エイ文庫の新刊「気づいたら,カメラ馬鹿。」(郡山総一郎)を読む。
そんな写真家いたっけ・・・と思ったら,この方,2004年の「イラク日本人人質事件」で人質となった3人のうちの一人。フリージャーナリストを名乗っていたと思うが,そのフリージャーナリストになったいきさつがまず書かれている。
著者は以前,フリージャーナリストでは食べていけないので,アルバイトをしてお金を貯め,『仕事と言うよりは趣味で行ってます。イラクの現状を伝えたいというのもありますが,それよりも,自分で見たい,いったい何が本当に起こっているのか,それが知りたいという好奇心で,イラクに行きました。』と語っていたが,このあたり,当時自己責任を問われたように,「まじめな」カメラファンには少々無責任野郎だと感じられるかもしれない。
掲載された写真は,紛争地域のものやエイズ取材などが中心で,カメラ自体に関する話は別段目新しいものはない(こういう人でもフォトジャーナリストになれるのか,という別な意味での興味はある)。ということで,立ち読みでも充分だった,と少々後悔。