岩波文庫の新刊が書店に並んでいた。今月は面白そうなものが多く,どれからいこうかと暫し迷ったのだが,少々疲れ気味なので,取っつきやすそうな「コンラッド短篇集」(中島賢二訳)から読み始めることにした。
収録されているのは,「エイミー・フォスター」,「ガスパール・ルイス」,「無政府主義者」,「密告者」,「伯爵」,「武人の魂」の6篇。人種差別問題や植民地支配など,コンラッドを読み解く鍵はいくつかあるようだが,従来からの私の印象は,コンラッド=エンターテイメント作家である。実際,どの作品も気を逸らせず,面白い。
ちなみに,斎藤一氏によると,「闇の奥」(1940年中野好夫が翻訳)とジイドの「コンゴ紀行」(これも岩波文庫にあり)は,いずれも西欧人自身による西欧植民地主義批判文書として当時大変歓迎されたとのこと。
岩波文庫【赤248】コンラッドとしては,
1 闇の奥
2 密偵
3 青春
4 西欧人の眼に(上)
5 西欧人の眼に(下)
6 短篇集
ほかに,戦前刊行の「颱風」がある。
日本は外国人に平等な待遇してますが?
Foreign Policy誌によると89%の日本人は外国人よりも日本人を優先的に雇用するべきだと思ってますって
連関情報:
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