1999年7月

7月28~31日

人間ドックへ行ってきました。レントゲン写真やらなにやらいろいろ見せられましたが,食道も胃も腸も非常に綺麗である,とのことで,
安心しました。まあ,もともとストレス知らずの身ではありますけど….。それでも,結構検査疲れして,土曜日はグタっとしていました。
先日亡くなられた江藤淳氏について,“BOOK
chase!”
に藤光 伸氏や田原 晋氏が詳しいコメントを寄せていました。

 

7月27日

ウクレレ界の大御所・牧伸二師匠は,なぜウクレレなのか?と問われて,「ギターでもやったことあるけど,世相風刺の漫談をやると,
暗くなっちゃうんだよね」てなことを言っていました。そう,いつでもどこでも気軽にポロポロやれるウクレレは,
気分を和ませる効果があるのですね。常に真剣味のない私にぴったり^^;;。

RUKAさんから,リンクを張っていただいたとの連絡が。
ありがとうございました。それから,「ふるほん文庫やさん」のページが移転しました

 

7月26日

江戸末期,福井の歌人「橘曙覧全歌集」(岩波文庫新刊)を読みました。身近なことに人生の楽しみを得る達人・橘曙覧。
「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」,「たのしみはそぞろ読みゆく書のなかに我とひとしき人を見し時」
….クリントン大統領も絶賛!清廉に徹した橘曙覧….なんていう惹句を見たことがあるけれど,晦渋なところのない率直な歌は,
なかなか素敵です。

 

7月24~25日

昨夜は江ノ島の花火大会。我が家の周辺も車は大渋滞,海岸は人で埋まり,賑やかでした。最近は,通勤電車も若干空いているので,
どうにか電車読書をするスペースを確保できるようになりました(普段は手の上げ下げもできないほど混んでいることが多いのです)。そんな中,
岩波文庫新刊「平家物語」(1)を読みましたが,詳しい註つきで,結構「読んだ気」^^;;にさせてくれました。平家物語に関しては,

「平家物語館」
を。

「20世紀アメリカ短篇選」は後半盛り返し,フィリップ・ロスなど面白く読みました。

 

7月23日

我が家の近くの書店は小さな店ですが,岩波文庫はちゃんと揃っていて重宝しています。そこでは,カバーをかけてくれるときに,
ハサミを使って非常にいい仕事をしてくれ,なおかつ,そのカバーには,あらかじめ栞ひもが接着されていて,電車読書中,
落ちやすい挟み込みの栞を使わなくて済むので,たいへん便利。まあ,いつ行ってもお客が少ないので,暇なのかも知れませんが….。

「20世紀アメリカ短篇選」(下)を読んでいます。今回は,ナボコフ,サリンジャー,フィリップ・ロスなど,
戦後の作品を収めているのですが,ちょっと私にとってはノリの悪い訳で,苦労しています。ヴァラエティーに富んだ選集なので,
もう少し頑張ってみるつもり。

 

7月22日

グレーヴズの「さらば古きものよ」(下)は,英国の詩人による自伝ならびにドイツ戦線従軍記ですが,同時代の高名な作家,詩人,
政治家ら(ウェルズやラッセルなど)の戦争に対する態度や,卑近なゴシップなどについても,いろいろと書き連ねていて,
こちらも興味深いところ。グレーヴス自身,なかなか波乱に富んだ生涯を送った人ですが,死屍累々たる戦場をリアルに描きながらも,
悲惨さより,ある種の余裕を感じさせる不思議な本です。

 

7月20~21日

きのう,八景島シーパラダイスで夜遅くまで目一杯遊んでいたため,今朝は月曜日のような気がして,駅の売店で「週刊アスキー」
を見かけたときも,あれ,なんで新しいのが並んでいるんだろう?としばしボーッとしていました^^;;。そんなわけで,グレーヴズの
「さらば古きものよ」(下)を読んでいるのですが,なかなか捗っていません。

 

