ウォルター・スコット邸訪問記(アーヴィング)

ウォルター・スコット邸訪問記岩波文庫の新刊「ウォルター・スコット邸訪問記」(アーヴィング)を読む。本書は訳者斉藤 昇氏による「スコットランドの吟遊詩人を訪ねて」(文化書房博文社,1997年)を大幅に改訂したもの。
アーヴィングは「スケッチ・ブック」や「アルハンブラ物語」が岩波文庫や新潮文庫などに収められているものの,短編作家,紀行作家の印象が強い。実際には,法律家,外交官であった彼は,外国語にも堪能で,伝記やエッセイなど多作な人だった。
1783年ニューヨークに生まれたアーヴィングは,1815年イギリスに渡った。当時のイギリスはナポレオン戦争の影響で苦しい時代であったが,彼は英米の著作権問題を足がかりに文壇に顔を売り,1817年エジンバラに旅した際に,イギリス文壇の巨匠スコットと対面することとなる。この「文学的巡礼」で,アーヴィングは自らの文学活動への自信を得たという。
本書では,堅苦しい文学談義ではなく,スコットの日常生活を生き生きと描いており,120ページほどの本文はあっという間に読み終えてしまった。
※岩波ブックセンターの裏にオープンしたステーキハウス「神房」。神保町だから「じんぼう」? ここで出るワインの名前が「じんぼう」で,オーストラリアのジンボーという町のワインだという。「mariの遊楽40life」にレポートがある。ここのところ,粗食に耐えているので,思いっきりステーキ食べたい!