蕎麦屋の系図 (光文社知恵の森文庫)
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岩崎 信也
光文社 (2011-07-12)
売り上げランキング: 181611
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光文社知恵の森文庫の新刊「蕎麦屋の系図」(岩崎信也)は、藪、更科、砂場、東家、一茶庵などおなじみの老舗蕎麦屋がどのように興り拡がっていったか、その歴史を江戸時代から現代まで辿ってみたもの。岩崎氏は、蕎麦研究家、ノンフィクションライターで、ほかに「蕎麦と生きる 一茶庵 友蕎子 片倉康雄伝」、「江戸っ子はなぜ蕎麦なのか?」、「食べもの屋の昭和 伝えたい味と記憶」などを著している。
蕎麦は江戸を代表する粋な食べ物であり、その伝統は江戸前のうなぎや握り鮨握、天ぷらよりもはるかに長く、幕末頃、江戸の蕎麦屋は4000軒近くあったとのこと。その中で生き延びてきたこれらの老舗も、放蕩三昧の主人や相場の失敗などで、一時は潰れかかったところもあり、時代時代のエピソードがなかなか面白い。2003年に出版された光文社新書の文庫化だが、蕎麦好きで未読の方にはお薦め。