現在でも書籍の再販制度は維持されているわけですが、過去には、さまざまな値引き販売が行われていました。
「岩波茂雄伝、岩波書店八十年史」によると、岩波書店も戦前、2回の大々的なバーゲンを行っており、昭和3年8月の開店15周年記念特売は売れ行きが芳しくなかったものの、昭和8年10月の創業20周年記念の特売では、非常の好況で、3週間で発売書目752点(発行後1年以内のもの・全集・講座類を除く)が11万800部、18万2千円分売れて、これは当時の1ヶ月出品平均数の6~7倍に相当する記録的な売上高だったとのこと。
ちなみに、このときの割引率は、在庫数、需要度により、最大4割5分引、最小1割7分引で、東西「朝日」「大阪毎日」「東京日日」に全面広告を打ったり、解説付目録3万部を配布したり、宣伝にも力を入れたそうです。