1980年6月に創刊された河出文庫が創刊30周年を向かえる。30周年に掲げたキャッチフレーズは,「読み継げば,どこへだって行ける」。『知的好奇心に満ちた電車に乗り,ジャンルを超えてどこまでも旅を続けられる―そんな文庫を目指します。皆さんもぜひ河出文庫という切符を手に,新しい旅に出かけてみてください』。
30年前のことが,すぐこのあいだのような気がするのは歳のせいだろうが,創刊のときのことはよく覚えていて,宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」など,何冊かは創刊時の帯付きで,いまだに本棚にある。
本文庫で親しまれた澁澤龍彦コレクションやマルキ・ド・サド選集などは,残念ながら現在品切れになっているタイトルも多いので,これを機会にぜひ順次復刊して欲しいところだ。