Lapitaの3月号は「書斎創りを愉しむ」特集だというので,さっそく読んでみたが,書斎をインテリアスタイルとして捉え,「書斎の風格を上げるハイブランドのステーショナリーの紹介」ときては,カビくさい書庫に閉じこもっている小生は,あぁそうですかとしか言いようがなく,一緒に載っている「もう一度オーディオ!」や「バレンタインは”チョコ+万年筆”で」の方が楽しかった次第。
岩波文庫は,フォークナーの新刊「響きと怒り」を読んでいるところ。本書には巻末に詳細な場面転換表が付いていて,錯綜する時間の流れを巧く整理してくれている。最初はそれを眺めながらポツポツと読んでいたのだが,次第に物語の勢いに流されるように,一気に読み進んでしまうこととなった。前衛的で難解といわれているが,フォークナー自身が一番愛したこの作品,とにかく刺激的で面白い。ただし,原文ではイタリックで書かれているという場面転換部がゴチック体なのは,少々目に付きすぎて読みづらいのが残念。