中学生・高校生 夏休みにお薦めの本

二十歳の原点ノート [新装版] 十四歳から十七歳の日記
「中学生・高校生 夏休みにお薦めの本」
さて,中学生,高校生は夏休みの読むべき本というのを,あちこちから推薦され,結局,銀河鉄道の夜あたりで読書感想文を書いて・・・というのが昔からのパターン。そこで,同世代の子供を持つ親として,自分だったらこんな本を読ませたいという,独断によるお薦め本を3点選んでみました。
○太宰治「人間失格」(新潮文庫ほか):生誕百年を迎えて,各社より新装版文庫が出ています。私は,中学生の頃一読して,主人公の若い頃は自分そのものだ,と感じました。主人公は相当変わった人,ひねくれた人・・・で描かれているわけですが,私には彼の気持ちがわかる,と読者は思わされるのですね。大人になったときにもう一度読むためにも,いま読んでおきたい本。
○高野悦子「二十歳の原点ノート」「二十歳の原点序章」「二十歳の原点」(新潮文庫ほか):ノートと序章は最近カンゼンより新装版が出版されました。当時の社会情勢を知らない読者のために注を追加し,日記らしく横組みになっています。高野さんが二十歳で亡くなって,ちょうど40年。いやいや,よく出してくれました。自筆原稿の復刻はないのかしら。
○田中康夫「なんとなく,クリスタル」(新潮文庫):1980年,私の学生時代に出版され,さまざまな論議を呼んだ本。当時の若者がみな,ここに描かれているとおりの生活を送っていたわけではないが,私の学生時代はこんなだったんだよといって,子供をビビらせてみたい。
なにか読ませたい本というより,単なる懐古趣味かも。