京極夏彦氏の新刊をiPad版で

死ねばいいのに講談社は,5月15日に発売した京極夏彦氏の新刊「死ねばいいのに」を,iPad,iPhone,PC,携帯向けで同時発売する(6月上旬予定)。
紙版1700円に対して,電子版は発売から2週間のキャンペーン期間中は700円,その後は900円となる。また携帯版は1章100円で全6章を分割販売。今後はインターネットで上巻を全文無料公開している「親鸞」や京極氏の新刊などを同様にリリースしていく予定。
野間副社長は,「紙の本に加えて,デジタルというチャネルで新しい読者が生れていくという利便性の向上にほかならない。結果的に紙の本の需要を刺激して出版市場を活性化していく可能性を秘めている」と紙とデジタルとの相乗効果をねらっている。
また,京極氏も「紙と電子は,補完しあっても,食い合うものではないと確信している。今回は実験ではあるが第一歩を踏み出した」として,「出版社がいらなくなるということはない。出版社なくして書籍はできない。直接著者がデータ配信することと電子出版とは違うもの」と出版社の役割を強調。