「30年後も永久永遠の時刻表2万キロ」(達靖志,市田印刷出版)。
以前,どこかの書店で見かけて,あとで買おうと思っているうちに,そのままになってしまっていたが,ようやく出先の書店で見つけたので,さっそく読んでみた。
本書は,鉄道ファンである著者が,宮脇俊三の「時刻表2万キロ」と同じ行程を,30年後の同じ日に辿った旅の記録。もちろん,当時とは鉄道の事情が大きく異なっているので,「できるかぎり同じ」という条件付きだが,かつて「時刻表2万キロ」を愛読し,各地を旅した私にとっては,いろいろと懐かしい景色が甦ってきた。
本文のほか,後ろから読むようになっている「時刻表2万キロ」当時と現在の時刻表や路線を記した旅行行程表や「時刻表2万キロ」に係わるクイズなどの付録付き。
まあ,名文の誉れ高い「時刻表2万キロ」と比べて,紀行文としてどうか・・・などとかたいことは言わずに,著者の奮闘努力を楽しみたい。ただし本書,印刷文字が小さく,「時刻表2万キロ」世代には少々辛いのが残念。