フォレスト出版より,2545新書が創刊された。宣伝文句は,『読書とは,読者が「お金」と「時間」を投資する行為です。だから,私たちは【1】すぐに使える・役に立つ【2】面白い・読みやすい【3】未来の日本を創る25~45歳世代に向けて,をコンセプトに,2545新書を創刊しました。「お金」と「時間」を投資した以上の価値を約束いたします。もちろん,編集部は25~35歳。さらに,2545新書では「投資効率」を上げるために,すべての書籍に<無料プレゼント>を付けます!・・・今すぐ書店で「ピンクの新書」を探してください』
2545の名の通り,25歳から45歳を対象としたピンク色の新書。なにやら怪しい雰囲気がむんむんしてきたが,『なぜ今までの新書が役に立たなかったのか?』とたたみかけてくる。
『どうして、私たちがピンクの新書を創刊したかをお話しさせていただきます。私たちは、いままで,「読んだそのときから使える!役立つ!」本を作ってきました。・・・私たちがやるからには,「読んだそのときから使える!役立つ!」新書をコンセプトに創刊しました。読書は,「お金」と「時間」を投資する行為です。ですから,最大のリターンを読者に提供するためにできることだけを考えました。たとえば,900円と読書時間2時間を投資した場合,「仕事」や「プライベート」で今すぐ役立つノウハウを提供するだけでなく,「読者特典」でオーディオブックをプレゼントすることで確実に投資額を回収できるように心がけました。・・・今までの新書のように,大学教授が書いた知識を得るだけのものではありません。ぜひ、ピンクの<2545新書>をあなたの「人生」に役立ててください!』
結局,従来のビジネス新書に比べて,何が新機軸なのかはわからないのだが,意気込みはたいしたものだ。ただし,少々力みすぎたのか,同社は9月に証券取引等監視委員会から勧告を受けている。
フォレスト出版株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
1.勧告の内容
関東財務局長がフォレスト出版株式会社を検査した結果、金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたので、行政処分を行うよう勧告した。
2.事実関係
○ 著しく事実に相違する表示のある広告を行う行為
フォレスト出版株式会社は、投資助言業の顧客獲得を目的とし、次のような内容の広告を行った。
(1) 当社は、当社社員をモデルとした投資家A氏という架空の人物を創作し、平成20年2月8日及び同月15日、当社の配信している無料メールマガジンに、「『ミスター・ストップ高』と異名をとった投資家A氏。A氏が推奨した新興株は、7割がストップ高をマーク。」などと記載し、多数の者に配信した。(2) 平成20年4月1日から同21年4月8日までの間、当社ホームページに「ストップ高率7割を誇る株式情報をご提供します。」と表示した。しかしながら、当社が本件広告を行う以前の助言実績を検証したところ、買付助言を行った銘柄でストップ高となったものの割合は、7割を大きく下回っており、当社は、投資助言業務の実績に関する事項について、著しく事実に相違する表示を行っていた。