もう一つ文房具の話。絵本調の造りが和む,沢野ひとし「さわの文具店」(小学館)。
切手ぬらし器や紙縒など,ちょっとレトロな50の文房具についてのエッセイ。蘊蓄話ではなく,子供の頃の記憶や旅の思い出など,著者の日常生活が見えてくるような淡々とした書き振りが心地よい。もっとも,沢野少年の実家は,文房具屋ではなく洋服屋だったのだが。
奥さん(なかなかのこだわり文具ニスト)もしばしば登場し,自宅に勝手に大きな銅版画プレス機など持ち込んだ亭主に嫌みを言っている。
著者曰く,手帳はシャープペンシルに限る。それは,つい油断してやたらなことを書いてしまい,あとで奥さんに尻尾を捕まれないようにするため。たしかに,私も手帳を隅々まで見られたら,結構まずいんじゃないかと思う。証拠隠滅したくても,もっぱら万年筆で書いているので,それもかなわない。ここは男らしく開き直るしかなさそうだが,とにかく手帳は肌身離さず持っていることが肝要。
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さわの文具店 / 沢野ひとし
イラストレーターであり、作家である著者が好む万年筆への想いや旅先で出会った文具とのエピソードなどをまとめた1冊。
筆記具といっても様々な種類がある。
万年筆、ボールペン