今月,岩波文庫「明六雑誌」の下巻が出た。上巻が1999年,中巻が2008年刊行だから,10年がかりでようやく完結。本文のあとに詳しい解説と索引がつけられている。
この雑誌を発行した明六社は,当時の知識人を集めて,親交と学識を深めつつ,民衆を啓蒙するために設立された団体。森有礼,西村茂樹,津田真道,福澤諭吉などが参加し,定例演説会を行った。明六雑誌(めいろくざっし)は,明治7年から9年まで全43号が発行され,日本で最初の学術雑誌といわれており,文明開化時期の日本に大きな影響を与えた。
この大部の書を読み通すのは大変で,私自身は関心のある項目を拾い読みしただけだが,とりあえず未完本の一つが消えた。
★岩波文庫の未完結本(創刊80周年版)