岩波文庫「カンディード」を読了。
お城の姫といちゃいちゃしていたのを見つかり,追放となったカンディード。師匠パングロス先生の「すべてのものは何らかの目的あって作られているのだからして,必然的に最善の目的のためにある」というお気楽な教え(当時流行っていたライプニッツの主張のパロディだといわれています)を信じてはいるものの,どこへ行っても裏切られ,悲惨な目にあってばかり。
城に残っていた師匠や姫も,敵に襲われ,男たちに弄ばれてボロボロに。それぞれ死んだと思われてたのに実は生きていた,という展開は,おぃおぃ・・・といった感じにもなりますが,様々な議論が飛び出しつつ,とりあえず最後は,みなうち揃って,「お説はごもっとも。しかし,ぼくたちの庭を耕さなければなりません」と現実に目覚めて終わり。
思想的な背景は,親切な解説に詳しいが,ストーリーだけを追っても,荒唐無稽,SM的(尻を半分切られたりしています)でとても面白い。お薦め。