1919年の今日、図書の定価販売始まる

出版界365日小事典によると、きょうは1919年(大正8年)に図書の定価販売が始まった日。

東京書店商組合が規約を改正し、現在のように小売書店での書籍、雑誌販売は定価制となったため、これ以降、雑誌の返品が増加した。このため、雑誌に時限再販制度(1年)が導入され、1947年には独禁法により再販禁止となったものの、1953年の独禁法改正により再販制度が導入された。

その後、1979年にレコード商組合がポイントサービス解禁したが、書籍については、日本書店商業組合連合会がこれを拒否してきた。2004年にはポイントサービスの受け入れを表明したものの、現状は再販制度が頑なに守られている状況。

イギリスでは1979年に再販制度が違法とされ、現在は返品条件付きの販売。フランスは1997年に再販制を撤廃したものの、1982年に条件付きで再販へ戻る。ドイツは再販制度を維持しているが再販制を取らない周辺諸国のネット書店へ顧客が流出している。

日本書籍出版協会は、「独占禁止法は、再販売価格の拘束を禁止していますが、1953年の独占禁止法の改正により著作物再販制度が認められています。出版物再販制度は全国の読者に多種多様な出版物を同一価格で提供していくために不可欠なものであり、また文字・活字文化の振興上、書籍・雑誌は基本的な文化資産であり、自国の文化水準を維持するために、重要な役割を果たしています。出版業界では、出版物の流通上、注文した本がなかなか読者に届かないといったご批判に応えるべく、流通改善のためのさまざまな方策を進め、再販制度の弾力的運用を図っております。今後とも、多様な品揃えを確保しつつ質の高い出版物が読者のみなさまに早く確実に届くよう、流通改善および再販制度の弾力的運用を図っていきたいと考えておりますので、出版物再販制度の意義と役割についてご理解を賜りますようお願い申し上げます。」と主張している。