岩波文庫の新刊本を買う
書店に行くと,岩波文庫が少ないなぁ(あるいは全然ないなぁ)という感じがします。かつては,岩波文庫を置かないと書店として格好がつかない,という雰囲気もあったようですが,角川書店などの攻勢による文庫戦争,書店の棚の奪い合いが激しくなったころから,月に4冊をほそぼそと出し,買い取り制なのになかなか売れない岩波文庫は,次第に書店での居場所を失ってきました。
そこで,欲しい岩波文庫を確実に手に入れるには,近くの書店で注文するか,岩波書店やAmazonなどのインターネット書店で注文するかのどちらかになってしまいました。
現在販売されている岩波文庫のタイトルと内容は,岩波書店Webサイトの解説目録で知ることが出来ます。新刊の注文であれば,Amazonで検索してみてもよいでしょう。
→岩波文庫解説目録
岩波文庫の絶版本を買う
ある本が岩波文庫から出ていることわかって検索しても,「現在お取り扱いできません」となることも多いでしょう。昭和2年から80年以上刊行されてきた岩波文庫には,すでに絶版になったものがたくさんあります(もっとも岩波文庫は「不断に流通する」ことが建前ですから,岩波書店では絶版とは言わずあくまで品切れ中と言っています)。
どのような本が絶版になっているのか,かつては古い在庫目録などをもとに,自分で地道にリストを作る必要がありましたが,最近は創刊以来の書目を掲載した解説総目録が出ているため,簡単に知ることが出来るようになりました。普通はタダでもらえる目録を何でお金出して・・・と思うかもしれませんが,岩波文庫の歴史など資料も充実しているので,岩波文庫に関心のある方なら買って損はありません。
さて,欲しい岩波文庫があって,それが絶版になっているとわかったら,どこで探せばいいでしょうか? AmazonのマーケットプレイスやYahooのオークションで見つかればいいのですが,岩波文庫はあまり点数が出ていません。やはり古書店を探す必要があるということで,古書店のデータベース「日本の古本屋」などを検索してみます。
それとは別に,東京近郊の方であれば,神保町に岩波文庫の絶版本を多く扱っている書店があります。たとえば,有名な文庫川村。ここは岩波文庫だけでなく,古い文庫全般を扱っています。岩波新書の絶版も充実。ほかに岩波文庫絶版専門だった山陽堂支店もありましたが,先年閉店してしまいました。そのほか,神田の古書店ではたいてい岩波文庫がありますし,各地の古書店でも扱っているところが多いでしょう。ただし,神田の古書店は岩波文庫の絶版には敏感なので,価格的に掘り出し物はあまり出ないようです。
どちらにしても,岩波文庫は新刊から絶版品切れへの期間が短いので,文字通りの出たとこ勝負となっています。気になる本が出たら,とにかく買っておく,ということが,のちのち後悔しないコツかと・・・。
(1997年10月8日記事を改訂しました)