東京は珍しく本格的な雪で,我が家でも子供が小さい雪だるまをいくつか作っていました。そんな中,岩波文庫の新刊「新編 春の海―宮城道雄随筆集」を読んでほのぼのとした気分に。「水の変態」や「春の海」などの箏曲で知られる宮城道雄氏は,西洋音楽にも造詣が深く,その要素を邦楽に導入することによって,新しい日本音楽の形をつくり,現代邦楽の基礎を築きました。琴の大家,というイメージとは別に,本書には冗談好きで賑やかなところが好きだったという著者の人柄がよく現れていて,楽しく読むことができました。戦前の林 芙美子との対談もおさめられています。