交通新聞社新書の創刊

幻の北海道殖民軌道を訪ねる―還暦サラリーマン北の大地でペダルを漕ぐ (交通新聞社新書)6月15日に交通新聞社新書が創刊された。
「読む,知る,楽しむ 鉄道の世界」をテーマに,『鉄道をステージにした人々の生き様と明日への挑戦,知的好奇心を刺激する旅,人間の叡智と可能性を紹介する、交通界のドキュメンタリーシリーズ』
創刊タイトルは以下の5点。「可愛い子には鉄道の旅を 6歳からのおとな講座」(村山 茂),「幻の北海道殖民軌道を訪ねる」(田沼建治),「シネマの名匠と旅する「駅」」(臼井幸彦),「ニッポン鉄道遺産」(斉木 実・米屋浩二),「時刻表に見るスイスの鉄道」(大内雅博)。
面白そうなものばかりだが,書店で平積みされた中で,残部が一番少なかった「幻の北海道・・・」を手にしてみた。
かつて北海道に存在した殖民軌道(国鉄の駅などがあった中心集落と周辺の入植地の間に役所が敷設した軽便鉄道で昭和47年に消滅)の軌道や停車場跡を,サラリーマン&鉄道ファンの著者が自転車を漕ぎながら辿っていく。ずいぶん地味な旅だが,かつて鉄道が北海道の開拓事業に果たした役割を思うと,なかなか意義のある調査で,興味を持って読むことができた。
本シリーズ,普通の書店の書棚にならぶかわからないが(さすがに新橋駅の書店には山積みだった),鉄道の旅が好きな人にはお薦めしたい。