岩波文庫新刊で残っていたキケロー「弁論家について」(上)を読む。先に岩波書店から出たキケロー選集所収のもの。
キケロー(前106~前43)は,ローマの政治家,弁論家,哲学者。法廷弁論で有名となり執政官となる。カエサルと対立し,カエサルとポンペイウスの対立ではポンペイウスを支持。後にカエサルに帰順したが,カエサル暗殺後アントニウスと対立して暗殺された。本書「弁論家について」は,前55年に完成したが,行方がわからず,1422年に完全な写本が発見された。
熾烈な政治闘争と動乱の時代にあって,重要な「武器」の一つとなった実質的かつ説得力のある弁論術を追究したのが本書。訳はほかの岩波文庫版キケロに比べてわかりやすく。もともと4歳年下の弟クイントゥスに与えた書という体裁なので取っつきやすいのだが,注をいちいちめくりながらこの量をこなすのはさがに骨が折れる。
※土曜日は恒例のホタル鑑賞会へ。保護テントの中は,あまり光っていなかったのでガッカリしたのですが,外の小川の周りは,手が届きそうなところをユラユラとホタルが飛び交っていて,子供たちも大喜び。ただ虫のお尻が光っているだけなのに,なんであんなに嬉しくなるのでしょうね。
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2巻終了
キケロー『神々の本性について』、2巻を読み終わりました。ラテン語のテキストはトイプナーを使っているのですが(下記リンク参照)、それほど優れたテキストという印象は受けま