岩波文庫3月の新刊(3月16日発売)
■銀座復興 他三篇(水上滝太郎)
「復興しないったってさせてみせらあ。日本人じゃあねえか。」焼け野原の銀座にたったひとつ灯った、トタン小屋の飲み屋のランプ――作家と実業家、二足の草鞋を生涯貫いた水上滝太郎(1887-1940)が、関東大震災後の銀座の人びとを描いて力強い『銀座復興』。他に、『九月一日』『果樹』『遺産』を収録。
■善の研究(西田幾多郎)
真の実在とは何か、善とは何か、宗教とは、神とは何か――。主観と客観が分かたれる前の「純粋経験」を手がかりに、人間存在に関する根本的な問いを考え抜いた西田幾多郎(1870-1945)。東洋の伝統を踏まえ、西洋的思考の枠組自体をも考察対象とした本書は、以後百余年、日本の哲学の座標軸であり続ける。改版
フィレンツェ史(上) (岩波文庫)
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マキァヴェッリ
岩波書店
売り上げランキング: 260342
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■フィレンツェ史 全2冊(上)(マキアヴェリ)
『君主論』で名高いマキァヴェッリ(1469-1527)が晩年に書いた歴史書。古代ローマ時代のフィレンツェの起源から1492年の大ロレンツォ・デ・メディチの死までが扱われる。各種年代記や歴史叙述等の史料を駆使し、ときにそれらに大胆かつ自由奔放な創作の手を加えて、彼一流の精彩に富む歴史像を作り上げた。新訳(全2冊)
■祭の夜(パヴェーゼ)
裏切りと復讐、自殺と自由、不条理な争い、暴力、弾圧、階級の差異――。均斉のとれた構造のうちに複雑な内容が秘められた、パヴェーゼ文学の原質をなす《詩・物語》全十篇。当時エイナウディ社で働いていたカルヴィーノが遺稿から編み上げた生前未発表の短篇集で、いずれの作品も詩的想像力に満ち溢れ、完成度がきわめて高い。