全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ「2014年本屋大賞」の候補10作品が決まった。いとうせいこうさん(52)が16年ぶりに書いた小説で、第35回野間文芸新人賞を受賞した『想像ラジオ』や、万城目(まきめ)学さん(37)の第150回直木賞候補作『とっぴんぱらりの風太郎(ぷうたろう)』など、純文学からエンターテインメントまで多彩な顔ぶれがそろった。本屋大賞の選考は年に1回行われ、今年が11回目。候補作は平成24年12月1日~25年11月30日の間に刊行された日本の小説を対象に、全国479書店の605人による投票で選ばれた。今後、全ノミネート作品を読んだ書店員が1人3作品に順位をつける2次投票が行われ、4月8日に大賞が発表される。ほかの候補のうち、『さようなら、オレンジ』は豪州在住の岩城けいさん(42)のデビュー作で第150回芥川賞候補にも選ばれている。警察学校を舞台にしたミステリー『教場』は、昨年の週刊文春ミステリーベスト10の国内編で1位に選ばれるなど話題を呼んでいる。