光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「怪人と少年探偵」を読む。第23回配本。
晩年(昭和35~37年)に少年誌などに掲載された少年探偵団シリーズ4編(表題作は単行本未収録)と内外の作品にあらわれたトリックを分類解説した「探偵小説の『謎』」を収録。「超人ニコラ」は,少年探偵シリーズ最後の作品であり,また乱歩最後の創作である。
もちろん,お子様向けなので,おどろおどろしい場面があるわけではなく,目新しいトリックも出てこない。それでも,ここまで乱歩が育ててきた二十面相や明智探偵に対して,いろいろとご苦労であった,とひと言ねぎらってやりたい,という気分になる。
設定はそれほど古くさい感じはしないので,ウチの息子にも読ませてみようか。