廣済堂出版の新刊「さらば,ライカ ~アナログ派のためのデジカメ活用術」(田中長徳)を読む。
著者曰く,「誤解されると困るのは,これは「グッドバイライカ」ではなく「デジカメ結構,されどライカも使おう」という内容の書である」。 本書は,長徳ファンには楽しい本ではあるが,デジカメへの転向声明でもなければ,アナログ一穴主義宣言でもないので,著者が何を言いたいのか,通りすがりの読者にはよく分からないだろう。そもそも,ライカ(銀塩)は趣味,デジカメは実用と最初から割り切っているのだから,「さらばライカ」というタイトルは著者流の「誇大広告」なのだ。
最近はデジタル一眼レフが普及してきたので,それに乗り換えようと思っている人も多いだろう。そのとき知りたいのは,デジタルカメラでもレンズの違い(味)が分かるのか?という一点のみ。これについて著者は,現今のデジカメにはレンズの味を求めるようなゆとりはない,レンズの味とはレンズの欠点すなわち癖玉のことである,そういう癖玉をあえて使いたい数奇者にはレンズ交換式デジカメが向く,レンズの選択如何でレンズの味わい三昧は思いのままである・・・結局どうしたらいいんだぃ。