岩波文庫の音楽の本

岩波文庫に収録されている音楽関係の本をまとめてみました。これ以外にも,オペラのリブレットやバレエの原作など,音楽にまつわる作品は多いと思いますが,それらはまた,別途取り上げてみたいと思います。

作曲家とその作品
ベートーヴェンの生涯 ベートヴェン好きでロマン・ロランを読まない人はいないと思うが,苦難と闘い,勝利を求める理想化されたベートーヴェン像を求める人にとってのバイブル。お薦め
ベートーヴェンの手紙 書簡集。新版となり解説が充実
ベートーヴェン音楽ノート 書簡以外の日記やスケッチ帳のメモ
アラン音楽家訪問 ベートーヴェンのヴァイオリンソナタについてヴァイオリニストやピアニスト相手の会話形式で解説
モーツアルトの手紙 少年時代から死の直前までの書簡を収める。無邪気でときには醜悪な天才モーツアルトに親しもう
バッハの生涯と芸術 モーツアルトと同時代の音楽家フォルケルによるバッハの最初の本格的な評伝。作曲法や演奏法にも詳しく,古典的なバッハ研究の歴史が知られる
フランツ・シュウベルト グロウブによるよくまとめられた評伝。残念ながら長く絶版
作曲家自身の著作
ベエトオヴェンまいり ベートーヴェンを崇拝するワーグナーによる自伝的作品
さすらひのオランダ人/タンホイザア 歌劇のモティーフとテーマについては楽譜例を添えて解説
芸術と革命 亡命したワーグナーによる理想の芸術を実現するための革命論
ロオエングリイン/トリスタンとイゾルデ 白鳥の騎士ローエングリンの伝説とケルト伝説に基づく悲恋物語
ドビュッシー音楽論集 この自選評論集は意外に下世話な当時の楽壇の裏話を書いていて面白い。取り上げられている作曲家に対するドビュッシーの厳しい評価は,現在の一般的な評価とは必ずしも一致しない。お薦め
音楽と音楽家 シューマンによるベートーヴェンやブラームスなどドイツの作曲家論
音楽に関する物語
盲音楽師 ロシアの作家コロレンコによる,絶望に沈んでいた盲人が音楽家として成功するまでの物語
旅の日のモーツァルト メーリケによりモーツアルトの幼き日の思い出,創作のエピソードが小説となった
音楽評論
音楽美論 ハンスリック著。音楽の本質は感情の表出ではなく,音楽的に美なるものにあるという。ブルックナー好きには堪えられない?書
音楽と生活-兼常清佐随筆集 日本音楽,日本文化に対する過激な論集。あまりに言いたい放題なので不愉快になるか,笑ってしまうか….お薦め
俗楽旋律考 明治期の日本音楽,とくに音階に関する研究
歌舞音楽略史 雅楽を知りたい人のために
歌集
朝鮮童謡集 1920年代に東京在住の朝鮮の人々から採取した口伝民謡のうち童謡を集める
朝鮮民謡集 同じく民謡を集める
声曲類纂 斎藤月岑の編による江戸時代の音曲に関する書。浄瑠璃,義太夫,長唄,小唄などについて豊富な資料を収める
山家鳥虫歌-近世諸国民謡集 江戸中期の民謡398篇。詳しい注
わらべうた-日本の伝承童謡 わらべうた160篇の曲譜,解説と注解
日本民謡集 江戸時代から今日までの郷土民謡225篇。詳細な解説と注釈
日本童謡集 大正・昭和の名作童謡を300篇を集める
日本唱歌集 明治から終戦まで150篇の唱歌を集める