蜘蛛男

光文社文庫江戸川乱歩全集の続きで,押絵と旅する男,蟲,ときて,蜘蛛男を読む。若い女性をバラバラの石膏像にしたり,江ノ島の水族館に浮かべたりと,おどろおどろしい仕掛けには事欠かないが,最後に明智が現れてからのどんでん返しも,最初から見え見えなので興味が続かず,なかなか読み通すのに骨が折れる。
ちなみに,主人公が蜘蛛のように残忍酷薄で薄気味がわるいから,タイトルは蜘蛛男。べつに蜘蛛にネチネチ絡まれるわけではない。