知的生産の技術

知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
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梅棹忠夫さんが7月3日に90歳で亡くなった。文化人類学者としてはもちろんだが,岩波新書「知的生産の技術」(1969年刊)がなんといっても有名。出版から数年経った私の高校時代には既に「必読書」になっていて,以来現在までずっとベストセラーの位置をキープしている(本日現在は一時的に品切れで重版中とのこと)。紙のカードによる情報整理や,こざね法による論理の流れの整理など,これは自分の思考をまとめて文章にする人のための「技術」指南書なのだ。

本書はもともと,1965年4月から雑誌「図書」に連載された「知的生産の技術について」と,1968年10月から連載された「続・知的生産の技術について」をもとに纏めたもの。40年以上経って,パソコンでデータを整理し,アウトラインプロセッサで文書構成を決めていく時代になっても,知的生産の原理原則を知る上で,本書の意義はまだまだ大きい。