「デューラー 自伝と書簡」を読む。
岩波文庫のデューラーは、「ネーデルランド旅日記」に続いて2点目。15~6世紀ドイツの画家デューラーの遺文集。デューラーの父が記録した子供たちの出生記録から始まり、自伝的資料、パトロン兼友人へのヴェネツィアからの旅便り,絵の注文主への書簡、皇帝マクシミリアンとの年金支給問題に関する書簡などが収められている。
「旅日記」もそうだったが、デューラーはお金に非常に細かく、ずいぶんお下品な言葉遣いをしていることもあるので、所々に挟み込まれた見事な作品と比べてみると、そのギャップににやりとしてしまうこともある。しかし、その創作に対する真摯な取り組みや自らの作品へのこだわりは徹底しており、注文主とのやりとりにそれが見て取れる。