・・続き

猛暑が続いている。電車読書もいまひとつ気分が乗らないので,倉橋訳星の王子さまを,読み返してみた。
本書を手にするまでは,内藤訳に慣れ親しんでいただけに,きっと新しさとともに,違和感を感じるものとばかり思っていた。ところが実際に読んでみると,内藤訳で少々気になっていた時代がかった耳慣れない言い回しが無くなり,ずいぶんすんなりと物語の中に入っていけた。
本書を読むと,大人は自らの内なる子供のこころに気づかされる。だから読み手が成長すると,ますます王子さまの世界への懐かしさが募る。もちろん気恥ずかしい後悔の気持ちも・・・。
posted by 南野靖一郎 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月10日

至福のピアノ

DVD・BOOK 至福のピアノ-弾く・聴く・楽しむここのところ実演は聴きに行っていないものの,私の好きなピアニスト仲道郁代さんの新しいDVDエッセイ集「至福のピアノ」(講談社)を購入。
本書?はいわゆるメイキングビデオのようなスタイルで,月の光やトロイメライ,ショパンのノクターンなどを解説,演奏しています。最近では,ベートーヴェンのソナタ全曲録音などに取り組んでいる仲道さんですが,ここではお気に入りの小曲をリラックスした感じで聴かせてくれます。
お嬢さんもウチの息子と同い年の筈(カミサンのお腹が大きいときに,やっぱりお腹がすごく大きかった仲道さんと一緒に記念写真を撮ったりしたので)。相変わらず若々しくて良いですね。
posted by 南野靖一郎 at 08:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月07日

倉橋由美子訳「新訳 星の王子さま」

新訳 星の王子さま倉橋由美子訳「新訳 星の王子さま」を読みました。
待望の新訳ですね。全体の印象は,内藤訳に対して,引き締まった感じがして,一言で言えば大人っぽい雰囲気になっています。倉橋氏があとがきで述べている通りです。『世の中には,「童話」と称して大人が子供向きに書いた不思議な作品がありますが,これはその種の童話ではありません。そのことは作者も最初に断っているとおりで,子供にように見える王子さまが主人公だとしても,だから子供向きのお話だということにはならず,これはあくまでも大人が読むための小説なのです。私もそのつもりで読んで,そのつもりで訳しています』。以前話題となった内藤氏に対する謝辞も記載されていました。
倉橋氏の遺作となってしまいましたが,「大人のために書かれた悲しい物語」星の王子さまの世界が広がったことを嬉しく思います。これからも幾つかの訳がでる予定ですので,楽しみにしています。
posted by 南野靖一郎 at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年

2005年08月06日

月と六ペンス・・・続き

さて,月と六ペンス。岩波文庫の旧版は阿部知二(1970年)なのだが,こういう場合,新しい訳者はお世辞でも旧訳に負うところが大きいなどというものだが,あとがきで中野・瀧口の良訳から学ぶところが大きかった・・・と記してあったのはちょっと違和感があった。阿部訳が好きなせいもあるが(オースティンも)。
posted by 南野靖一郎 at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005年