スピンと栞

最近は栞ひも(スピン)の付いている文庫本を見なくなった。大手で残っているのは新潮文庫くらいなもの。
車中読書がもっぱらの読書人にとって,あの栞ひもは大変便利なものだったが,コスト低減の大号令のもと,あっさりと廃止されてしまった。

で,代わりに挟まっている紙の栞。これが読んでいると邪魔でしょうがない。長年の通勤読書生活の結果,
ようやく取得した完璧な片手ページめくりのワザを台無しにしてくれた。栞1枚のおかげで本が曲げにくく,
用のないページばかり開いてしまうし,邪魔なので表紙裏に挟んでおくと必ず落ちる。同じように思っている人は多いらしく,
手芸屋で長尺のひもを買ってきて,自分でいちいち付けている,という話を聞いたこともある。

栞のデザインは,自社製作映画や雑誌の宣伝,最近では結婚情報産業ものと中身はいろいろだが,
結局単なる短冊型パンフレットと化してしまった。栞以外に折り込みの広告が入っていることも多いが,扶桑社ミステリーのように,
栞と折り込み広告が一体化し,切取線が付いているものもある。

ついでにいえば,雑誌などを買うと袋に一緒に入ってくるチラシも,圧倒的に結婚情報産業のものが多いのはなぜか。以前は,
小生が独り者に見えるのか?と思っていたが,所帯じみた子持ち男になった今も,相変わらず入ってくるので,
これは人を見ているわけではないことがわかった(当たり前か….でも大変な無駄ですな)。

そんな中で多少役に立っているのは,「広辞苑」から選んだ面白い言葉を,「言葉の道草」「言葉の寄り道」などと題し
(全部同じシリーズかと思っていたら,違っていました),雑学メモ的に栞に載せている岩波文庫くらい。もっとも,
一冊ごとに栞の内容が違うわけではないので,この栞を連番で全部集めるというのもなかなか難しくてよいかも^^;;。