いやな本を読んだ。新風社の新刊 「今日,ホームレスになった13のサラリーマン転落人生」(増田明利)。
かつて企業で活躍したサラリーマンが,不況による自主退職やリストラによる首切りで,心ならずも路上生活者となる。いま,ホームレスの40%は元サラリーマンだという。みんな辞めるときにはあまり悲観的ではない。それまで企業で実績を積んできたのだから,どこか引き取り手はあるはずだ。だけど実際には40歳を超えると年齢の壁が立ちはだかる。
サラリーマンは気楽な稼業・・・とは言えなくなって久しいが,一度バブルを経験し,その後はずっと浮かび上がれずにいる我々の世代にとって,彼らの苦悩は本当に他人事ではない。最初から氷河期だった30代はもっと苦しいのかもしれないが。
サラリーマンからホームレスになった人たちの叫びは,「どんなに会社に居場所が無くなろうとも辛い仕打ちに遭おうとも,絶対に辞めちゃ駄目だ!」 職があるだけマシだと思って,耐えていこうではありませんか。
第25回新風舎出版賞受賞作品。