岩波文庫の新刊「フランク・オコナー短篇集」を読む。
オコナーは、アイルランドの作家(1903-66)。短篇小説の名手として知られており、2006年には村上春樹が優れた短篇小説作家に与えられるフランク・オコナー国際短編賞を受賞した。たしかに、村上春樹好きなら、本短篇集も楽しめると思うが、アイルランドの社会、家族をテーマにした作品が多いので、私のようにアイルランドの歴史に疎いと,物語の背景がわかりにくいところもあった。それでも、派手さのない、ちょっとぶっきら棒な語り口ながら、自然に物語りに引き込まれることには、違いないのだが。
本書のうち「国賓」は、岩波文庫「アイルランド短篇選」(橋本槇矩訳)にも納められている。