新文化紙によると、絶版の古本文庫を書店に卸している「ふるほん文庫やさん」は2月から、1280円や880円、480円など従来の値付けを廃止し、プレミアムのつく文庫もすべて280円に統一する(カバーなしはその半額)。現在“280円展開”は9店舗で実施、近く60店での稼働を目指す、とのこと。
値付けを変更した理由について、「都市部では従来の価格でも売れるが、地方での売行きは鈍っている。希少本を安値で売るのは断腸の思いだが、日本一安い絶版・品切れ文庫を提供して対抗していく」。2月から価格切り替えと同時に、書店への送品セットをこれまでの1万冊規模から1500冊に縮小。中小・零細書店でもワゴンで販売できるようにするのが狙い。書店マージンは40%で、商品の運送費は同社が負担する。
現在、280円で販売しているのは東京堂書店(東京)、岩下書店(栃木)、文真堂書店長岡店(新潟)、本の店英進堂(同)、アシーネの4店舗。岩下書店では2月2~5日の4日間で100冊、東京堂書店でも2月1~4日の4日間で98冊を販売した。
谷口会長は「今まで、書店で古本文庫を販売する際、新聞やテレビなどマスコミ報道があったが、今回はまったくそれがない。やはり280円という価格帯が“宣伝”になっている」と売れた要因を話す。