河鍋暁斎(コンドル)

河鍋暁斎岩波文庫の新刊「河鍋暁斎」(コンドル)を一気に読みました。
本書は,幕末明治期の絵師,河鍋暁斎に弟子入りしたコンドルが,自ら見た暁斎の画法の秘密を詳細に記録したもの。
暁斎は日本よりもむしろ欧米で早くから評価されており,来日した外国人との交流も多かったのですが,とくに建築家で絵画の腕も確かだった工部大学校のお雇い外国人教師コンドルによる本評伝は,8年間にわたり暁斎のもとで実作に励んだだけあって,暁斎研究の基礎資料として高く評価されています。
本書の前半は暁斎の生涯を概説した後,その画材や技法を作品に沿って解説。後半は作品解説(目録)で,これは現在でも鑑定資料として貴重なものとのこと。
技法の解説は,コンドルが『暁斎が目の前で描いた絵画について制作の手順方法などを記録した夥しい量にのぼるノートを作り,また描き進むに従って生ずる説明図,素描,下絵などをことごとく保存していた』というだけあって,臨場感あふれるもので,日本画に馴染みのない人でも暁斎の世界に引き込まれていくでしょう。

コメント

  1. リンクありがとうございます!
    非常に見やすく丁寧な作りのブログですね。
    ウチの雑な作り・・・反省します。
    これからもよろしくお願いします。

  2. ぶか~んさんのダメだし書店,すごいです。取り上げられている本も,ツボを突いてきますね。これからもよろしくお願いします。

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