元明詩概説(吉川幸次郎)

元明詩概説昨日は地元高校ブラスバンドの定期演奏会に行ってきました。有料にもかかわらず,市民会館が満席になるほどで,なかなかの人気。学芸会みたいなパフォーマンスも含め,一生懸命演奏しているところにとても好感が持てました。
岩波文庫の方は,新刊「元明詩概説」(吉川幸次郎)。 『唐詩概説,宋詩概説にひきつづき,これで唐から明までおよそ1000年に及ぶ漢詩の歴史を,岩波文庫で概観できるようになりました。』ということで,本書は吉川先生がとくに感銘を受けたという金の元好問を中心に,貴族から市民の手に移りつつある漢詩の流れをわかりやすく解説しています。
ちなみに旧仮名遣い反対者であった吉川先生,岩波文庫について,『「岩波文庫」は「古今東西の典籍」というのを標語とし,事実またある程度そうなのですが,それが往往にして品切れであるのは,私のように貧乏で,高い本を買えないため,安い文庫本で間に合わせようと思う人間には,大へん不便です。現にこのアウグスチヌスの「告白」3冊,それから,それに関する書物2冊,それらがみな絶版なのは,事情があるんだそうであります。なんでも旧かなづかいであるので,それを新かなづかいになおしたいというふうな事情があるんだそうでありますが,とにかく品切れは大へん不便です。私はやむを得ず友人から借りましたが,なかなか全部そろいません。』などと語っています。痛し痒しといったところで・・・・。