7月28~31日
陶芸教室へ行って壷だか茶碗だかわからないものを作ったり,プールへ行って日焼けのだめ押しをしてきたりと,
相変わらず忙しい夏休みを過ごしています。角川文庫の「鳥頭紀行 くりくり編」を購入し読んでいましたが,
やっぱり家の本棚に元本がありました。最近は,文庫化されたときに,こっちの方が読みやすくていいや!ということで,
以前確か単行本で買ったなぁと思う本でも,積極的に買うようにしています(いや,単に忘れっぽくなっただけ・・・)。本書の内容は,
ミャンマーでの出家体験,ドイツ・ロマンティック街道での結婚式と新婚ツアー(もう別れてしまいましたが),そのほかホモ関係の話題など。
文庫本で縮小されたため,文字は極めて読みにくいですが,視力に自信のある方にはお薦め。
7月27日
岩波文庫の新刊「嬉遊笑覧 三」を読む。本書は江戸時代の百科事典。前巻からは半年,その前は2年越しだったから,
先の内容を忘れてしまいますな。本巻では,宴会,歌舞,楽曲,児戯,行遊,祭会といった夏休みにふさわしい内容を集めている。
著者自筆本を底本とし,一見古めかしく見えるが,私のような古典音痴でも意外に読みやすく,江戸の蘊蓄話を楽しめる。ただし,
索引は最終巻にしか無いようなので,今のところ事典としては役立たない。
7月26日
岩波文庫の新刊「井伏鱒二全詩集」を読む。全詩集といっても,薄い文庫本にすべて収まってしまうくらいであるから,
詩に関しては決して多作ではない。のんびりとした感で,ニヤリとさせる作品も多いが,戦争の影もまた濃い。
井伏が亡き父のノートで見つけたとして発表した訳詩(以前は井伏自身の作とも言われていた)や自分自身の手による訳詩も多数含まれており,
これらは調子のよさを主眼としたユニークなものばかり。なかでも有名なのは,唐の「勧酒」の訳
「ハナニアラシノタトエモアルゾ サヨナラダケガ人生ダ」。
7月22~25日
天体観測会に行ってきました。夏の星座を見てみよう,という主旨ですが,当地のように街灯りで空がなかなか暗くならないところでは,
残念ながら我が星座(蠍座)も今ひとつ輝いていません。グリーンアロー出版「ロシアカメラがむせぶ夜は-
チョートクの赤色カメラ中毒者の作り方」(田中長徳)を読みました。冷戦時代のイメージから,西側カメラの質の悪いコピーじゃないか,
と捉えがちですが,ユニークで独自の主張を持った魅力あるカメラもたくさん紹介されています。カタログ本ではなく,
長徳氏の若き日の想い出を中心にロシアカメラへの思い入れを語ったもの。
7月21日
続けて,新潮社「針がとぶ Goodbye Porkpie Hat」(吉田篤弘)を読む。岩波文庫でもお馴染み,精興社の印刷で,
さすがに綺麗な本だが,全体としてゆったりした流れでそれぞれの物語がまとめられているので,せっかちな人だと途中で息が続かなくなるかも。
最後までいくと,ようやく流れが読めるのだが。
7月20日
筑摩書房「つむじ風食堂の夜」(吉田篤弘)を読む。著者は,吉田浩美氏とともにクラフト・
エヴィング商會名義で著作や装幀の仕事をしている。シンプルで懐かしい感じのする装幀ゆえ,書棚での認識度は高い。
物語はゆっくりした口調で語られた大人の夢物語なので,一読してインパクトに欠け,売れるかは??? でも,固定ファンがいるのでしょうね。
猛暑の中,冷房の効いた帰宅の車内で読むと,暑苦しさをしばし忘れて,ほのぼの。
7月16~19日
3連休。日本海側は洪水で大変だというのに,こちらは連日の猛暑。図書館に行ってきたのですが,読書というより避暑?の人たちで満員。
そんななか,「じつは,わたくしこういうものです」(クラフト・エヴィング商會)を読む。ユニークな職業の人たちが,
自分の仕事の内容を紹介するというもので,そのもっともらしい語り口が,こんな仕事があったらいいな,という気分にさせてくれる楽しい本。
偽?ポートレートや関係する小物も創られていて,芸が細かいのは,いつも通り。ちなみに取り上げられている職業は,月光密売人,果実勘定士
