雑誌「ぴあ」が休刊


1972年7月に創刊して以来、40年にわたってエンターテイメント雑誌として親しまれてきた「ぴあ」がついに7月21日発行の最終号をもって休刊となった。

圧巻300ページ近くの最終号には、映画・音楽・演劇・美術・スポーツ各分野における総決算のほか、同誌の表紙を飾ってきた及川正通のイラストとそのモデルになった人々のコメントなどが収められている。各ページには読者投稿欄「はみだしYOUとPIA」が掲載され、往時を知る読者には懐しい誌面となっているほか、付録として創刊号の復刻版が付いている。

自分は学生時代がちょうどぴあ全盛期で、当時は毎号発売日には必ず購入し、ずいぶんお世話になった。チケットを購入するため朝早くから並んだことも再三だったが、いつのまにかエンタメ情報はネット経由となり、最近では、ぴあはオンラインチケット購入の窓口としてのお付き合いのみで、雑誌としてのぴあはもう過去のものだと感じていた。

もともとぴあはアマチュアイベントの告知にも熱心で、学園祭や小さな劇団の公演など、それまでローカルなチラシでしか目にしなかった情報を網羅し、従来の商業的な音楽誌や演劇誌とは一線を画する画期的な雑誌であった。今回、休刊を機会に再び雑誌ぴあを眺めてみて、最後までそのアマチュアリズムを失わない貴重な雑誌だったのだと感じさせられた。「ぴあ」にあらためて感謝。