岩波文庫新刊の最後,「キケロー弁論集」を読みました。
「弁論家について」に続いての刊行。「弁論家について」は興味を持って読んだものの,さすがに面白かったとは言えなかったのですが,本書はとっても「面白く」読むことができました。
収録されているのは,「カティリーナ弾劾」,「アルキアース弁護」,「ピーソー弾劾」,「マルケッルスについて」。キケローの弁論の巧みさ・立派さは,それぞれの事件の経緯に疎くても十分感じられますが,先に丁寧な解説を読んでおくと一層楽しめます。訳文も平易で読みやすいものです。
とにかくあらゆる策略を用いて悪事を暴き,目の前にいる相手をめちゃくちゃに貶しながら,自らの功績をこれでもかと言い立てるわけですから,キケローは相当に嫌なやつだと思われますが,国家転覆をもくろむカティリーナの陰謀を暴き反乱を未然に防いだことにより,キケローは「国父」と呼ばれる英雄となりました。
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どこまでつけ込むつもりなのだ 「キケロー弁論集」
「キケロー弁論集」 ☆☆☆☆
最近、日本の政治家の演説がつたない気がします。
急造政治家のような候補者が多いせいかもしれませんが、
ちょっと聞くに堪えません。。。
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