乙女の港 (実業之日本社文庫 – 少女の友コレクション)
posted with amazlet at 11.10.05
川端 康成
実業之日本社 (2011-10-05)
売り上げランキング: 77412
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実業之日本社文庫少女の友コレクションシリーズの新刊「乙女の港」。
「少女の友」誌に昭和12年6月号から13年3月まで掲載された川端康成の少女小説で、昭和初期の横浜のミッションスクールを舞台に、新入生とふたりの上級生との三角関係を描いたもの(昔風に言うとエス、ちょっとニュアンスが違うけど同性愛)。当時、ハイカラなミッションスクールでのお嬢様揃いの女学生たちの生活は、全国の少女たちの憧れだったんでしょうね。ジュニア小説でも定評のある著名な作家はたくさんいますが、さすがに川端康成の官能的な表現は、具体的な性描写など無い本作でも光っています。レトロなエロさです。
本書はずっと前に国書刊行会から復刻されていましたが高価だったので、今回文庫化されたのは嬉しく、中原淳一の挿絵が当時の気分を盛り上げてくれます。瀬戸内寂聴の特別寄稿がオマケ。