(鑑定士ではない),哲学的白紙商,白シャツ工房,二代目アイロン・マスター,秒針音楽師,三色巻紙配達人,時間管理人,チョッキ食堂,
沈黙先生,選択士,地歴測量士,バリトン・カフェ,冷水塔守,ひらめきランプ交換人,コルク・レスキュー隊,警鐘人,シチュー当番
(図書館の)といった面々。
7月15日
乱歩をようやく読み終わる。やはり,「屋根裏の散歩者」と「人間椅子」が着想の面白さや怪しい雰囲気で優れた作品だと思う。
人間椅子の肉感は,映画やテレビドラマで見るより,文字を追った方が遙かに官能的だ。
7月14日
乱歩の「心理試験」など読んだせいで,犯罪者心理などつぶやきながら,講談社文庫の新刊「通勤快毒」(泉麻人)を読んでみたら,
なかで詳しく紹介されている福田和子「涙の谷」が読みたくなった(あの整形逃亡犯ですな)。
扶桑社文庫で出ているらしいのだが見あたらず残念。
7月13日
光文社文庫の江戸川乱歩シリーズ新刊「屋根裏の散歩者」を読む。おどろおどろしい描写に頼る乱歩も悪くはないが,
やはり正面から新しいトリックや心理描写に取り組んだ初期の作品は,今なお新鮮で面白い。初期とはいっても,
乱歩の本格的な文壇デビューは30歳のときであり,よく知られている作品掲載までの紆余曲折は,乱歩自身により本書にも記されている。
7月12日
最近は,デジタルカメラしか使っていないので,すっかりフィルムの感触から遠ざかってしまったが,こういう本を読むと,
また古いカメラにフィルムを詰めてみようかな,という気になってくる。えい文庫の新刊「旅するカメラ2」。
スポーツ紙カメラマンからフリーとなった無口な渡部さとる氏が,愛用のカメラや思い出に残る撮影の記録をまとめた「旅するカメラ」第二弾。
作品50点も収録。ほのぼのとした感じが心地よい。著者による新写真日記はこちら。
7月9~11日
近所の海浜公園でプール開き。さっそく一日泳いできて,日焼けがヒリヒリ。子供も,浮き輪が要らなくなり身軽になりましたが,
潜水しているのか沈んでいるのか,わからないときがあります。未だ出ていませんが,今月の岩波文庫新刊「井伏鱒二全詩集」。「山椒魚」
やドリトル先生の翻訳では親しんできましたが,私にとって詩は初めて?なので楽しみ。
7月6~8日
連日の猛暑で,さすがの通勤読書人もバテ気味。古い文庫本など読み返して,お茶を濁しています。
夜は図書館で大量に借りてきた尼子騒兵衛の「忍たま乱太郎」シリーズを1日2冊のノルマで読書?というより読まされています。
話は面白いけれど,眠い・・・。原作者あまこそうべえさんは,尼崎市生まれの妙齢の女性。1986年より朝日小学生新聞に「落第忍者乱太郎」
を連載。時代考証には特にこだわりがあり,刀剣類・火縄銃等を収集。時として忍者装束を着て女忍者「くノ一」となりパフォーマンスも行う。
「くノ一」は年齢不詳とのこと。
7月4~5日
岩波文庫の新刊「対訳 ブレイク詩集 イギリス詩人選(4)」を読む。岩波文庫で昭和初期に刊行された寿岳文章「ブレイク抒情詩抄」
(先に復刊された)が親しまれているとおり,わが国でブレイクは,明治中期より広く紹介され,海外の詩人の中でもよく知られているひとり。
しかし,ブレイク自身は生前,銅版画家としてわずかに知られていただけで,詩人としては認められず,終生貧乏暮らしだったとのこと。
本書には,ブレイクによるいくつかの幻想的な挿絵も掲載されているが,手彩色によるオリジナル版をぜひ見てみたい
(Web上でもいくつか見ることができる)。
7月1~3日
景気も相変わらずだし,年金も先行き不安,ということで,「株」の本が売れているらしい。大げさなタイトルが多い株本の中,
「サンプラザ中野と松本大の株本」(日経)は,ほのぼのとしていて,初心者にも楽しめる。
初めて株に手を出すS嬢に先輩サンプラザ中野が株取引指南,という内容だが,あまり儲かってないと嘆くサンプラザ氏,今月は「外為投資道場」
も上梓して,かなり投資づいていますな。