文楽の研究(三宅周太郎)

文楽の研究引き続き,岩波文庫の新刊「文楽の研究」(三宅周太郎)を読みました。
本書は演劇評論家である著者が,大正から昭和初期にかけての文楽の世界について,名人の生い立ちや修行の話,芝居小屋での奇談・珍談など豊富なエピソードを交えながら,わかりやすく解説しています。文楽人形や人形浄瑠璃と歌舞伎との関係など語り口が巧みで,普段文楽に縁のない私でも,最後まで興味を持って読むことができました。
ちなみに本書は昭和5年の刊行以来,6度目の版にあたり,戦前の春陽堂,創元選書(改修),戦後の創元選書(新編),創元文庫(定本),角川文庫に続くもの。岩波文庫版は角川文庫を底本としており,角川文庫は創元文庫の紙型を買い取ったものだそうですから,3種の文庫版は内容としては同じものといえます。
文楽に関しては,人形浄瑠璃文楽が参考となります。