7月19日

ディズニーの「リトル・マーメイド」すなわち人魚姫は,あのすてきな音楽で大人でも楽しめるアニメとなっていますが,岩波文庫の
「アンデルセン童話集」について,訳者の大畑末吉氏がこんなことを言っています。『戦時中発行した「アンデルセン童話集」の標題が,
第8冊から「お話と物語集」になったのは,当時「アンデルセン童話集」には,童話たるにふさわしくないものがあるという,
ある方面からの意見があったのを機会に,デンマーク語の原標題通りにしたのであります。』それにもかかわらず,岩波文庫は戦後ふたたび
「童話集」に復帰し,一般にもそれで通じているという事実は,『アンデルセンのお話や物語はみな童話なのです。「絵のない絵本」はもとより
「即興詩人」ですら,ある意味では童話と言えないこともないように思えます。….彼の生涯そのものがそうだったのです。かれは「自伝」
でこう言っています。「私の生涯は波乱に富んだ幸福な一生であった。それはさながら一篇の美しいお伽噺である」。アンデルセンは,
一生涯若々しい童心を失わなかった人です。この童心こそ「子供にはわからない,子供には向かない」はずの話を,童話に純化するものです。
童心を失った大人が頭の中で作り上げた「教育的童話」くらい,幼い心をゆがめるものはないでしょう。』

 

7月15~18日

金曜日は休暇をとり,久しぶりに東京ディズニーランドへ行ってきましたが,比較的空いていて,あちこち乗り回ることができました。
夜はそのまま東京に泊まり,土曜日のお昼頃に帰宅。最近は,夜まで遊んでしまうと,(電車で1時間ほどなのですが)
帰る気力がないのですね^^;;。

種村季弘は,大磯に住んでいたことがあったそうで,「書国探検記」に隣町,平塚の古書店の思い出を記しています。万葉堂
(駅北口とあるが,実際は南口)と北口の小さな古本屋。ここで俳文,幕末資料などを見つけたといいます。この北口の古本屋は,
いまでも営業している「あの店」のことだと思うのですが,そこは今では文庫や雑誌がほとんどのごく普通の古本屋になっています。

 

7月14日

新潮社では来春,現在絶版となっている作品ばかりを選んだ『新潮文庫絶版100』
を,CDROM版にて発売する予定。新潮文庫はこれまで6000タイトルを刊行しましたが,
現在残っているのは約2700タイトルほどで,半分以上が絶版。このCDROMには,徳永 直『太陽のない街』,織田作之助『夫婦善哉』,
横光利一『旅愁』,田村泰次郎『肉体の門』,ソルジェニーツィン『収容所群島』,D.H.ロレンス『恋する女たち』,フロイト
『フロイト自伝』などが含まれています。

CDROMだと1枚に100冊,5000冊でも50枚か….。確かに省スペースにはなるでしょうね。私自身は,
ハードに頼ったメディアはコレクションの対象として,どうも情熱が湧かないのです。岩波文庫5000冊を収めたCDROM全集が出たら,
みなさんは買いますか?

 

7月13日

ずっと雨が降り続いています。梅雨明けが待ち遠しいですね。科学技術振興事業団から,
日英翻訳ソフトが届いたのでさっそく試してみると….これは元の日本語を相当選ぶソフトですな^^;;。あらかじめ,
直訳調の日本文を作る努力が必要なようです。まあ,論文抄録を訳したりする専用ソフトということなんでしょうが。最近,
論文のデータベース化に関する研究会も盛んで,あちこちから問い合わせやら,お誘いがきています。

 

7月12日


「2000年版全国古本屋地図」
発売中。最近,買っていなかったのですが,ずっと前は,
ビニールカバーで横長のスタイルだったですよね。今回から古書店のホームページURLも掲載されているというのがポイントです。
いずれCDROM化されるかも。

 

