最近では,プラモデルといえば,ガンダムや萌え系のフィギュアを思い浮かべるますが,私の子供の頃(昭和40年代)は,戦車や戦艦,飛行機,自動車,それからなんと言っても「サンダーバード」1号,2号・・・(ジェットモグラがお気に入り。秘密基地も欲しかったな)などなど,乗り物系がメインでした。
文春文庫の新刊「日本プラモデル興亡史-子供たちの昭和史」(井田 博)は,模型屋の主人として業界に精通し,のちに日本初のプラモデル専門誌「モデルアート」を創刊した1920年生まれの著者が,日本のプラモデル史を私情を大いに交えて語ったもの。
世代的には私より一世代前になりますが,Uコンやスロットルレーシングなど,懐かしい話題も多く,ファンやメーカーの視点でのプラモデル本が多い中,売り手としてプラモデル普及に尽力してきた著者の体験はとても興味深く読みました。最近は起業ばやりですが,この当時は起業家だらけですね。
国産プラモデルの発売からもうすぐ50年。かつて群雄割拠したメーカーや玩具問屋,小売店の移り変わりについてはとくに詳しく書かれており,コレクターにとっても貴重な資料になっているようです。
※元本は2003年文藝春秋刊。