クック「太平洋探検(4)」

太平洋探検 (4)岩波文庫の新刊,「クック太平洋探検(4)第2回航海(下)」を読みました。
本書は,1774年のクック第2回太平洋探検の後半部分。3度目になるタヒチを始め,トンガ,ニュー・ヘブリディーズ,ニュー・カレドニア,ニュージーランドへの航海。
これまでは,あらたな土地の発見が第一目的だったため航海日誌的な話が多かったのですが,今回は,原住民のなかへより深く入り込んで,その生活ぶりを詳しく描いています。
そのため,ときには数千の槍や弓矢を持った武装兵と一触即発の事態となり,部下のある者は女から悪い病気を貰ったり,毒をもった魚を食べて苦しむなど,危険な場面も。
そんなときでも,クック船長の統率力や判断力は抜群で,言葉も通じない原住民の首長らと交渉し,ときには威嚇しながらも部下の安全を守り,またまた大きな成果をあげて帰国します。
ちなみに,クック船長自身が命名したり関係した島の名前もたくさんあり,ポリネシア諸島のクック島,クリスマスに発見したクリスマス島,英国王立協会にちなむソシエテ島,新スコットランドを示すニューカレドニア,海軍提督サンドウィッチ公爵の名をとるサンドウィッチ諸島などなど。
次回は4月刊とのこと。