7月8~11日

さて週末はいろいろバタバタと動き回っていました。
まず金曜日の夜は,御茶ノ水のアキオ楽器へ。ウクレレの弦2セットを3千円ほどで購入。アキオ楽器は,
文庫本でいう山陽堂や川村みたいなもので^^;;,その道では有名な店。最近,真面目に練習しているから,弦の消耗が激しいのです。

ついで土曜日。子供と二人で,東海道線の辻堂から大船。モノレールに乗り継ぎ,江ノ島へ。江ノ島は,我が家から歩いてでも行けるのですが,
モノレールに乗りたい!という強いご希望で^^ぐるっと一回り。イルカやアシカのショーを見たり,ハンバーガーを食べたり,
海岸をぶらぶらと。よく日焼けしました。夕刻,小田急で藤沢へ戻って,新しくできた楽器店に行くと,
楽器にはめぼしいものがありませんでしたが,ケースでかなり気に入ったものを発見。眠った子供を抱えていなければ,
衝動買いしていたところ….。
日曜日,古いウクレレの弦もついでに張り替えてやろうとギリギリ締め上げていたところ,ネックの根本からボディに水平の裂け目ができ,
思い出深き1960年代ヴィンテージ^^;;Famousがついに崩壊。ショック。ま,これを口実にマーティンでも買うか(無理無理)。
その後,小雨が降っていたので,横浜のマイカル本牧へ。いま,我が家の庭のデザインを考えているので,参考のためアメリカ村
(外国人居住住宅街?)をうろうろ。あまりにデカイ家が多くて,参考にならなかったかもしれません。
そんなわけで,本を読む時間がありませんでした。すいません。

 

7月7日

ケイプラント・田中克幸さんからの手紙….「スタッフの知育を奨励し、クリエイティブチームとしての発展をも期すため、この度、
果敢かつ無謀にも、ケイプラント文庫‐300を設定します。知性と感性と創造力を磨く日常的な訓練として、やはり読書は最善の方法です。」

その選択基準としては,「・・・特に、一般的かつ学術的かつ歴史的かつ芸術的に評価が高く重要な名著名作を、
読破読解の可能性に配慮し厳選」とのこと。志は同じつもりなのですが,読破可能性という点で,私の場合は問題が多そうです^^。

 

7月6日

明日から七夕祭りということで,平塚は大賑わいになるのでしょう。昨年までは,人混みをかき分けて帰宅していたのですが,
今年は観光客の立場^^;;。平塚に観光で行かれる皆様,新本なら駅ビル内「サクラ書店」,古書なら平塚駅西口近くの「萬葉堂」
がお薦めであります。

 

7月5日

いよいよ「平家物語」(全4冊)が刊行されます。平家物語が最初に2巻本の岩波文庫として出たのは1929年。
1939年に改版されたのが最後ですから,60年ぶりの新版登場(新日本古典文学大系の文庫化)となります。今月は,
30冊の一括重版もあり,近代笑話集(全3冊),醒睡笑などの面白本の他,大陸移動説を唱えたウェーゲナー「大陸と海洋の起源」
や中華グルメ本「随園食単」,ギリシャ・グルメ本「食卓の賢人たち」など,夏休みの読書向きの読みやすいタイトルがたくさんあるようです。

 

7月1~4日

あいにくの梅雨空ではありましたが,飛騨高山方面の旅行から戻ってきました。高山に行ったら,由緒ある古書店などあるのではないか,
と思っていたのですが,事前の調査不足か,見つけることができませんでした。

メールマガジン「読書猿」より,久しぶりに配信がありました。カンパネッラ「太陽の都」(岩波文庫)や,五木寛之「大河の一滴」
(幻冬舎)などが取り上げられています。興味のある方は,ここまで

ブックレビュー
が新装開店したというので見に行きました。メールサービスもやっていて,「BOOKREVIEWが厳選した本の書評を、
毎週火曜日と金曜日に無料でお届けするメールマガジンです。読書好きの方に役立つ書籍情報等も満載。どなたでも無料でお申込み頂けますので、
ぜひあなたの読書ライフにご活用下さい」とのこと。