「ツァイス紀行」(田中長徳)

ツァイス紀行昨日は電車の中で「ラ・ボエーム」を聴いていたのですが,移動中にオペラをいろいろ選びながら聴くことができるというのは,大容量ipodならではの新しい楽しみですね。このカラヤン盤,私が30数年前,中学生の時に初めてお小遣いで買った思い出のLPなんです。当時は,丁寧に埃を払い,息を詰めて慎重にターンテーブルにのせ,見事なアンサンブルに感激したわけですが,それがこんなにお手軽になってしまうと,なにかありがたみも薄れてしまいそうです。もちろん,今聴いても素晴らしい演奏であることは確かなのですが。
これまでいろいろと写真の本を出していたエイ文庫ですが,今回初めて田中長徳氏の作品が加わりました(アクティブ新書の二の舞にはならないでしょうね・・・)。
「ツァイス紀行」。ライカと最新のツァイス(レンズですね)を持って,いまのニューヨークの街角を撮りまくったもの。ニューヨークを巡る思い出話と写真は,チョートク氏ファンにはお馴染みのスタイル。それでもさすがにテロで失われたものを目の当たりにして,感傷的なところも。
盛りだくさんの写真も美しく,それぞれに簡単な解説も加えられています。お薦め。